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シスメックス、2026年3月期は中国減収とのれん減損で減収減益 2027年3月期は増収増益を計画

決算サマリー 2026.08.21
シスメックス、2026年3月期は中国減収とのれん減損で減収減益 2027年3月期は増収増益を計画

※本記事はシスメックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

シスメックスは2026年3月期、売上高5,000.0億円(前年同期比△1.7%)、営業利益518.3億円(同△40.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益354.5億円(同△33.9%)の減収減益となった。中国の医療費抑制政策の影響継続に加え、新規領域の連結子会社3社ののれん減損損失合計112億円を計上したことが主因で、中国を除く売上高は前年同期比+5.1%、米州・EMEA・APは現地通貨ベースで増収と堅調に推移した。年間配当は前期32円から38円へ増配(+18.8%、配当性向67.3%)とし、累進配当方針を堅持した。2027年3月期は売上高5,350億円(+7.0%)、営業利益580億円(+11.9%)、当期利益360億円(+1.5%)の増収増益を計画している。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

2026年3月期の連結業績は、売上高5,000.0億円(前年同期比98.3%)、営業利益518.3億円(同59.2%)、親会社の所有者に帰属する当期利益354.5億円(同66.1%)となった。営業利益の減少要因は、売上変動による粗利減少△101.0億円、原価率悪化△108.9億円(2.2pt悪化)、販売管理費の増加△88.7億円、その他営業損益の変動△82.7億円(のれんの減損損失112億円の計上を含む)などで、研究開発費の減少(+22.9億円)と為替の影響(+0.9億円)が下支えした。

項目2026年3月期(実績・億円)2025年3月期(実績・億円)前年同期比
売上高5,000.05,086.498.3%
売上原価2,443.22,366.6103.2%
販売費及び一般管理費1,643.51,508.4109.0%
研究開発費291.6314.592.7%
営業利益518.3875.859.2%
親会社の所有者に帰属する当期利益354.5536.666.1%

事業別・地域別の状況(2026年3月期 実績)

事業・分野別では、ヘマトロジー分野が2,994.0億円(前年同期比98.7%、円ベース)、血液凝固分野724.0億円(同87.9%)、免疫分野223.1億円(同86.3%)などとなり、ダイアグノスティクス事業全体では4,967.0億円(同98.7%)となった。地域別では、米州1,392.5億円(現地通貨ベース前年同期比107.3%)、EMEA1,580.3億円(同105.2%)、AP546.4億円(同106.4%)が堅調に推移した一方、中国は894.6億円(現地通貨ベース前年同期比75.1%、円ベースで△24.9%)、日本は586.0億円(円ベース86.5%)と減収した。

事業・分野2026年3月期実績(億円)構成比前年同期比(円ベース)
ヘマトロジー2,994.059.9%98.7%
FCM46.90.9%128.9%
尿440.78.8%107.9%
血液凝固724.014.5%87.9%
免疫223.14.5%86.3%
生化学29.10.6%80.3%
ライフサイエンス249.65.0%117.1%
その他259.25.2%115.7%
ダイアグノスティクス事業計4,967.099.3%98.7%
メディカルロボット事業33.00.7%61.5%
2026年3月期の事業別・分野別売上高増減要因
出典:2026年3月期 決算概要 P.10

通期業績予想(2027年3月期)

2027年3月期は、売上高5,350億円(前年同期比+7.0%)、営業利益580億円(同+11.9%)、当期利益360億円(同+1.5%)を計画する。中国では「必要最小限の原則」に加え「検査価格統一」の影響を織り込み約20%の減収を想定する一方、米州+6%、EMEA+7%、AP+13%(いずれも現地通貨ベース)の成長を見込み、日本では日本電子株式会社からの生化学事業承継が寄与(生化学分野で+100億円)する見通しである。想定為替レートは1USD155.0円、1EUR180.0円、1CNY22.0円。営業利益は中国減収による粗利減を、ダイアグノスティクス事業の成長と一過性要因(のれんの減損損失)の解消で補う計画である。

項目2027年3月期(予想・億円)2026年3月期(実績・億円)伸長率
売上高5,3505,000+7.0%
売上原価2,6702,443+9.3%
販売費及び一般管理費1,8101,643+10.1%
研究開発費300291+2.9%
営業利益580518+11.9%
親会社の所有者に帰属する当期利益360354+1.5%
2027年3月期業績予想の連結損益計画
出典:2026年3月期 決算概要 P.33

事業別・地域別業績予想(2027年3月期)

2027年3月期の事業・分野別売上高予想は、ヘマトロジー分野3,170億円(構成比59.3%、前年同期比105.9%)、血液凝固分野740億円(同102.2%)、免疫分野230億円(同103.0%)、生化学分野130億円(同445.5%)などとなり、ダイアグノスティクス事業計5,295億円(同106.6%)を見込む。地域別では、米州1,520億円(円ベース109.2%)、EMEA1,740億円(同110.1%)、AP620億円(同113.5%)、日本720億円(同122.9%)の増収を見込む一方、中国は750億円(円ベース83.8%、現地通貨ベース81.0%)と減収を計画する。

2027年3月期業績予想の事業・分野別、地域別売上高
出典:2026年3月期 決算概要 P.39

株主還元

2026年3月期の年間配当は38円(中間19円・期末19円)とし、前期の32円から+6円(+18.8%)の増配、配当性向は67.3%となった。上場30周年の記念配当を含め、累進配当方針を堅持した。なお2026年3月の期末配当19円は、第59期定時株主総会に付議する予定である。2027年3月期は配当予想40円(配当性向67.4%)とし、連結での配当性向40%を目処とした累進配当の方針を継続するとともに、上限300億円の自己株式取得を計画している。

中間期末年間配当性向
2025年3月期(実績)15円17円32円37.4%
2026年3月期(案)19円19円38円67.3%
2027年3月期(予想)開示なし開示なし40円67.4%
2026年3月期配当(案)と株主還元方針
出典:2026年3月期 決算概要 P.23

中期経営計画・トピック

新経営体制のもと、「選択と集中」「原点回帰」「規律ある資本配分」の3方針を掲げ、ダイアグノスティクス事業の競争力強化やバリューチェーン改革による収益性改善、血液凝固分野の展開加速、新興国における事業拡大、事業ポートフォリオの見直しなどに重点的に取り組む方針である。日本電子株式会社からの生化学事業承継により、機器販売中心のビジネスから試薬ビジネスへの転換を図り、2029年3月期には生化学分野の売上高190億円を目指す。

※本記事はシスメックスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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