※本記事は小野薬品工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
小野薬品工業の2026年3月期(2025年4月~2026年3月)通期決算は、海外主力製品の伸長により売上収益5,158億円(前期比+5.9%)と過去最高を更新した。コア営業利益は経費効率化を背景に1,371億円(前期比+21.7%)と大幅増益、コア当期利益(親会社の所有者帰属分)は1,035億円(前期比+14.5%)とコア指標導入後で最高益となった。デサイフェラ社の損益は前期が9カ月分、当期は12カ月分の計上となっている。2027年3月期はフォシーガ錠の共同販売契約終了等により減収減益(売上収益4,550億円、前期比▲11.8%)を見込むが、研究開発投資は売上収益比約30%水準の投資を継続する方針。
連結業績(2026年3月期 実績・コアベース)
コアベースの連結業績は、売上収益5,158億円(前期比+289億円、+5.9%)、コア営業利益1,371億円(前期比+245億円、+21.7%)、コア税引前利益1,383億円(前期比+244億円、+21.4%)、コア当期利益(親会社の所有者帰属分)1,035億円(前期比+131億円、+14.5%)となり、いずれも2025年10月30日公表の通期予想を上回った。なお参考開示のフルベース(IFRS)では、営業利益922億円(前期比+325億円、+54.4%)、当期利益(親会社の所有者帰属分)698億円(前期比+197億円、+39.4%)。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5,158億円 | 4,869億円 | +289億円(+5.9%) |
| 売上原価 | 1,070億円 | 1,069億円 | +2億円(+0.2%) |
| 研究開発費 | 1,451億円 | 1,433億円 | +18億円(+1.2%) |
| 販売費及び一般管理費 | 1,236億円 | 1,222億円 | +14億円(+1.1%) |
| コア営業利益 | 1,371億円 | 1,127億円 | +245億円(+21.7%) |
| コア税引前利益 | 1,383億円 | 1,139億円 | +244億円(+21.4%) |
| コア当期利益(親会社の所有者帰属分) | 1,035億円 | 904億円 | +131億円(+14.5%) |
主要製品別売上高の状況
売上収益の内訳は、製品商品売上3,426億円(前期比+118億円、+3.6%)、ロイヤルティ・その他1,732億円(前期比+171億円、+10.9%)。国内主要製品ではオプジーボ点滴静注が競争激化等により1,143億円(前期比▲60億円、▲5.0%)、フォシーガ錠が882億円(前期比▲14億円、▲1.5%)、グラクティブ錠が132億円(前期比▲51億円、▲27.9%)と減収となった一方、ベレキシブル錠・オンジェンティス錠・パーサビブ静注透析用・ビラフトビカプセルは増収。海外製品では、デサイフェラ社によるQINLOCK(キンロック)384億円(前期比+129億円、+50.6%)、ROMVIMZA(ロンビムザ)83億円が売上収益に貢献し、ロイヤルティ収入もオプジーボ1,223億円(+93億円、+8.2%)、キイトルーダ295億円(+30億円、+11.4%)と増加した。
| 製品名(区分) | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 製品商品売上(合計) | 3,426億円 | 3,308億円 | +118億円(+3.6%) |
| ロイヤルティ・その他(合計) | 1,732億円 | 1,561億円 | +171億円(+10.9%) |
| オプジーボ点滴静注(国内) | 1,143億円 | 1,203億円 | ▲60億円(▲5.0%) |
| フォシーガ錠(国内) | 882億円 | 896億円 | ▲14億円(▲1.5%) |
| オレンシア皮下注(国内) | 266億円 | 266億円 | ▲0億円(▲0.0%) |
| グラクティブ錠(国内) | 132億円 | 183億円 | ▲51億円(▲27.9%) |
| ベレキシブル錠(国内) | 119億円 | 105億円 | +14億円(+12.8%) |
| オンジェンティス錠(国内) | 90億円 | 76億円 | +13億円(+17.3%) |
| パーサビブ静注透析用(国内) | 90億円 | 84億円 | +6億円(+6.6%) |
| カイプロリス点滴静注用(国内) | 75億円 | 86億円 | ▲11億円(▲12.9%) |
| ビラフトビカプセル(国内) | 56億円 | 42億円 | +14億円(+33.8%) |
| オプジーボ(海外) | 142億円 | 131億円 | +10億円(+8.0%) |
| QINLOCK/キンロック(海外) | 384億円 | 255億円 | +129億円(+50.6%) |
| ROMVIMZA/ロンビムザ(海外) | 83億円 | 非開示 | - |
| オプジーボ(ロイヤルティ) | 1,223億円 | 1,130億円 | +93億円(+8.2%) |
| キイトルーダ(ロイヤルティ) | 295億円 | 264億円 | +30億円(+11.4%) |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、フォシーガ錠の共同販売契約終了等により売上収益4,550億円(前期比▲608億円、▲11.8%)を見込む。研究開発費は将来成長を見据え売上収益比約30%水準の投資を継続し1,430億円(前期比▲21億円、▲1.5%)、販売費及び一般管理費はコ・プロモーション費用の減少等により1,010億円(前期比▲226億円、▲18.3%)を計画。この結果、コア営業利益は1,240億円(前期比▲131億円、▲9.6%)、コア当期利益(親会社所有者帰属分)は930億円(前期比▲105億円、▲10.1%)を予想する。なお予想の前提為替レートは1ドル=155円。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 4,550億円 | 5,158億円 | ▲11.8% |
| 売上原価 | 840億円 | 1,070億円 | ▲21.5% |
| 研究開発費 | 1,430億円 | 1,451億円 | ▲1.5% |
| 販売費及び一般管理費 | 1,010億円 | 1,236億円 | ▲18.3% |
| コア営業利益 | 1,240億円 | 1,371億円 | ▲9.6% |
| コア税引前利益 | 1,240億円 | 1,383億円 | ▲10.3% |
| 法人所得税 | 310億円 | 346億円 | ▲10.5% |
| コア当期利益(親会社所有者帰属分) | 930億円 | 1,035億円 | ▲10.1% |

株主還元
株主還元は累進配当を基本方針とし、各期の業績・各種指標を踏まえ配当性向40%を目途に配当を行う。年間配当は2023年度以降1株当たり80円(中間40円・期末40円)を継続しており、2026年3月期の年間配当は80円(配当性向53.9%)、2027年3月期も80円を予想(配当性向52.9%)。状況に応じて機動的な自己株買いも実施する方針で、2022~2026年度の投資アロケーションでは株主還元に3,000億円規模(実績・想定ベース)を充てる計画としている。
| 年度 | 期末配当(円) | 中間配当(円) | 年間配当合計(円) | 配当性向(連結) |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 40.0 | 40.0 | 80.0 | 30.0% |
| 2024年度 | 40.0 | 40.0 | 80.0 | 75.1% |
| 2025年度(2026年3月期) | 40.0 | 40.0 | 80.0 | 53.9% |
| 2026年度(2027年3月期・予想) | 40.0 | 40.0 | 80.0 | 52.9% |

研究開発・パイプライントピック
開発面では、Tirabrutinib(チラブルチニブ塩酸塩)が中枢神経系原発リンパ腫を適応として米国FDAに承認申請し審査中(PDUFA目標期日2026年12月18日)。第2相PROSPECT試験では奏効率67%・完全奏効率44%の結果を得ている。Sapablursen(真性多血症)はグローバル第3相試験を開始した。ONO-4578・ONO-2808は近く学会でP2データを発表予定で、新たに4つの化合物がP1試験を開始した。ROMVIMZA(ビムセルチニブ)は米国・欧州で承認取得済みで、当初予想を上回るペースで市場浸透が進捗しており、ピーク時売上想定は500~700億円としている。
※本記事は小野薬品工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。