※本記事は住友金属鉱山が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
住友金属鉱山は2025年度(2026年3月期)決算を発表した。主要拠点の安定操業と新規鉱山の稼働により、銅価格・金価格の上昇、円安の進行の恩恵を受け、税引前損益は2,557億円と過去2位の水準となった。データセンター関連の電子部品向け部材の需要も堅調に推移した。2026年度は在庫評価影響の剝落や中東情勢等によるコスト上昇を見込み、税引前損益は2,290億円を予想する一方、市況変動を除いた実力損益は2,400~2,300億円と前年度比+700億円の増益を見込む。あわせて2026年2月に株主還元方針を変更し、株主還元を強化した。
連結業績(2025年度 実績)
銅・金価格の上昇、円安の進行、データセンター関連需要の堅調な推移により、前期に計上した減損損失(-1,127億円)の影響剥落もあって大幅な増益となった。
| 項目 | 2025年度実績 | 2024年度実績 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 17,416億円 | 15,933億円 | +1,483億円(+9.3%) |
| 売上総利益 | 2,745億円 | 585億円 | +2,160億円(+369.2%) |
| 税引前損益 | 2,557億円 | 314億円 | +2,243億円(+714.3%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,763億円 | 165億円 | +1,598億円(+968.5%) |
| 実力損益(※市況等の影響を除く) | 1,700~1,600億円 | 1,200~1,100億円 | +500億円 |
セグメント別の状況(資源・製錬・材料)
資源セグメントは銅・金価格の上昇により増益。製錬セグメントは前期の減損損失(ニッケル系-554億円)の反動と在庫評価影響の好転で黒字転換。材料セグメントは電池材料の減損損失(前期-573億円)の反動と機能性材料(データセンター関連の電子部品向け部材、触媒等)の需要堅調により黒字転換した。
| セグメント | 指標 | 2025年度実績 | 2024年度実績 |
|---|---|---|---|
| 資源 | 税引前損益 | 1,678億円 | 1,018億円 |
| 製錬 | 税引前損益 | 916億円 | -71億円 |
| 材料 | 税引前損益 | 153億円 | -542億円 |
| その他・調整 | 税引前損益 | -190億円 | -91億円 |
| 合計 | 税引前損益 | 2,557億円 | 314億円 |

通期業績予想(2026年度 5月予想)
銅価格・金価格は高水準での推移を見込むが、前年度に損益を押し上げた在庫評価影響の剥落(対前年度-513億円)等により税引前損益は減益を予想。一方、中東情勢等によるコスト上昇や海外プロジェクト費用、電池材料事業の品種切替費用の増加を見込みつつも、市況・為替の好転とケブラダ・ブランカ銅鉱山の増産により、実力損益は前年度比+700億円の増益を見込む。
| 項目 | 2026年度予想 | 2025年度実績 |
|---|---|---|
| 売上高 | 18,830億円 | 17,416億円 |
| 売上総利益 | 2,370億円 | 2,745億円 |
| 税引前損益 | 2,290億円 | 2,557億円 |
| 当期利益 | 1,390億円 | 1,763億円 |
| 実力損益(※市況等の影響を除く) | 2,400~2,300億円 | 1,700~1,600億円 |

金属価格・為替レート(前提)
| 項目 | 2025年度実績 | 2026年度予想 |
|---|---|---|
| 銅 Cu($/t、3月期ベース) | 10,816 | 11,000 |
| ニッケル Ni($/lb、3月期ベース) | 7.08 | 7.50 |
| 金 Au($/toz、3月期ベース) | 3,939 | 4,200 |
| 為替(円/$、3月期ベース) | 150.78 | 155.00 |
株主還元
2026年2月公表の方針変更により、剰余金の配当は原則連結配当性向35%以上とし、連結自己資本比率が適正水準(55%)を上回る間は下限指標をDOE3.5%とする。2025年度の1株当たり配当は228円(中間65円・期末163円、連結配当性向35.1%)、2026年度予想は207円(中間103円・期末104円予定、DOE3.5%下限)。自己株式取得は2026年5月12日~7月31日に200億円を実施し、取得完了後に消却予定。

財務戦略・トピックス
財務戦略の基本方針として、財務健全性の観点から連結自己資本比率50%超を確保しつつ、資本コストを意識した経営のため適正水準を55%と位置づけ、2028年3月期までに58%とすることを目指す(2025年度末の株主資本比率は58.3%、D/Eレシオ0.32倍)。中東情勢やレアアース供給制限等、先行きの不確実性が高まる中で世界経済の動向を注視するとしており、操業資材等の価格上昇分は各セグメントの業績予想に織り込み済み。中計27で掲げるケブラダ・ブランカ銅鉱山の早期安定化、Winuプロジェクト(Cu・Au)等の鉱源確保、電池材料事業の新品種転換、データセンター関連需要の取り込みを引き続き推進するとしている。
※本記事は住友金属鉱山が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。