※本記事はDelta-Fly Pharmaが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
Delta-Fly Pharma株式会社は2026年5月15日、2026年3月期決算説明資料を公表した。同社は創薬ベンチャーとして事業収益はなく、DFP-10917関連を中心とした研究開発費の増加により、通期予想に対して事業費用は107%の進捗となった。前期(2025年3月期)と比較すると当期純損失は△1,721百万円から△1,625百万円へ縮小した。2027年3月期は一部治験の完了に伴う効率化により研究開発費が減少する計画で、当期純損失は前期比83%の△1,350百万円を見込む。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期は事業収益の計上はなく、事業費用は主にDFP-10917関連の研究開発費(①DFP-10917試験進展に伴う追加費用〈サブグループ解析・試験整理等〉、②DFP-10917+VEN併用療法の臨床開発費用)の増加により、通期予想1,500百万円に対し実績1,605百万円(進捗率107%)となった。研究開発費は1,330百万円(予想比110%)、一般管理費は275百万円(予想比95%)。営業利益は△1,605百万円、経常利益は△1,623百万円、当期純利益は△1,625百万円となり、全体としては概ね通期予想どおりに着地した。前期(2025年3月期)の当期純利益△1,721百万円と比較すると96百万円の改善となった。(単位:百万円)
| 項目 | 2026年3月期 実績 | 2026年3月期 予想 | 進捗率 | 2025年3月期(前期実績) |
|---|---|---|---|---|
| 事業収益 | ー | ー | ー | ー |
| 事業費用 | 1,605 | 1,500 | 107% | 1,708 |
| 研究開発費 | 1,330 | 1,212 | 110% | 1,437 |
| 一般管理費 | 275 | 288 | 95% | 270 |
| 営業利益 | △1,605 | △1,500 | 107% | △1,708 |
| 経常利益 | △1,623 | △1,510 | 107% | △1,718 |
| 当期純利益 | △1,625 | △1,512 | 107% | △1,721 |

財政状態(2026年3月期末)
研究開発投資の実行に伴い現金及び預金残高は145百万円(前期比193百万円減)となったものの、将来成長に向けた先行投資を継続した。流動負債は主に未払金の増加により212百万円(前期比56百万円増)となったが、これは研究開発活動の進展・拡大に伴う計画的な投資を背景とした正常な営業債務の増加である。純資産合計は、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金が増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が減少し、33百万円(前期277百万円)となった。(単位:百万円)
| 項目 | 2026年3月期末 | 2025年3月期末(前期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 流動資産 | 207 | 394 | -187 |
| 現金及び預金 | 145 | 338 | -193 |
| その他 | 62 | 56 | 6 |
| 固定資産 | 39 | 39 | 0 |
| 資産合計 | 246 | 434 | -188 |
| 流動負債 | 212 | 156 | 56 |
| 負債合計 | 212 | 156 | 56 |
| 純資産合計 | 33 | 277 | -244 |
| 負債・純資産合計 | 246 | 434 | -188 |
資金調達の状況
同社は機動性の高い資金確保とファシリティ方式による社債を組み合わせた調達を実行している。4月に第10回新株予約権及び第2回無担保社債(私募債)を発行し約11.5億円の調達を完了したほか、1月に発行した第11回新株予約権により約7.19億円の調達を予定しており、2026年4月末時点の行使率は約61%となっている。調達資金は研究開発、治験の進展のために充当する。
| 新株予約権等 | 調達額 | 主な資金使途 |
|---|---|---|
| 第10回新株予約権及び第2回無担保社債(私募債) | 約11.5億円(調達完了) | DFP-10917+VEN併用 臨床第1/2相・第3相試験 349百万円、DFP-10917臨床第3相試験120百万円、DFP-14927臨床第1相拡大試験150百万円、開発・管理体制強化等(特許関連費用等含む)100百万円 |
| 第11回新株予約権 | 約7.19億円(調達予定、行使率約61%、2026年4月末時点) | DFP-14323臨床第3相試験650百万円、DFP-17729臨床第2/3相試験250百万円、DFP-10917臨床第3相試験承認申請関連費用100百万円、開発・管理体制強化等(特許関連費用等含む)71百万円 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、マイルストーン収益の獲得の可能性はあるものの、交渉タイミングおよび開発進捗の不確実性を考慮し、現時点では収益を織り込まない計画とした。一部治験の完了に伴う効率化により研究開発費は1,070百万円(前期比80%)に減少する見込みだが、重要パイプラインへの投資は継続する。事業費用は1,330百万円(前期比83%)、営業利益は△1,330百万円、経常利益は△1,340百万円、当期純利益は△1,350百万円(前期比83%)を計画している。(単位:百万円)
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 事業収益 | ー | ー | ー |
| 事業費用 | 1,605 | 1,330 | 83% |
| 研究開発費 | 1,330 | 1,070 | 80% |
| 一般管理費 | 275 | 260 | 95% |
| 営業利益 | △1,605 | △1,330 | 83% |
| 経常利益 | △1,623 | △1,340 | 83% |
| 当期純利益 | △1,625 | △1,350 | 83% |

株主還元
本資料に配当・自己株式取得等の株主還元方針に関する記載はない。
研究開発・パイプラインの状況
開発パイプライン6本のうち5本が臨床試験を推進した。DFP-10917(急性骨髄性白血病、再発・難治性)は米国での第3相試験について、安全性独立委員会(DSMB)に中間解析資料を提出したところ、治験実施計画書で設定されていた優越性が検証されなかったことから試験を中止する旨の報告を受けた。一方、主要評価項目では対照群との有意差は認められなかったものの、奏効率(ORR)は対照群を上回り、強化療法群との層別解析で全生存期間(OS)が長い結果が確認されたほか、TP53を含む予後不良の遺伝子変異を有する患者集団で有効性が示唆された。同社はこの結果を受け、DFP-10917単剤による条件付きNDA(新薬承認申請)に向けて米国FDAとの協議の準備を進めている。
DFP-10917+VEN併用療法の第1/2相試験(米国)は第2段階目標の症例登録が完了し、データモニタリング委員会(DMC)から安全かつ忍容性が高いと判断された。第1相パートの奏効率は50%、第2相パートは53%で、4例が造血幹細胞移植(SCT)へ移行した。DFP-14323(末期の肺がん)は国内約30施設で臨床第3相比較試験の症例登録を継続中。DFP-17729(末期の膵臓がん)は臨床第2/3相試験を国内16施設で継続しており、今年7月頃に症例登録が完了する見込み。DFP-11207(胆道がん)は医師主導治験として臨床第1/2相試験を開始した。

※本記事はDelta-Fly Pharmaが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。