※本記事はウシオ電機が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ウシオ電機株式会社は2026年5月14日、2026年3月期(連結)の決算を発表した。売上高は1,792億円(前期比+15億円、+0.9%)、営業利益は119億円(同+31億円、+35.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は79億円(同+11億円、+17.6%)となり、増収増益で着地した。売上・利益ともに直近の業績予想(2026年3月19日発表、売上高1,750億円・営業利益115億円)を上回った。Visual Imaging(VI)事業は映像演出ニーズの回復により増益となった一方、Industrial Process(IP)事業は過去の過剰投資の影響でステッパ露光装置の販売が減少した。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の経常利益は133億円(前期比+8億円、+7.2%)、EPSは94.88円(前期70.27円)、ROEは4.0%(調整後ROE4.6%)だった。資料は、DLT装置等露光装置関連への先行投資拡大(34億円計上)や露光装置等の一時的な評価損計上(14億円)、棚卸資産評価損(IP事業関連▲14億円、VI事業関連▲6億円、FY25発生分)、OSRAM事業買収に伴うアドバイザリー費用(▲12億円)などが減益要因となった一方、事業ポートフォリオ変革に伴う構造改革効果による体質改善で増益となったとしている。特別利益として投資有価証券売却益100億円(前期95億円)を計上した一方、特別損失として事業構造改善費用63億円(前期57億円)、減損損失13億円(前期11億円)を計上した。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) | 前年同期比 | 2026年3月19日発表 予想 | 予想比 達成率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,792億円 | 1,776億円 | +15億円(+0.9%) | 1,750億円 | 102.4% |
| 営業利益 | 119億円 | 88億円 | +31億円(+35.5%) | 115億円 | 104.0% |
| 営業利益率 | 6.7% | 5.0% | +1.7P | 6.6% | - |
| 経常利益 | 133億円 | 124億円 | +8億円(+7.2%) | 125億円 | 106.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 79億円 | 67億円 | +11億円(+17.6%) | 75億円 | 106.6% |
| EPS | 94.88円 | 70.27円 | +24.61円(+35.0%) | 88.09円 | - |
| ROE | 4.0% | 3.1% | +0.9P | 3.9% | - |

セグメント別の状況(実績・2027年3月期予想)
Industrial Process(IP)事業の売上高は771億円(前期比▲17億円、▲2.3%)、営業利益は64億円(同▲31億円、▲32.6%、営業利益率8.4%)となった。露光用ランプ・光学機器用ランプ等の光源事業が335億円(同+15億円、+5.0%)と伸びた一方、露光装置は272億円(同▲18億円、▲6.4%)と過去の過剰投資影響でステッパ露光の販売が減少した。Visual Imaging(VI)事業の売上高は838億円(同+29億円、+3.7%)、営業利益は46億円(同+39億円、+539.7%、営業利益率5.6%)で、棚卸資産評価損の減少(前期32億円→当期6億円)と構造改革効果により増益となった。一般映像向けが389億円(同+42億円、+12.2%)と伸長した。Life Science(LS)事業の売上高は62億円(同+1億円、+2.4%)、営業利益は1億円(前期は▲10億円の赤字)となった。Photonics Solution(PHS)事業の売上高は105億円(同+2億円、+2.7%)、営業利益は5億円(前期は▲4億円の赤字)となった。
2027年3月期の予想は、Industrial Process事業が売上高925億円(前期比+153億円、+19.9%)、営業利益75億円(同+10億円、+15.6%、営業利益率8.1%)で、半導体アドバンスドパッケージ向け露光装置の販売増加やOSRAM事業買収の影響(売上高+121億円、営業利益はプラス)を織り込む。Visual Imaging事業は売上高965億円(同+126億円、+15.0%)、営業利益60億円(同+13億円、+28.5%、営業利益率6.2%)で、構造改革効果の継続とOSRAM事業買収の影響(売上高+116億円、営業利益はマイナス)を見込み、買収影響を除けば営業利益率8%達成の見込みとしている。Life Science事業は売上高90億円(同+27億円、+43.9%)、営業利益1億円(同▲0億円、▲28.8%)。Photonics Solution事業は売上高105億円(同▲0億円、▲0.8%)、営業利益5億円(同▲0億円、▲11.4%)を見込む。
| セグメント | 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| Industrial Process(IP)事業 | 売上高 | 771億円 | 925億円 |
| Industrial Process(IP)事業 | 営業利益(利益率) | 64億円(8.4%) | 75億円(8.1%) |
| Visual Imaging(VI)事業 | 売上高 | 838億円 | 965億円 |
| Visual Imaging(VI)事業 | 営業利益(利益率) | 46億円(5.6%) | 60億円(6.2%) |
| Life Science(LS)事業 | 売上高 | 62億円 | 90億円 |
| Life Science(LS)事業 | 営業利益(利益率) | 1億円(2.2%) | 1億円(1.1%) |
| Photonics Solution(PHS)事業 | 売上高 | 105億円 | 105億円 |
| Photonics Solution(PHS)事業 | 営業利益(利益率) | 5億円(5.3%) | 5億円(4.8%) |
| その他 | 売上高 | 13億円 | 15億円 |
| その他 | 営業利益 | 1億円 | ▲1億円 |

OSRAM事業の買収
ウシオ電機は2026年3月2日、ams-OSRAMグループのランプ事業(OSRAM事業)の買収を完了した。取得価額は約173億円(アドバイザリー費用12億円を含む)、取得株式数は25,001株。2026年3月期の売上高への影響は10億円で営業利益への影響は軽微だったが、2027年3月期は売上高270億円の寄与を見込む一方、一時的なPMIコスト等及びのれん償却費計上の影響で営業利益は▲5億円を見込む。のれん(貸借対照表計上額)は64億円で5~10年で償却する。資料は、継続的な営業利益率10%超の貢献により強固な収益基盤構築と持続的な成長を支えるとしている。
新成長戦略の進捗
ウシオ電機は新成長戦略Phase I(FY24~FY26)でROE8%以上(参考値として営業利益率12%以上)を目標に掲げ、2030年目標としてROE12%以上を掲げている。2025年度は事業ポートフォリオ変革の各施策及び財務戦略を計画通り遂行し、収益基盤が強化されたとしている。固定費削減アクションプランの効果は67億円(期初想定57億円に対し+10億円)となった。半導体アドバンスドパッケージ事業の業績貢献時期は遅延しているものの商談は活発化しているとし、ROE改善は遅延したもののPBR1倍超を実現したとしている。2026年度(2027年3月期)はROE8%以上の早期達成を目指すとしつつ、露光装置の回復・立ち上がり遅れの影響で同目標の達成は遅延の見込みとしている(2026年度調整後ROE予想7.0%)。
通期業績予想(2027年3月期)
ウシオ電機は2027年3月期の通期業績予想として、売上高2,100億円(前期比+307億円、+17.2%)、営業利益140億円(同+20億円、+17.1%、営業利益率6.7%)、経常利益140億円(同+6億円、+4.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益105億円(同+25億円、+31.3%)を見込む。EPSは132.27円(前期94.88円)、ROEは5.2%(前期4.0%、調整後ROE7.0%)を計画する。想定為替レートは1USD150円、1EUR175円。年間配当は1株当たり70円を維持する予定(前期比±0円)。売上高の増加要因として、資料はIP事業における半導体関連の光源及び露光装置の販売増加、VI事業におけるシネマ・一般映像の堅調な推移に加え、OSRAM事業買収による連結効果(+270億円)を挙げている。なお、当期純利益の予想には投資有価証券売却益の計上が想定されるものの現時点で見積もりが困難なため織り込んでおらず、その影響を除いた当期純利益は130億円としている。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,100億円 | 1,792億円 | +307億円(+17.2%) |
| 営業利益 | 140億円 | 119億円 | +20億円(+17.1%) |
| 営業利益率 | 6.7% | 6.7% | ▲0.0P |
| 経常利益 | 140億円 | 133億円 | +6億円(+4.9%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 105億円 | 79億円 | +25億円(+31.3%) |
| EPS | 132.27円 | 94.88円 | +37.38円(+39.4%) |
| ROE | 5.2% | 4.0% | +1.2P |
| 年間配当(1株当たり) | 70円 | 70円 | ±0円 |

株主還元
ウシオ電機は新成長戦略Phase I(FY24~FY26)で下限配当70円/年の方針を設定しており、2026年3月期の年間配当は70円(配当性向73.8%)、2027年3月期も70円を維持する予定(予想配当性向52.9%)としている。自社株投資については、Phase I(FY24~26)で500~600億円の方針に対し、2025年度までに500億円の取得を完遂したとしている。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 年間配当金(1株当たり) | 70円 | 70円 |
| 配当性向 | 73.8% | 52.9% |

※本記事はウシオ電機が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。