ノーリツ鋼機

ノーリツ鋼機、2025年12月期は音響機器牽引で増収増益 当期利益は株式売却益の反動で減益 2026年12月期はセンクシア連結で大幅増収へ

決算サマリー 2026.08.30
ノーリツ鋼機、2025年12月期は音響機器牽引で増収増益 当期利益は株式売却益の反動で減益 2026年12月期はセンクシア連結で大幅増収へ

※本記事はノーリツ鋼機が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

ノーリツ鋼機株式会社(証券コード:7744)は2026年2月13日、2025年12月期(FY25、2025年1月〜12月)の決算を発表した。連結売上収益は119,223百万円(前期比11.9%増)、営業利益は20,815百万円(同4.2%増)となり、音響機器関連事業(AlphaTheta、JLab)の成長により増収増益となった。当期利益は15,639百万円(同3.0%減)となり、前期に計上した株式売却益の反動により減益した。なお、2025年11月14日付で公表した修正予想を上回って着地した。

目次

連結業績(2025年12月期 実績)

売上収益は119,223百万円(前期比11.9%増、増減額+12,684百万円)、事業EBITDA(営業利益に減価償却費等を加算した独自指標)は25,726百万円(同5.9%増)、営業利益は20,815百万円(同4.2%増)、営業利益率は17.5%(前期比1.2pt低下)だった。当期利益は15,639百万円(前期比3.0%減)となった。資料は、前期(FY24)に計上した株式売却益(プリメディカ株式の売却、19億円)の反動が当期利益の減益要因になったとしている。平均為替レートは、米ドルが149.7円(前期比1.9円円高)、ユーロが169.0円(同5.0円円安)だった。

営業利益の増減要因(前期比、単位:億円)は、FY24実績200に対し、為替影響+4(うちAlphaTheta+5、JLab△1)、テイボーグループ△5、AlphaTheta+11、JLab+6、全社費用△2、償却費・その他△6を積み上げ、FY25実績208となった(事業EBITDAは前期比+14)。

項目FY25実績FY24実績前期比
売上収益(百万円)119,223106,539+11.9%
事業EBITDA(百万円)25,72624,283+5.9%
営業利益(百万円)20,81519,971+4.2%
営業利益率17.5%18.7%-1.2pt
当期利益(百万円)15,63916,120-3.0%
FY25 連結業績サマリ
出典:ノーリツ鋼機 2025年12月期 決算補足説明資料 P.6

セグメント別業績

個社別では、テイボーグループ(部品・材料)が減収減益、AlphaTheta及びJLab(いずれも音響機器関連)が増収増益となった。テイボーグループは、ペン先事業で筆記分野の顧客生産調整が継続する一方、MIM事業は新製品効果等により成長を維持したものの、原材料費・人件費の高騰により収益性が悪化し、売上収益11,744百万円(前期比1.9%減、為替影響除く1.6%減)、事業EBITDA2,778百万円(同15.0%減、為替影響除く15.0%減)となった。AlphaThetaは需要が引き続き好調で増収基調を維持し、売上収益69,879百万円(前期比11.6%増、為替影響除く10.9%増)、事業EBITDA19,203百万円(同8.9%増、為替影響除く6.3%増)となった。DJ機器とアプリケーションの売上構成の変化により粗利益率は低下したものの、増収により増益を確保した。JLabはカテゴリ拡充とEC販売拡大により売上収益37,599百万円(前期比17.6%増、為替影響除く19.1%増)、事業EBITDA4,963百万円(同13.0%増、為替影響除く14.4%増)となった。ブランド認知向上を目的とした先行投資で販管費は増加したほか、欧州の大手代理店の債権に対し約5億円の引当金を計上したが、11月14日付修正予想どおりの着地となった。

セグメント指標FY25実績FY24実績
テイボーグループ(部品・材料)売上収益(百万円)11,74411,975
テイボーグループ(部品・材料)事業EBITDA(百万円)2,7783,270
AlphaTheta(音響機器関連)売上収益(百万円)69,87962,588
AlphaTheta(音響機器関連)事業EBITDA(百万円)19,20317,630
JLab(音響機器関連)売上収益(百万円)37,59931,975
JLab(音響機器関連)事業EBITDA(百万円)4,9634,394
FY25 セグメント別業績
出典:ノーリツ鋼機 2025年12月期 決算補足説明資料 P.8

事業ポートフォリオの変化

資料は事業ポートフォリオに関する複数のトピックを開示している。センクシア株式会社(建材機器メーカー、部品・材料セグメント)については、2026年2月2日付で子会社として取得し、2026年2月からグループ連結を開始するとしており、FY25の実績には含まれず、FY26予想から寄与する。センクシアの企業価値は約800億円(EBITDAマルチプル8.7倍)と算定され、株式取得後のNet Debt/事業EBITDA倍率は0.1倍と試算されている。また、部品・材料セグメントのテイボー(ペン先事業)について、資料は『譲渡を含む選択肢の検討を開始』したと開示しており、現時点で具体的な決定事項はないとしている。なお、当該事業は次なる選択肢が確定するまで現行体制と戦略を維持し、必要な設備投資等の支援を継続するとしている。浜松メタルワークス(MIM事業)は2025年に分社化されており、引き続き部品・材料セグメントの一員としてセンクシア等との協業を含む成長投資を継続するとしている。

通期業績予想(2026年12月期)

2026年12月期(FY26)は、新たにグループに加わるセンクシアが2月から連結対象となることに加え、テイボー、浜松メタルワークス、AlphaTheta、JLabのいずれも増収増益を計画しており、連結でも大幅な増収増益を予想する。売上収益は167,600百万円(前期比40.6%増)、事業EBITDAは35,500百万円(同38.0%増)、営業利益は26,000百万円(同24.9%増)、営業利益率は15.5%(前期比1.9pt低下)を計画する。当期利益は16,800百万円(前期比7.4%増)を見込む。資料は、前期に計上した為替評価益の反動減や利息増加の影響があるものの、当期利益は増益になるとしている。為替前提は米ドル150.0円(前期比+0.3円)、ユーロ178.0円(同+9.0円)。

セグメント別では、テイボーは売上収益9,500百万円(前期比3.9%増、為替影響除く4.9%増)・事業EBITDA2,500百万円(同2.8%増、為替影響除く4.9%増)、浜松メタルワークスは売上収益2,800百万円(前期比7.7%増)・事業EBITDA400百万円(同15.0%増)を計画する。新たに連結対象となるセンクシアは売上収益34,600百万円・事業EBITDA7,800百万円を計画に織り込む。AlphaThetaは売上収益76,700百万円(前期比9.8%増、為替影響除く6.8%増)・事業EBITDA21,000百万円(同9.4%増、為替影響除く0.8%増)、JLabは売上収益44,000百万円(前期比17.0%増、為替影響除く16.8%増)・事業EBITDA5,400百万円(同8.8%増、為替影響除く8.6%増)を計画する。

項目FY26予想FY25実績前期比
売上収益(百万円)167,600119,223+40.6%
事業EBITDA(百万円)35,50025,726+38.0%
営業利益(百万円)26,00020,815+24.9%
営業利益率15.5%17.5%-1.9pt
当期利益(百万円)16,80015,639+7.4%
FY26 通期セグメント別業績予想
出典:ノーリツ鋼機 2025年12月期 決算補足説明資料 P.16

中期経営計画(中計FY30)

中期経営計画『中計FY30』は、成長性(本中計期間の売上収益成長率CAGR10%以上、為替影響を除く年平均成長率)、資本効率性(FY30のROE10%以上)、収益性(本中計期間の営業利益率15%以上)、株主還元(本中計期間の総還元性向50%以上)を定量目標に掲げる。FY30の参考数値(FY24と同為替前提)として、売上収益1,900億円以上、事業EBITDA380億円以上、営業利益285億円以上、事業EBITDAマージン20%以上を示している。資料は、センクシアのグループ参画について『既存事業のオーガニック成長に加え、周辺事業及び新領域へのM&Aによる非連続な成長』の具体的な打ち手であり、部品・材料セグメント強化のための投資と位置づけるとしている。

株主還元

FY25の年間配当金は74円(株式分割調整後)で、配当性向50%、DOE3.5%、自己株式取得20億円と合わせた総還元性向は63%だった。配当性向40%<DOE3.5%という関係から、期末の配当金は予想通り37円となった。FY26予想の年間配当金は75円(中間37円、期末38円)、配当性向48%、DOE3.5%を計画し、自己株式取得30億円を予定、配当と合わせた総還元性向は66%となる見込み。なお、2025年7月1日を効力発生日として普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施しており、配当金は分割調整後の数値で記載されている。FY26予想の配当金は、2026年3月26日開催の定時株主総会で決議予定。

項目FY25実績FY24実績FY26予想
年間配当金(円)746075
配当性向50%40%48%
DOE3.5%3.0%3.5%
自己株式取得(億円)2030
総還元性向63%40%66%
株主還元について(配当・自己株式取得の推移)
出典:ノーリツ鋼機 2025年12月期 決算補足説明資料 P.24

※本記事はノーリツ鋼機が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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