※本記事は三協立山が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
三協立山は2026年5月期の連結業績で、売上高3,575億円(前期比18億円減、0.5%減)を計上した。国内外における販売量回復の遅れなどにより減収となった一方、価格改定や国内外でのコスト削減効果などにより営業利益は15億円(前期比0億円増、0.1%増)とほぼ前年並みとなった。もっとも、2026年2月に発生した中東情勢の影響でアルミ地金価格が想定を大きく超えて上昇したことを受け、建材事業に係る固定資産の減損損失約162億円を特別損失に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純損失は134億円(前期は23億円の当期純損失)となった。
連結業績(2026年5月期 実績)
経常利益は8億円(前期比0億円減、6.6%減)となった。配当は12ヵ月累計(2025年6月~2026年5月)で1株当たり中間配当12.5円、期末配当12.5円(予定)とした。
| 項目 | 2026年5月期実績 | 2025年5月期実績 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 3,575 | 3,594 | △18 | △0.5% |
| 営業利益(億円) | 15 | 15 | 0 | +0.1% |
| 営業利益率 | 0.4% | 0.4% | ― | 0.0pt |
| 経常利益(億円) | 8 | 9 | 0 | △6.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純損失(億円) | △134 | △23 | △111 | – |

セグメント別の状況
建材事業は、高断熱スリム窓「STINA」の拡販やリフォーム需要の獲得に注力したものの、建築基準法改正に伴う駆け込み需要の反動減や資材高騰を背景とした着工延期の影響を受け、売上高は前連結会計年度比で減少した。一方、収益構造改革によるコスト削減や価格改定を含む販売価格の適正化により、セグメント利益は増加した。マテリアル事業は、自動車を含む輸送分野の販売量増加やアルミ地金価格に連動した販売価格の上昇により売上高は増加したが、中東情勢の緊迫化に伴うアルミ地金価格や諸資材価格の急激な上昇によりセグメント利益は減少した。商業施設事業は、業界再編や資材・建築費の高騰の影響を受けた主要顧客案件の計画延期・中止・規模縮小などにより売上高・セグメント利益とも減少した。国際事業は、為替影響や地金価格に連動した販売価格の上昇により売上高は増加したものの、欧州子会社における輸送分野の物量減少に伴う販売構成の変化により営業損失は前年並みとなった。
| セグメント | 指標 | 2026年5月期(実績累計) | 2025年5月期(実績累計) |
|---|---|---|---|
| 建材事業 | 売上高(億円) | 1,675 | 1,786 |
| 建材事業 | セグメント利益(億円) | 10 | 2 |
| マテリアル事業 | 売上高(億円) | 677 | 597 |
| マテリアル事業 | セグメント利益(億円) | 23 | 26 |
| 商業施設事業 | 売上高(億円) | 425 | 445 |
| 商業施設事業 | セグメント利益(億円) | 7 | 14 |
| 国際事業 | 売上高(億円) | 792 | 761 |
| 国際事業 | セグメント利益(億円、営業損失) | △24 | △25 |

建材事業では、近年の建設市場の縮小による生産量減少に加えて資材・エネルギー・労務費や物流費等の上昇が継続する中、2026年2月に発生した中東情勢の影響でアルミ地金価格が急騰し、市場縮小と原材料価格高騰が同時進行したことから、将来収益性を保守的に見直し、建材事業に係る固定資産の減損損失約162億円を計上した。資料によれば、新設住宅着工戸数は市場が’18年度比で約25%縮小し、建材事業の生産重量は’19年5期比で40%以上縮小、アルミ地金価格は’18年6月から’26年5月で220%以上上昇した。
通期業績予想(2027年5月期)
2027年5月期の連結業績予想は、売上高3,900億円(前期比324億円増、9.1%増)、営業利益40億円(同24億円増、158.7%増)、営業利益率1.0%、経常利益15億円(同6億円増、70.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益10億円(前期は134億円の当期純損失)としている。資料は、国内建設市場の需要低迷により販売量の減少が継続するものの、アルミ地金市況に連動した売上の増加や価格改定などにより増収を見込むとし、営業利益についてはアルミ地金価格の上昇影響が継続する一方、コスト削減や価格改定の効果などにより増益を見込むとしている。なお、2027年5月期業績予想は中期経営計画比で約30億円の営業減益となり、全事業で計画未達となる見込みとしている。
| 項目 | 2027年5月期予想 | 2026年5月期実績 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 3,900 | 3,575 | +324 | +9.1% |
| 営業利益(億円) | 40 | 15 | +24 | +158.7% |
| 営業利益率 | 1.0% | 0.4% | ― | +0.6pt |
| 経常利益(億円) | 15 | 8 | +6 | +70.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 10 | △134 | +144 | – |

株主還元
2027年5月期の配当は年間25円(中間配当12.5円、期末配当12.5円)を予定している。
財政状態
2026年5月期末の総資産は3,059億円(前期末比55億円増)となった。成長投資を推進する一方、資産売却や減損損失の計上があったことなどが増減要因となっている。自己資本は904億円(前期末比7億円減)、自己資本比率は29.6%(同0.8pt低下)となった。成長投資に伴う資金調達により有利子負債は973億円(前期末比101億円増)に増加し、有利子負債比率は107.6%(同12.0pt上昇)となった。
| 項目 | 2026年5月期末 | 2025年5月期末 | 前期末比 |
|---|---|---|---|
| 総資産(億円) | 3,059 | 3,004 | +55 |
| 自己資本(億円) | 904 | 912 | △7 |
| 自己資本比率 | 29.6% | 30.4% | △0.8pt |
| 有利子負債(億円) | 973 | 872 | +101 |
| 有利子負債比率 | 107.6% | 95.6% | +12.0pt |

中期経営計画・トピック
建材事業については、今期より機能別組織へ移行するとともに、商品の統廃合や工場集約の前倒し(7工場から5工場へ)、価格改定の実施などにより収益構造改革効果の確実な刈り取りを進める方針。事業ポートフォリオの見直しは、建材事業の再構築と併せて次期中期経営計画で詳細を開示する予定としている。国際事業では、欧州子会社の構造改革(STEP-G)を計画通り進めており、Bonn工場の鉄道向け部材の内部機械加工・内部溶接加工の停止、遊休エリアの土地建物売却(2026年3月末までに一部譲渡完了、売却益約19億円)、従業員230名の削減などを実施し、2027年5月期に構造改革による収益改善効果として約25億円を見込んでいる。なお、2026年5月期には事業構造改革費用として約28億円を計上した。
※本記事は三協立山が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。