日本エム・ディ・エム

日本エム・ディ・エム、2026年3月期は減収減益 東証プライム上場基準に不適合

決算サマリー 2026.08.30
日本エム・ディ・エム、2026年3月期は減収減益 東証プライム上場基準に不適合

※本記事は日本エム・ディ・エムが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

日本エム・ディ・エムの2026年3月期(第54期)連結業績は、売上高23,917百万円(前期比4.8%減)、営業利益574百万円(同63.1%減)、経常利益534百万円(同64.1%減)となった。一連の報道事案の影響等により国内外で獲得症例数が減少したことなどが要因で、いずれも前期を下回った一方、親会社株主に帰属する当期純利益は263百万円となり、前期の当期純損失461百万円から黒字化した。当社はまた、コンプライアンス及びガバナンス体制の強化に取り組んでいるほか、東証プライム市場の上場維持基準に不適合の状態にあることを開示している。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

営業利益は前期15.5億円から当期5.7億円となり、前年同期比9.8億円の減益となった。資料は主な要因として、①日米売上高減少等により粗利が12.0億円減少したこと、②製品供給対応に伴う労務費や製造間接費の増加、調達コスト上昇等により製造原価が悪化し粗利をさらに2.6億円押し下げたことを挙げている。一方、販管費は費用抑制の取り組みにより前期比4.3億円改善(減少)し、減益影響を一部相殺した。売上原価率は40.9%となり、前期の37.7%から3.2pt悪化した。

項目2025年3月期2026年3月期増減率
売上高25,114百万円23,917百万円4.8%減
売上原価9,467百万円9,775百万円3.3%増
販管費14,090百万円13,567百万円3.7%減
営業利益1,555百万円574百万円63.1%減
経常利益1,488百万円534百万円64.1%減
親会社株主に帰属する当期純利益△461百万円263百万円
前期営業利益比較分析(営業利益増減分析)
出典:2026年3月期(第54期)通期決算説明会資料 P.6

地域別・品目別売上高の状況

日本国内売上高は13,109百万円(前期比3.8%減)となった。資料は、一連の報道事案の影響により特に第4四半期に入り一部施設での獲得症例数が減少したことを要因として挙げている。品目別では人工関節4,904百万円(同6.4%減)、骨接合材料4,444百万円(同4.5%減)、脊椎固定器具3,493百万円(同1.4%減)、その他432百万円(同6.0%増)であった。なお、品目別合計と日本国内売上高には、収益認識基準適用に伴う売上控除により差異がある。米国売上高は円換算後10,807百万円(同5.9%減)、USドルベースでは71,509千US$(同5.0%減)となった。資料は、人工膝関節製品の供給制約の影響などにより既存顧客からの獲得症例数が減少したことを要因として挙げている。

区分品目2026年3月期2025年3月期増減率
日本国内人工関節4,904百万円5,237百万円6.4%減
日本国内骨接合材料4,444百万円4,653百万円4.5%減
日本国内脊椎固定器具3,493百万円3,543百万円1.4%減
日本国内その他432百万円407百万円6.0%増
日本国内日本国内売上高13,109百万円13,634百万円3.8%減
米国(円換算後)人工関節10,774百万円11,449百万円5.9%減
米国(円換算後)脊椎固定器具32百万円30百万円6.2%増
米国(円換算後)米国売上高10,807百万円11,479百万円5.9%減
米国(USドルベース)米国売上高71,509千US$75,279千US$5.0%減

一連の報道事案とコンプライアンス・ガバナンス体制の強化

当社は一連の報道事案を受け特別委員会を設置し原因分析を実施した。資料は、牽制機能及び監督体制に不十分な点があったこと、売上達成に偏重した営業部門の評価制度であったこと、コンプライアンス遵守を重視する企業風土の醸成が不足していたことを課題として挙げている。再発防止策として、法務・コンプライアンス機能の拡充、コンプライアンス研修・意識浸透の強化、医療従事者等との関係に関する承認プロセス強化、営業部門の人事評価制度見直し、医療従事者との会食・奨学寄附金の凍結、KIZUNA社内風土改革プロジェクトの推進を実行中としている。

コンプライアンス及びガバナンス体制の強化
出典:2026年3月期(第54期)通期決算説明会資料 P.24

東証プライム上場基準の不適合

当社は、東証プライム市場の上場維持基準である「流通株式時価総額100億円」を下回っており、基準不適合の状態にある。2026年4月1日から2027年3月31日までの改善期間内に同基準を上回る必要があるとしている(任意の3か月間の平均株価による流通株式時価総額)。当社は、改善期間内にプライム基準を確実に充足できるかという不確実性も踏まえ、上場維持の確実性を高める観点から、東証スタンダード市場への上場申請準備を進める方針としている。

東証プライム上場基準の不適合対策
出典:2026年3月期(第54期)通期決算説明会資料 P.38

2027年3月期 業績予想

2027年3月期は売上高25,370百万円(前期比6.1%増)を見込む一方、営業利益430百万円(同25.1%減)、経常利益140百万円(同73.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円(同77.2%減)と、増収ながら減益を予想している。上期(中間期)については、営業損失260百万円、経常損失410百万円、親会社株主に帰属する中間純損失330百万円を見込んでおり、前年同期(営業利益208百万円、経常利益130百万円、中間純利益69百万円)から損益が悪化する見通しである。前提条件として、想定為替レートは155.0円/USドル(前期実績150.98円)、売上原価率41%、米国相互関税の影響1.5百万US$などを見込んでいる。

項目2026年3月期実績2027年3月期予想前期比
売上高23,917百万円25,370百万円6.1%増
売上原価9,775百万円10,410百万円6.5%増
販管費13,567百万円14,530百万円7.1%増
営業利益574百万円430百万円25.1%減
経常利益534百万円140百万円73.8%減
親会社株主に帰属する当期純利益263百万円60百万円77.2%減

中期経営計画(ローリングプラン2029)

資料は、2027年3月期を収益性改善に向けた転換点と位置付け、米国での新製品導入と症例数回復による売上成長の再加速、製造原価低減・販管費効率化を通じて2029年3月期に向けた収益性改善を目指すとしている。なお、2026年3月期の当初計画は売上高26,400百万円、営業利益1,850百万円(売上比7.0%)、当期純利益1,450百万円(同5.5%)、ROE5.8%であったのに対し、実績は売上高23,917百万円、営業利益574百万円(同2.4%)、当期純利益263百万円(同1.2%)、ROE1.1%にとどまり、当初計画を下回った。

項目2026年3月期当初計画2026年3月期実績2027年3月期予想2028年3月期目標2029年3月期目標
売上高26,400百万円23,917百万円25,370百万円27,500百万円30,000百万円
営業利益(売上比)1,850百万円(7.0%)574百万円(2.4%)430百万円(1.7%)1,000百万円(3.6%)1,500百万円(5.0%)
親会社株主に帰属する当期純利益(売上比)1,450百万円(5.5%)263百万円(1.2%)60百万円(0.2%)500百万円(1.8%)1,000百万円(3.3%)
ROE5.8%1.1%0.2%2.0%3.9%
ROIC4.3%1.3%1.0%2.2%3.3%
配当性向安定配当30%以上157.4%安定配当30%以上安定配当30%以上安定配当30%以上
ローリングプラン2029 定量目標
出典:2026年3月期(第54期)通期決算説明会資料 P.35

株主還元

配当性向は2026年3月期実績で157.4%となった。2027年3月期以降は安定配当・配当性向30%以上を目安とする方針としている。

※本記事は日本エム・ディ・エムが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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