※本記事はEIZOが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
EIZOの2026年3月期連結業績は、売上高813.0億円(前期比+8.1億円)、営業利益23.6億円(前期比▲13.4億円)、親会社株主に帰属する当期純利益73.2億円(前期比+31.7億円)となった。ヘルスケア市場向けが欧州・北米・中国で販売が復調した一方、主要地域である欧州の経済低迷によりB&P及びクリエイティブワーク市場向け販売が低水準にとどまり、営業減益となった。最終利益は投資有価証券売却益79.9億円の計上などにより大幅増益となっている。

連結業績(当期 実績)
売上高は813.0億円と前期比101.0%。ヘルスケア市場向けが欧州・北米・中国で販売が復調し前期を上回った一方、欧州経済の低迷によりB&P及びクリエイティブワーク市場向け販売は低水準だった。営業利益は23.6億円(前期比63.8%)で、B&P市場向けの過剰在庫となっている旧製品等に対する棚卸資産評価損約4.0億円の計上に加え、賃上げの実施、新技術棟に係る費用計上、インド・中東における販売活動の拡充等により販売費及び一般管理費が増加したことが影響した。親会社株主に帰属する当期純利益は73.2億円(前期比176.5%)。今後の成長投資を見据えて政策保有株式及び純投資目的株式の一部売却を進め、投資有価証券売却益79.9億円(前期は11.0億円)を特別利益に計上した一方、欧州グループの機能・役割の再構築・合理化に向けた事業構造改善費4.4億円、欧州の開発製造会社における固定資産の減損損失4.9億円を特別損失に計上した。
| 項目 | 24F | 25F | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 80,493 | 81,308 | 101.0% |
| 売上総利益 | 26,199 | 25,901 | 98.9% |
| 売上総利益率 | 32.5% | 31.9% | ▲0.7pt |
| 販売費及び一般管理費 | 22,493 | 23,535 | 104.6% |
| 営業利益 | 3,706 | 2,365 | 63.8% |
| 営業利益率 | 4.6% | 2.9% | ▲1.7pt |
| 経常利益 | 4,555 | 3,772 | 82.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,148 | 7,323 | 176.5% |
セグメント別(市場別)の状況
市場別ではB&Pが欧州経済の停滞により依然として低調に推移した一方、ヘルスケアは診断用途向けが主要市場である欧州及び北米で販売が回復基調となったこと、内視鏡用途向けが欧州・中国で堅調に推移し北米でも販売が復調したことから前期を上回った。クリエイティブワークは欧州で需要回復が遅れ販売は低調。V&Sは航空管制用途向けの複数案件が来期以降に後ろ倒しとなった一方、船舶用途向けは新規造船需要を受けて好調に推移し、全体では前期並みの販売となった。アミューズメントは業界全体の規模縮小により厳しい市場環境が継続。その他はアミューズメント用ソフトウェア受託開発等の売上高が増加した。資料記載の売上高増減要因(百万円、24F→25F)は、B&P▲1,459、ヘルスケア+2,461、クリエイティブワーク▲181、V&S▲56、アミューズメント▲643、その他+694、トータル+763。
| 市場 | 25F実績(百万円) | 構成比 | 26F計画(百万円) | 構成比 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|---|
| B&P (Business & Plus) | 14,325 | 17.6% | 14,900 | 17.5% | 104.0% |
| ヘルスケア | 36,578 | 45.0% | 37,300 | 43.9% | 102.0% |
| クリエイティブワーク | 5,342 | 6.6% | 5,800 | 6.8% | 108.6% |
| V&S (Vertical & Specific) | 12,552 | 15.4% | 15,200 | 17.9% | 121.1% |
| アミューズメント | 5,414 | 6.7% | 6,100 | 7.2% | 112.7% |
| その他 | 7,094 | 8.7% | 5,700 | 6.7% | 80.3% |
| 合計 | 81,308 | 100.0% | 85,000 | 100.0% | 104.5% |

通期業績予想
2027年3月期(26F)の連結業績予想は、売上高850.0億円(前期比104.5%)、営業利益33.0億円(前期比139.5%)、経常利益46.0億円(前期比121.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益65.0億円(前期比88.8%)。想定為替レートは年平均USD160.00円、EUR175.00円。欧州経済の停滞は当面継続すると想定し、B&P及びクリエイティブワーク市場向けの販売は横ばいで推移する見込み。V&Sは米国の航空管制用途向けなどの堅調な受注案件があるため販売拡大、ヘルスケア市場向けは販売が底打ちした海外で事業展開を強化する。成長投資を実行しつつ、欧州における営業組織体制の再構築及び一部の開発・生産拠点の再編による合理化により固定費をコントロールする方針。政策保有株式の処分に伴い、特別利益として投資有価証券売却益44.0億円(4,400百万円)を計上予定。連結営業利益への為替感応度(1円円安による影響額)はUSD▲0.8億円、EUR+1.0億円。25F実績のROAは2.3%、ROEは5.6%。
| 項目 | 26F計画 | 25F(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 85,000 | 81,308 | 104.5% |
| 売上総利益 | 27,700 | 25,901 | 106.9% |
| 売上総利益率 | 32.6% | 31.9% | +0.7pt |
| 販売費及び一般管理費 | 24,400 | 23,535 | 103.7% |
| 営業利益 | 3,300 | 2,365 | 139.5% |
| 営業利益率 | 3.9% | 2.9% | +1.0pt |
| 経常利益 | 4,600 | 3,772 | 121.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,500 | 7,323 | 88.8% |

株主還元
株主への還元率(総還元性向)の目標水準を連結当期純利益の70%+αとし、1株当たり年間配当金は105円(24F)を下限とする方針。26Fの1株当たり年間配当金は、25Fより5円増配した115円を予定し、14期連続の増配となる予定(26Fの還元率には自己株式取得金額40億円を含む)。あわせて自己株式の取得(150万株、発行済み株式総数(自己株式除く)の3.79%、40億円を上限、取得期間2026年5月25日~2027年4月30日)を実施するほか、政策保有株式について今後3年間(2029年3月期迄)で総額約100億円の売却を計画。ROEをKPIとした取締役報酬制度も26F中に導入する予定。
| 項目 | 24F | 25F | 26F計画 |
|---|---|---|---|
| 配当性向 | 104.2% | 60.9% | 68.6% |
| 総還元性向(還元率) | 104.2% | 109.5% | 129.5% |

中期経営計画/トピック
次期第9次中期経営計画は2026年内に公表予定で、資本収益性向上に向けた事業及び財務戦略一体のロードマップを示す予定。事業上のトピックとして、日本財団の推進する無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」にEIZOが参画したコンテナ船「げんぶ」が世界初となる自動運転レベル4相当での商用運航を実施(船上カメラシステム、画像処理技術、航海記録・映像データベースをEIZOが開発)。Mini LEDを初採用し視認性を向上した4K手術用モニター「CuratOR EX3245H」を2026年11月に発売予定。能登半島災害復旧現場では、石川県輪島市と千葉県君津市を結び、EIZOと株式会社大林組が共同で3D映像を活用した建機遠隔操縦の実証を実施。アメリカ海軍の次世代艦上ATCシステム向けにEIZOの高耐久・堅牢モニター「Talon RGD2802」が正式採用された。
※本記事はEIZOが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。