※本記事は理研ビタミンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
理研ビタミン株式会社は2026年3月期(資料表記:2025年度)通期の決算を発表した。売上高は前期比+0.8%の963億円と過去最高を更新し、増収は5期連続となった。一方、営業利益は同▲20.9%の69億円と減益。国内事業は食品・化成品その他ともに増収減益となり、うちアスベスト除去費用に関する資産除去債務の見積り変更により営業利益が872百万円押し下げられた(この影響を除くと国内事業は増益)。海外事業は中国の景気低迷や東南アジア・欧州での価格競争激化の影響を受け営業損失に転落した。会社側は中期経営計画「中計2027」に対して厳しい初年度になったとしている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は96,300百万円(前期比+717百万円、+0.8%)、営業利益は6,900百万円(同▲1,823百万円、▲20.9%、営業利益率7.2%)、EBITDA(営業利益+減価償却費)は11,578百万円(同▲2.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,035百万円(同▲2,352百万円、▲25.1%)、ROEは8.7%(同▲3.4pt)だった。海外事業の損失や資産除去債務増加の影響により各段階利益は大幅に減少した。2026年2月12日時点の会社予想(売上高96,000百万円・営業利益6,200百万円)に対しては、売上高・営業利益とも上回って着地した。なお、為替の期中平均レートは前期152円/$から今期151円/$となり、為替影響額は売上高+357百万円・営業利益▲33百万円。
| 項目 | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) | 前期比 | 2026年3月期(会社予想・2/12時点) |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 95,582 | 96,300 | +0.8% | 96,000 |
| 営業利益 | 8,724 | 6,900 | ▲20.9% | 6,200 |
| 営業利益率 | 9.1% | 7.2% | ▲1.9pt | 6.5% |
| EBITDA | 11,928 | 11,578 | ▲2.9% | − |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,388 | 7,035 | ▲25.1% | 6,500 |
| ROE | 12.1% | 8.7% | ▲3.4pt | 8.1% |
セグメント別の状況
国内食品事業は売上高66,360百万円(前期比+2.4%)、営業利益6,417百万円(同▲3.6%、営業利益率9.7%)で増収減益。品目別売上高は家庭用食品13,650百万円(+0.5%)、業務用食品23,009百万円(+1.1%)、加工食品用原料等29,701百万円(+4.3%)。国内化成品その他事業は売上高8,686百万円(+9.1%)、営業利益857百万円(▲4.2%、営業利益率9.9%)で増収減益。海外事業は中国の消費低迷、ヨーロッパ・東南アジアでの価格競争激化により売上高22,893百万円(▲5.4%)、営業利益は436百万円の損失(前期は1,120百万円の利益)となり、営業黒字から赤字に転落した。北米はベーカリー向け製品やポークエキスの販売拡大により増収だった。なお、2026年3月期よりセグメント営業利益の測定方法を変更しており、前期(2025年3月期)の営業利益は変更後の測定方法に基づき遡及修正した数値を記載している。アスベスト影響(872百万円の押し下げ)を除いた参考値では、国内食品事業の営業利益は7,258百万円(前期比+9.0%)と増益、国内化成品その他事業は879百万円(同▲1.7%)とほぼ横ばい、連結合計の営業利益は7,773百万円(同▲10.9%)となる。
| セグメント/品目 | 売上高(百万円) | 前期比 | 営業利益(百万円) | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 国内食品事業 | 66,360 | +2.4% | 6,417 | ▲3.6% |
| 家庭用食品 | 13,650 | +0.5% | − | − |
| 業務用食品 | 23,009 | +1.1% | − | − |
| 加工食品用原料等 | 29,701 | +4.3% | − | − |
| 国内化成品その他事業 | 8,686 | +9.1% | 857 | ▲4.2% |
| 海外事業 | 22,893 | ▲5.4% | △436 | − |
| 調整額(セグメント間消去) | △1,640 | − | 62 | +12 |
| 連結合計 | 96,300 | +0.8% | 6,900 | ▲20.9% |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は改めて売上高1,000億円台を目指し、売上高100,000百万円(前期比+3.8%)、営業利益7,100百万円(同+2.9%、営業利益率7.1%)を見込む。国内事業は増収増益ながらアスベスト影響を除くと減益、海外事業はコストダウンやスペシャリティ品の拡大により2028年3月期の黒字回復を目指す。アスベスト除去費用の見積り変更に伴う営業利益への影響額は2027年3月期が3〜4億円、2028年3月期が約1億円の見込み。なお、会社側は中東情勢の影響を織り込んでおらず、現時点で中期経営計画の目標見直しは行わないとしている。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 96,300 | 100,000 | +3.8% |
| 国内食品事業 | 66,360 | 67,200 | +1.3% |
| 国内化成品その他事業 | 8,686 | 9,000 | +3.6% |
| 海外事業 | 22,893 | 25,800 | +12.7% |
| 営業利益 | 6,900 | 7,100 | +2.9% |
| 国内食品事業 | 6,417 | 6,440 | +0.3% |
| 国内化成品その他事業 | 857 | 860 | +0.3% |
| 海外事業 | △436 | △200 | − |
| 営業利益率 | 7.2% | 7.1% | ▲0.1pt |
| EBITDA | 11,578 | 11,089 | ▲4.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,035 | 7,500 | +6.6% |
| ROE | 8.7% | 9.0% | +0.3pt |

株主還元
配当方針は連結配当性向40%以上を目安に安定的な配当を継続実施。2026年3月期(資料表記:25年度)の1株当たり年間配当金は110円(前期94円から増配)、連結配当性向は46.2%。2027年3月期(26年度)の配当金は方針に基づき110円を維持する予想。自己株式取得は2026年3月期が20億円、2027年3月期も20億円取得予定。
| 項目 | 2025年3月期(24年度) | 2026年3月期(25年度) | 2027年3月期(26年度予想) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金(円) | 94 | 110 | 110 |
| 連結配当性向 | 30.3% | 46.2% | 42.8% |
| 自己株式取得額(億円) | 11 | 20 | 20(予定) |

トピック
2026年3月期、国内で保有する全建物についてアスベスト除去費用を再調査した結果、資産除去債務を15億円追加計上した。この見積り変更により2026年3月期の営業利益は872百万円減少し、耐用年数未経過の建物では残りの耐用年数にわたり減価償却費が増加する見込み。連結貸借対照表では、総資産は116,387百万円(前期末比+3,387百万円)となり、資産除去債務が主にアスベスト影響で1,586百万円増加した一方、純資産の増加(利益剰余金+3,638百万円等)により自己資本比率は70.1%から71.6%に上昇した。また、政策保有株式については3年間で90億円の縮減を計画しており、2026年3月期は16銘柄・3,373百万円を売却したが、保有株式の評価益増(+33億円)が売却金額とほぼ同額となったため、連結純資産に対する比率は1%の低下(19.0%→17.9%)にとどまった。

※本記事は理研ビタミンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。