※本記事はヌーラボが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
株式会社ヌーラボは2026年5月14日、2026年3月期の通期決算説明資料を公表した。連結売上高は4,393百万円(前期比+6.8%)と過去最高を更新したが、将来に向けた戦略的投資により営業利益は354百万円(前期比△44.6%)の減益となった。海外子会社(Nulab USA、Nulab Netherlands B.V.)の清算決定に伴う事業構造改善引当金の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は178百万円(前期比△67.7%)となった。2027年3月期は売上高4,734百万円(前期比+7.7%)、営業利益650百万円(前期比+83.3%)を見込むとしている。
連結業績(2026年3月期 実績)
通期売上高は4,393百万円(前期比+6.8%)と過去最高を更新した。営業利益は354百万円(前期比△44.6%)の減益となったが、期初計画(300百万円)を上回って達成した。海外子会社の清算決定に伴う事業構造改善引当金の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は178百万円(前期比△67.7%)となり、期初計画(223百万円)を下回った。売上高も期初計画(4,603百万円)に対しては未達だった。
| 項目 | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 前期比 | 期初計画(参考) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,393百万円 | 4,112百万円 | +6.8% | 4,603百万円 |
| 営業利益 | 354百万円 | 640百万円 | △44.6% | 300百万円 |
| 営業利益率 | 8.1% | 15.6% | – | 6.5% |
| 経常利益 | 374百万円 | 641百万円 | △41.7% | 300百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 178百万円 | 552百万円 | △67.7% | 223百万円 |

プロダクト別売上高の状況
プロダクト別では、Backlogが4,041百万円(前期比+5.5%)、Nulab Passが238百万円(前期比+61.0%)と伸長した一方、Cacooは111百万円(前期比△6.2%)、Typetalkは2百万円(前期比△84.1%)となった。国内売上高が全社売上高の98.2%を占める(2026年3月期)。
| プロダクト | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| Backlog | 4,041百万円 | 3,830百万円 | +5.5% |
| Cacoo | 111百万円 | 118百万円 | △6.2% |
| Typetalk | 2百万円 | 15百万円 | △84.1% |
| Nulab Pass | 238百万円 | 148百万円 | +61.0% |
| 合計(売上高) | 4,393百万円 | 4,112百万円 | +6.8% |

KPI(有料契約件数・解約率)
有料契約件数は18,906件(前期18,556件)、うちBacklogは15,676件(前期14,763件)となり、いずれも期初計画(22,000件、うちBacklog17,000件)を下回った。一方、解約件数は287件(前期290件)、うちBacklogは167件(前期155件)と、期初計画(430件、うちBacklog190件)を下回る低水準で推移した。Backlogの月次解約率は2026年3月末時点で、売上高ベース0.27%、件数ベース1.07%となっている。有料ユーザー数は2026年3月末時点で150万人。なお、資料はARR(Annual Recurring Revenue)について「各月の月次売上高を12倍することにより算出する指標で、既存の契約が更新のタイミングで全て更新される前提で、既存の契約のみから翌月からの12ヶ月で得られると想定される売上高を表す」と定義している。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 期初計画 | 計画比 |
|---|---|---|---|---|
| 有料契約件数 | 18,556件 | 18,906件 | 22,000件 | △3,094件 |
| (うちBacklog) | 14,763件 | 15,676件 | 17,000件 | △1,324件 |
| 解約件数 | 290件 | 287件 | 430件 | △143件 |
| (うちBacklog) | 155件 | 167件 | 190件 | △23件 |
通期業績予想(2027年3月期)
会社は2027年3月期の連結業績について、売上高4,734百万円(前期比+7.7%)、営業利益650百万円(前期比+83.3%)、経常利益652百万円(前期比+74.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益484百万円(前期比+171.4%)を見込む。有料契約件数は19,700件(前期比+794件)、うちBacklogは16,620件(前期比+944件)を計画する。通信費(売上原価)は646百万円(前期比20.7%増)、広告宣伝費は566百万円(前期比18.7%減)、全社人件費は1,987百万円(うち労務費744百万円、前期比3.4%減)を見込むとしている。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,393百万円 | 4,734百万円 | +7.7% |
| 営業利益 | 354百万円 | 650百万円 | +83.3% |
| 経常利益 | 374百万円 | 652百万円 | +74.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 178百万円 | 484百万円 | +171.4% |
| 有料契約件数 | 18,906件 | 19,700件 | +794件 |
| (うちBacklog) | 15,676件 | 16,620件 | +944件 |
| 解約件数 | 287件 | 396件 | +109件 |
| (うちBacklog) | 167件 | 175件 | +8件 |

株主還元
2026年3月期・2027年3月期(予想)ともに配当は無配の方針である。配当よりも成長投資への資金活用を最優先とし、2026年3月期は約1億円の自己株式取得を実施した。配当開始の時期は中期的な収益水準と投資需要のバランスを見極めながら判断するとしている。
トピックス(海外子会社の解散・清算)
会社は海外連結子会社であるNulab USA、Nulab Netherlands B.V.の解散・清算を決定した。海外売上が全体に占める割合は1.8%であり、円安の進行による運営コスト増大等を背景に判断したとしている。2026年3月期の特別損失として事業構造改善引当金98百万円を計上した。両社の売上高は親会社向けの内部取引のみであり連結財務諸表上で相殺消去されるため、連結売上高への影響はないとしている。オランダの労働法制上の制約から、清算に際して従業員への通知時期を慎重に調整する必要があったため、2026年3月の取締役会決議時点での個別開示は行わなかったとしている。本件は適時開示事項には該当しないが、任意開示として決算発表と同時に本資料で公表したとしている。

中期経営計画(公表予定)
会社は「事業計画及び成長可能性に関する事項」を本決算説明資料には含めていない。前回公表時点(2025年5月)では2026年3月期の決算発表時(2026年5月)に公表するとしていたが、現在策定中の新戦略を反映させたうえで、2026年6月24日の定時株主総会前までを目途に開示を行う予定としている。
※本記事はヌーラボが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。