※本記事は荒川化学工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
荒川化学工業は2026年6月1日、2026年3月期(2025年度)の連結決算を発表した。売上高は82,135百万円(前期比+19億円)、営業利益は2,500百万円(同136.4%増)、経常利益は2,390百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,201百万円だった。売上高とEBITDA(8,088百万円)はともに過去最高を更新し、本業は増収増益。純利益は前期に計上した固定資産売却益(約10億円)の反動で減益となったが、実質的には増益を確保した。電子材料領域(電子部材、データセンター・AI関連材料、半導体関連材料等)の販売は過去最高を記録した。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は821億円(前期比+19億円)となり、EBITDAも8,088百万円と前期の6,778百万円から伸長した。ROEは3.6%、ROICは2.0%となった。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2025年3月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 82,135百万円 | 80,236百万円 | +1,899百万円 |
| 営業利益 | 2,500百万円 | 1,057百万円 | +1,443百万円(136.4%増) |
| 経常利益 | 2,390百万円 | 854百万円 | +1,536百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,201百万円 | 2,644百万円 | △443百万円 |
| EBITDA | 8,088百万円 | 6,778百万円 | +1,310百万円 |

セグメント別の状況
セグメント別売上高は、粘接着・バイオマスが284億円(構成比34.6%、前期比+6億円)で最大、製紙・環境が207億円(同25.2%、前期比△14億円)、機能性コーティングが182億円(同22.2%、前期比+14億円)、ファイン・エレクトロニクスが147億円(同18.0%、前期比+13億円)だった。機能性コーティングとファイン・エレクトロニクスは、電子部材関連材料や精密研磨剤、半導体関連先端材料等が伸長し、電子材料領域を中心に両セグメントの増益を牽引した。製紙・環境は、グローバルに販売地域を拡大する一方、中国発の価格競争の激化により収益面では厳しい環境が続いている。粘接着・バイオマスは、千葉アルコン製造の稼働改善や製造拠点の統廃合による収益性の改善により赤字が縮小した。
| セグメント | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 機能性コーティング | 1,219百万円 | 2,203百万円 | 2,400百万円 |
| 製紙・環境 | 1,849百万円 | 1,381百万円 | 1,100百万円 |
| 粘接着・バイオマス | △2,241百万円 | △1,400百万円 | △400百万円 |
| ファイン・エレクトロニクス | 847百万円 | 895百万円 | 1,100百万円 |
| セグメント利益合計 | 1,732百万円 | 3,121百万円 | 4,240百万円 |


通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期(2026年度)は、売上高・EBITDAともに2期連続の記録更新を予想する。電子材料領域での生産能力増強が業績に寄与し、全利益項目で増益を計画する。千葉アルコン製造の稼働改善により、粘接着・バイオマス事業の黒字化へ道筋をつける。なお、中東情勢に関連するコスト上昇分については価格転嫁に努めているが、一定の仮定に基づき利益の押し下げを業績予想に織り込んでいる一方、原料や副資材などの供給量や顧客動向の変化については業績予想に織り込んでいない。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 87,000百万円 | 82,135百万円 |
| 営業利益 | 3,300百万円 | 2,500百万円 |
| 経常利益 | 2,800百万円 | 2,390百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,250百万円 | 2,201百万円 |
| EBITDA | 8,600百万円 | 8,088百万円 |
| ROE | 3.6% | 3.6% |
| ROIC | 2.6% | 2.0% |
株主還元
配当の基本方針は「安定的かつ継続的な配当を維持しつつ、積極的な株主還元策に取り組む」こと。2027年3月期は、普通配当を2円増配して52円とし、さらに150周年記念配当3円を加えた年間配当55円を予定する。前期比では10%増(+5円)となる。2026年3月期の実績配当は、中間配当25円と合わせて年間50円だった。
| 項目 | 2027年3月期(予定) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 普通配当 | 52円 | 50円 |
| 150周年記念配当 | 3円 | - |
| 年間配当合計 | 55円 | 50円 |

第6次中期経営計画・トピック
荒川化学工業は同日、2026年度-2030年度を対象とする第6次中期5ヵ年経営実行計画も公表した。2030年度の定量目標として、連結売上高1,030億円、連結営業利益70億円(2025年度業績比+180%)、当期純利益44億円、ROE7%以上、ROIC5%以上を掲げる。株主還元は配当性向目標を50%に引き上げ、原則的な累進配当により積極的な還元を推進する方針。
トピックスとして、松葉エキスを配合したサプリメント「Pino Fleur(ピノフルール)」や松やに由来の農業資材「EcoRosin(エコロジン)」の販売を開始したほか、2026年4月1日に明和産業株式会社との合弁で荒川フォレストテクノロジーベトナム社を設立した。
※本記事は荒川化学工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。