※本記事は日本製鉄が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本製鉄は2026年5月13日、2025年度(2026年3月期)通期決算を発表した。売上収益は10兆632億円(前期比+13,677億円)、連結事業利益は5,141億円(前期比-1,691億円)、親会社の所有者に帰属する当期利益は171億円(前期比-3,331億円)。在庫評価差等を除く実力ベース事業利益は6,504億円で、前回公表(2026年2月5日時点の見通し)を304億円上回った。2026年度は実力ベース事業利益7,000億円以上、当期利益2,200億円を見込む(中東情勢の影響は現時点で合理的に定量化できないためこの見通しには含めていない)。
連結業績(2025年度 実績)
2025年度は関税影響を含む事業環境の悪化やトラブル・一過性影響(▲700億円程度)がある中、国内製鉄所のコスト改善やグループ会社の改善努力により、実力ベース連結事業利益は前回(2/5)見通しを304億円上回る6,504億円を計上した。原料価格上昇や円安による在庫評価差益・為替差益等(+637億円)もあり、当期利益は171億円(前回見通し比+871億円)となった。配当は前回見通し通り24円/株を予定している。
| 項目 | 2025年度実績 | 2024年度実績 | 対2024年度 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 100,632億円 | 86,955億円 | +13,677億円 |
| 連結事業利益 | 5,141億円 | 6,832億円 | -1,691億円 |
| 実力ベース事業利益(在庫評価差等除き) | 6,504億円 | 7,937億円 | -1,433億円 |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 171億円 | 3,502億円 | -3,331億円 |
| ROS(売上収益事業利益率) | 5.1% | 7.9% | -2.7pt |
| 配当(1株当たり) | 24円 | 32円 | -8円 |
| 為替レート(円/$) | 150円 | 153円 | 3円高 |

セグメント別(国内・海外事業別)の状況
国内は本体国内製鉄事業・鉄グループ会社・非鉄3社(エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューション)で構成され、2025年度の実力ベース事業利益は5,276億円(前年度比-370億円)。海外は本体海外事業・原料事業で構成され、1,228億円(前年度比-1,063億円)。海外事業では2025年6月にU. S. Steelの買収がクロージングし、以降連結対象に含まれている。
| 区分 | 指標 | 2025年度実績 | 対2024年度実績 |
|---|---|---|---|
| 国内 | 実力ベース事業利益 | 5,276億円 | -370億円 |
| 本体国内製鉄事業 | 実力ベース事業利益 | 2,465億円 | -137億円 |
| 鉄グループ会社 | 実力ベース事業利益 | 1,838億円 | -349億円 |
| 非鉄3社 | 実力ベース事業利益 | 906億円 | +178億円 |
| 海外 | 実力ベース事業利益 | 1,228億円 | -1,063億円 |
| 本体海外事業 | 実力ベース事業利益 | 384億円 | -354億円 |
| 原料事業 | 実力ベース事業利益 | 844億円 | -709億円 |

通期業績予想(2026年度見通し)
2026年度の業績見通しは中東情勢の影響を含まない。実力ベース事業利益は7,000億円以上(上期3,000億円、下期4,000億円、下期年率8,000億円以上)を見込む。U. S. Steelは大幅増益(対2025年度+1,056億円)となり、U. S. Steel除きでも実力ベース事業利益6,000億円の見通し。当期利益は2025年度の一過性の個別開示項目が大きく減少し2,200億円を見込む。なお2026年度通期における中東情勢の影響は現時点で合理的に定量化できないため、この見通しには含まれていない。
| 項目 | 2026年度見通し | 2025年度実績 | 対2025年度 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(U. S. Steel除き) | 6,000億円 | 6,560億円 | -560億円 |
| 売上収益(U. S. Steel) | 1,000億円 | ▲56億円 | +1,056億円 |
| 実力ベース事業利益 | 7,000億円 | 6,504億円 | +496億円 |
| 連結事業利益 | 5,300億円 | 5,141億円 | +159億円 |
| ROS(売上収益事業利益率) | 4.8% | 5.1% | -0.3pt |
| 個別開示項目 | ▲300億円 | ▲2,712億円 | +2,412億円 |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 2,200億円 | 171億円 | +2,029億円 |
| 配当(1株当たり) | 24円 | 24円 | ±0円 |
| 為替レート(円/$) | 155円 | 150円 | 5円安 |

株主還元
日本製鉄は2030中長期経営計画(2026~2030年度)において、現行の配当方針(連結配当性向30%程度目安)を継続しつつ、下限配当24円/株を新たに導入した。2026年度(2025年度分)の配当は中間12円・期末12円の合計24円/株を予定している。2025年度は政策保有株式の売却等により1,000億円程度(日鉄興和不動産の一部売却500億円、政策保有株式の売却等500億円)の資産圧縮を実施した。
| 項目 | 2025年度実績 | 2026年度見通し |
|---|---|---|
| 配当(1株当たり) | 24円 | 24円 |
| 連結配当性向目安 | 30%程度 | 30%程度(下限配当24円/株導入) |

中期経営計画/トピック
2030中長期経営計画の初年度にあたる2026年度は、国内では戦略会社の完全子会社化・吸収合併(山陽特殊製鋼の完全子会社化、日鉄ステンレスの吸収合併、黒崎播磨の完全子会社化など)を通じたグループ会社再編シナジーの最大化を進め、シナジー効果は2025年度の160億円/年からフル発揮ベースで300億円/年(対2025年度+140億円/年)を目指す。海外では2025年6月にU. S. Steelの買収がクロージングし、成案化した投資案件は2026年5月時点で約32億ドルに達した。インドではAM/NS Indiaの能力拡張に加え、南部アンドラプラデシュ州ラジャヤペタでの一貫製鉄所建設(粗鋼7百万トン/年規模を想定、第Ⅰ期)について2026年3月に環境許認可を取得し起工式を実施した。なお中東情勢の影響については、足元で顕在化しつつある影響として第1四半期に約500億円程度が想定されるが、事態終結の見通しが立たず、2026年度通期への影響は現時点で合理的に定量化できないため、業績見通しには含めていない。
※本記事は日本製鉄が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。