※本記事はDICが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
DIC株式会社の2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)連結業績は、売上高10,522億円(前期比△1.8%、現地通貨ベース△1.7%)、営業利益522億円(同+17.2%)、経常利益442億円(同+16.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益324億円(同+51.8%)となった。
売上高は、物価高や景気先行きに対する懸念等を背景に、パッケージ用インキ、塗料用顔料、プラスチック用顔料など消費財に近いボリュームゾーンの製品の出荷数量が減少したため減収となった。一方、営業利益は高付加価値製品の出荷が堅調に推移したことに加え、スプレッドを重視した販売価格の徹底により収益性が改善し増益となった。中でもカラー&ディスプレイの収益性改善が増益に寄与した。親会社株主に帰属する当期純利益は、美術品売却による特別利益69億円を計上したことにより、前年および前回見通し(2025年11月時点)を大幅に上回る着地となった。
連結業績(2025年12月期 実績)
各段階利益で前回見通しを上回って着地した。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 増減比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,711 | 10,522 | △1.8% |
| 営業利益 | 445 | 522 | +17.2% |
| 営業利益率 | 4.2% | 5.0% | – |
| 経常利益 | 379 | 442 | +16.7% |
| 特別利益 | 124 | 147 | – |
| 特別損失 | △126 | △73 | – |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 213 | 324 | +51.8% |
| EBITDA | 957 | 1,093 | +14.2% |

セグメント別業績
パッケージング&グラフィックは、消費の落ち込みによるパッケージ用インキ・ポリスチレン等の出荷減で減収減益。カラー&ディスプレイは、塗料用・プラスチック用・インキ用顔料の出荷数量減少や液晶材料事業からの撤退により減収となったが、関税サーチャージや価格改定による収益性改善と構造改革の推進により、赤字であった海外事業が黒字に転換し大幅増益となった。ファンクショナルプロダクツは、住宅建設インフラ用途・一般工業用途の汎用品の出荷減少やDICデコール(建築内装材事業)売却の影響で減収となったが、高付加価値製品の品目構成改善とスプレッドを重視した価格徹底により増益となった。
| セグメント | 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| パッケージング&グラフィック | 売上高(億円) | 5,601 | 5,497 |
| パッケージング&グラフィック | 営業利益(億円) | 316 | 311 |
| カラー&ディスプレイ | 売上高(億円) | 2,570 | 2,475 |
| カラー&ディスプレイ | 営業利益(億円) | △3 | 50 |
| ファンクショナルプロダクツ | 売上高(億円) | 2,960 | 2,909 |
| ファンクショナルプロダクツ | 営業利益(億円) | 214 | 231 |
| 連結合計 | 売上高(億円) | 10,711 | 10,522 |
| 連結合計 | 営業利益(億円) | 445 | 522 |

通期業績予想(2026年12月期 見通し)
2026年12月期は、海外での需要回復の取り込みと高付加価値製品の拡販により増収増益の見通し。カラー&ディスプレイでは引き続き構造改革に取り組み、更なる収益力回復を図るとしている。なお、美術品売却による特別利益は見通しに織り込み済みである。
| 項目 | 2025年12月期 実績 | 2026年12月期 見通し | 増減比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 10,522 | 11,000 | +4.5% |
| 営業利益 | 522 | 560 | +7.3% |
| 営業利益率 | 5.0% | 5.1% | – |
| 経常利益 | 442 | 480 | +8.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 324 | 330 | +2.0% |
| 1株当たり純利益(円) | 341.71 | 348.54 | – |
| EBITDA | 1,093 | 1,110 | +1.6% |

株主還元
安定的な株主還元を重視し、年間配当に下限を設定する新たな方針を導入。2019年以降の普通配当の平均的な水準よりも高い120円を下限配当とし、その上で利益成長に合わせて還元水準の向上を図るため「総還元性向40%以上」を新たな還元方針とする。還元は配当を基本としつつ、業績や財務状況に応じて自己株式取得を活用し株主価値の向上に努めるとしている。これに基づき、2026年12月期は普通配当を120円から140円に20円増配する計画。2025年12月期は特別配当80円を含め年間配当200円(総還元性向58.5%)となった。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期(見通し) |
|---|---|---|---|
| 普通配当(円) | 100 | 120 | 140 |
| 特別配当(円) | 0 | 80 | 0 |
| 年間配当合計(円) | 100 | 200 | 140 |
| 総還元性向 | – | 58.5% | 40.2% |

財務体質
2025年12月期末の自己資本比率は37.0%(前期末比+4.3pt)、ネットD/Eレシオは0.83倍(前期末1.05倍)。好調な事業収益と資産売却推進によりフリーキャッシュ・フロー524億円を創出し、有利子負債の大幅削減(ネット有利子負債3,894億円、前期末比△331億円)に寄与した。ROEは7.4%、ROICは4.4%となった。
トピックス
2025年11月〜2026年2月の主なトピックスとして、製品カーボンフットプリントの算定方法で国際規格準拠の第三者認証を取得したほか、独・ルートヴィヒスハーフェン工場でのペリレン顔料の生産能力拡大、ケアテックのスタートアップ企業株式会社abaへの出資、AIロボティクスのスタートアップ企業株式会社アールティへの戦略的出資、国際文化会館とのアート・建築分野を起点とする協業本格始動などが挙げられている。また、IRサイト評価で国内主要3機関から同時受賞した。
※本記事はDICが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。