※本記事はアズビルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
アズビル株式会社(証券コード:6845、東証プライム)は2026年5月13日、2026年3月期(2025年度)の連結決算を発表した。BA事業・AA事業は受注高からセグメント利益まで前年度比で増加した一方、LA事業は前年度に海外子会社アズビルテルスター(ATL)の出資持分を譲渡した影響により減少した。この結果、連結の受注高・売上高は前年度比で減少したが、営業利益は収益力強化施策等により前年度比増加した。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度にATL売却益(約76億円)を特別利益として計上していた反動により前年度比5.8%減となった。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は2,989億円(前年度比0.5%減)、営業利益は473億円(同14.0%増)、経常利益は487億円(同15.6%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は385億円(同5.8%減)。受注高は3,023億円(同0.8%減)だった。資料はLA事業における前年度のATL譲渡影響(受注高△155億円、売上高△146億円)を除けば受注高・売上高は実質増加としている。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 3,023億円 | 3,047億円 | △23億円(△0.8%) |
| 売上高 | 2,989億円 | 3,003億円 | △14億円(△0.5%) |
| 営業利益 | 473億円 | 414億円 | +58億円(+14.0%) |
| 経常利益 | 487億円 | 421億円 | +65億円(+15.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 385億円 | 409億円 | △23億円(△5.8%) |
セグメント別の状況
BA事業は受注高・売上高・セグメント利益がいずれも前年度比増加し、計画も超過した。AA事業は売上高・セグメント利益が増加した一方、受注高は前年度同水準にとどまった。LA事業は前年度に譲渡したアズビルテルスター(ATL)の影響により受注高・売上高・セグメント利益がいずれも前年度比減少したが、資料はATL譲渡の影響を除くと受注高・売上高は増加、セグメント利益は前年度比減少だったとしている。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| BA事業 | 受注高 | 1,637億円 | 1,536億円 |
| BA事業 | 売上高 | 1,563億円 | 1,487億円 |
| BA事業 | セグメント利益 | 289億円 | 243億円 |
| AA事業 | 受注高 | 1,062億円 | 1,059億円 |
| AA事業 | 売上高 | 1,107億円 | 1,068億円 |
| AA事業 | セグメント利益 | 178億円 | 159億円 |
| LA事業 | 受注高 | 339億円(ATL譲渡影響除く313億円) | 468億円 |
| LA事業 | 売上高 | 333億円(ATL譲渡影響除く320億円) | 466億円 |
| LA事業 | セグメント利益 | 6億円(ATL譲渡影響除く7億円) | 11億円 |

通期業績予想
アズビルは2026年度第1四半期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するため、2027年3月期の連結業績計画はIFRSに基づき算出している。資料は中東情勢(米国・イラン間の緊張を含む)による影響について、現時点で確認できる範囲を計画に織り込んでいるとする。豊富な受注残を背景としたBA事業の伸長を主体に各事業で増収を計画する一方、インフレによる部材費や人件費の高騰影響を見込みつつ、価格転嫁を含む収益力強化施策やDXによる業務効率化に取り組み、事業利益で増益を目指すとしている。
| 項目 | 2027年3月期予想(IFRS) | 2026年3月期実績(IFRS参考) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3,150億円 | 2,989億円 | +160億円(+5.4%) |
| 事業利益 | 482億円 | 462億円 | +19億円(+4.3%) |
| 当期利益 | 353億円 | 364億円 | △11億円(△3.1%) |

株主還元
2026年3月期の配当は、当初計画(2025年5月公表、期末13.0円)から期末配当を6円増配し、期末19.0円・年間32.0円(前年度比+8円)とする(2026年6月の株主総会での承認を前提)。配当性向は42.2%、純資産配当率(DOE)は6.7%で、中期経営計画目標水準(6.0%)を上回った。2027年3月期の配当計画は、普通配当を6円増配した中間19.0円・期末19.0円(年間38.0円)に加え、創業120周年を記念して中間配当時に1株当たり12.0円の記念配当を実施し、年間50.0円(前年度比+18円)を計画する。配当性向は72.1%(記念配当控除54.8%)、DOEは10.7%(記念配当控除8.0%)の見通し。あわせて2026年度は自己株式200億円(上限)または3,200万株(上限)の取得を計画し、取得期間は2026年5月14日~2026年10月30日としている。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(計画) |
|---|---|---|
| 中間配当 | 13.0円 | 19.0円+記念配当12.0円=31.0円 |
| 期末配当 | 19.0円 | 19.0円 |
| 年間配当 | 32.0円 | 50.0円 |
| 配当性向 | 42.2% | 72.1%(記念配当控除54.8%) |
| 純資産配当率(DOE) | 6.7% | 10.7%(記念配当控除8.0%) |

中期経営計画の取組み状況
現行の中期経営計画(2025年度~2027年度)は、「進化・共創」をテーマに人的資本・商品力強化・DX推進への投資を進めながら売上拡大と収益性向上の両立を図るもの。資料は2026年3月期について、事業によって進捗に差異はあるが全体としては当初計画(2025年5月策定)を上回る成果を達成したとしている。2027年3月期は中東情勢等による事業への影響はあるが、過去の各種サプライチェーン混乱での経験・備えを活かして適切に対処し、成長に向けた投資を着実に進めることで持続的な成長の実現を目指すとする。中期経営計画最終年度(2028年3月期)の計画値については現時点で変更はなく、中期経営計画の進捗状況に加えて情勢が見通せる段階で見直しを検討するとしている。

※本記事はアズビルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。