バルテス・ホールディングス

バルテス・ホールディングス、2026年3月期は売上高が過去最高 生成AI投資で営業利益は前期並み

決算サマリー 2026.08.27
バルテス・ホールディングス、2026年3月期は売上高が過去最高 生成AI投資で営業利益は前期並み

※本記事はバルテス・ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

バルテス・ホールディングス株式会社の2026年3月期(2025年4月~2026年3月)連結業績は、売上高11,939百万円(前年同期比+10.6%)と過去最高を更新した。一方、生成AIテストツール開発投資の影響で販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は923百万円(同▲0.4%)、経常利益921百万円(同▲1.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益573百万円(同▲1.2%)と、いずれも前期並みの水準にとどまった。AI投資額(3.0億円、計画比76.2%)による損益影響を除いた「AI投資前営業利益」は12.0億円となり、前期実績(9.2億円)・当初計画(10.5億円)をともに上回っている。2027年3月期は、新中期経営計画に基づき生成AIテストツール開発へ4億円以上を投資する計画のもと、売上高14,160百万円(同+18.6%)、営業利益970百万円(同+5.0%)の増収増益を見込む。

目次

業績(2026年3月期 実績)

営業体制整備の効果により案件数は7,489件(前年同期比+1,846件、うちツール案件数+764件)と順調に増加し、通期売上高は過去最高を更新した。ソフトウェアテストの単価(月間)は852千円(同+42千円)に上昇し、稼働エンジニア数(2026年3月末時点)は1,342名(正社員・契約社員・ビジネスパートナー合計で前年同期比+132名、うち正社員+29名)となった。一方、生成AIテストツール開発投資に伴う研究開発費の増加(+159百万円)や株主優待制度導入による費用増(▲78百万円)等により販管費は2,736百万円(前年同期比+19.9%)に拡大し、売上高増加・売上総利益率改善の効果を相殺したことで、営業利益は前期比▲0.4%の923百万円となった。

項目2025年3月期2026年3月期前年増減前年同期比
売上高10,795百万円11,939百万円+1,144百万円+10.6%
営業利益927百万円923百万円▲3百万円▲0.4%
EBITDA1,182百万円1,210百万円+28百万円+2.4%
経常利益930百万円921百万円▲9百万円▲1.0%
親会社株主に帰属する当期純利益580百万円573百万円▲7百万円▲1.2%
1株当たり当期純利益28.81円28.91円
エグゼクティブサマリ(前年同期比)
出典:2026年3月期 通期決算説明資料 P.4

セグメント別の状況

2026年3月期はソフトウェアテスト、開発、セキュリティの3セグメント体制。主力のソフトウェアテスト事業は売上高10,245百万円(前年同期比+12.4%)と拡大した一方、生成AIテストツール開発費用の計上等により営業利益は864百万円(同▲19.3%、利益率8.4%)に低下した。開発事業はタビュラ社グループイン等の影響もあり大幅に改善し、売上高1,990百万円(同+12.0%)、営業利益91百万円(前期は営業損失75百万円)と黒字転換した。セキュリティ事業も売上高294百万円(同+34.1%)、営業利益38百万円(同+230.6%)と大きく伸長した。

セグメント指標2025年3月期2026年3月期前年同期比
ソフトウェアテスト売上高9,112百万円10,245百万円+12.4%
開発売上高1,777百万円1,990百万円+12.0%
セキュリティ売上高219百万円294百万円+34.1%
連結消去売上高△314百万円△590百万円
合計売上高10,795百万円11,939百万円+10.6%
ソフトウェアテスト営業利益(利益率)1,071百万円(11.8%)864百万円(8.4%)▲19.3%(▲3.4pt)
開発営業利益(利益率)△75百万円(▲4.3%)91百万円(4.6%)-(+8.9pt)
セキュリティ営業利益(利益率)11百万円(5.3%)38百万円(13.1%)+230.6%(+7.8pt)
連結消去営業利益△79百万円△71百万円
合計営業利益(利益率)927百万円(8.6%)923百万円(7.7%)▲0.4%(▲0.9pt)
事業別セグメント実績
出典:2026年3月期 通期決算説明資料 P.15

通期業績予想(2027年3月期)

2027年3月期は、新中期経営計画に基づき生成AIテストツール開発へ4億円以上の投資を見込む一方、新中期経営計画の2期目目標を通期目標として据え置き、売上高14,160百万円(前期比+18.6%)、営業利益970百万円(同+5.0%)、経常利益950百万円(同+3.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益610百万円(同+6.4%)の増収増益を計画している。投資対象は、生成AIテストツール開発、同ツールのマーケティング強化、AI人材を含むハイクラス人材の採用強化の3点としている。

項目2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)対2026年3月期増減対2026年3月期
売上高11,939百万円14,160百万円+2,220百万円+18.6%
営業利益923百万円970百万円+46百万円+5.0%
AI投資前営業利益(参考)1,203百万円1,370百万円+166百万円+13.8%
EBITDA1,210百万円1,270百万円+59百万円+4.9%
経常利益921百万円950百万円+28百万円+3.1%
親会社株主に帰属する当期純利益573百万円610百万円+36百万円+6.4%
1株当たり当期純利益28.91円30.76円
2027年3月期 通期見通し(年間)
出典:2026年3月期 通期決算説明資料 P.26

株主還元

配当は、順調な利益成長が見込めることから安定・継続的な還元を目的に普通配当を実施する方針で、2026年3月期・2027年3月期予想ともに1株当たり4円としている。また、生成AIテストツール開発投資への株主理解を得つつ中長期保有を促す目的で、継続保有要件を満たす株主を対象に半期ごとに7,500円分(年間15,000円分)のQUOカードを進呈する株主優待制度を導入している。

項目2026年3月期2027年3月期(予想)
1株当たり配当金4円4円
株主優待年間15,000円分QUOカード進呈(継続保有要件あり)同左
資本政策、株主還元
出典:2026年3月期 通期決算説明資料 P.24

生成AIテストツール開発投資・中期経営計画

2025年2月に生成AIテストツール開発への3年間で12億円の投資方針を発表し、同年6月には投資計画を盛り込んだ新中期経営計画を公表した。2026年3月期は投資が順調に進捗し、生成AIテスト設計ツール「TestScape」を2026年3月に正式リリース、AI仕様書診断ツール「クインスペクト」もβ版をリリースした。AI関連投資額は通期で304百万円(うち損益影響は約2.7億円)となり、計画(年4億円)に対する進捗率は76.2%だった。当初の新中期経営計画で掲げた2026年3月期目標は売上高120.0億円・営業利益6.5億円だったが、実績は売上高119.4億円・営業利益9.2億円となり、営業利益は計画を大きく上回った(達成率142.1%)。新中期経営計画では、生成AIテストツール開発(3か年計12億円)に加え、BS戦略投資(3か年計25億円)、配当(3か年計2.4億円)を計画しており、主力のソフトウェアテスト事業を「人に依存しないビジネスモデル」へ転換することを目指している。

※本記事はバルテス・ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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