※本記事は新日本理化が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
新日本理化の2026年3月期は、原料高騰や汎用品の市況悪化等の逆風を受け、売上高321億円(前期比△5億円、△1.8%)と減収。価格転嫁を進めたものの急激なコスト増を補いきれず、営業利益は5.7億円(前期比△2.5億円、△30.5%)、経常利益は547百万円(前期比△648百万円)といずれも減益となった。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は5.9億円(前期比+0.7億円、+14.5%)と増益を確保した。年間配当金は4.5円(前期比+0.5円、配当性向28.1%)とした。
連結業績(2026年3月期 実績)
堺工場閉鎖等の構造改革やデジタル活用による生産性向上、継続的な価格是正を断行した。営業利益の増減要因は、製品価格効果が+1,383百万円と大幅なプラスとなった一方、原材料が△1,180百万円、諸経費が△124百万円、数量が△330百万円とそれぞれ押し下げ要因となり、前期829百万円から当期576百万円へ減少した。
| 項目 | 2025年3月期(前期実績) | 2026年3月期(当期実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 32,703 | 32,105 | △598(△1.8%) |
| 営業利益(百万円) | 829 | 576 | △252(△30.5%) |
| 経常利益(百万円) | 開示なし | 547 | △648 |
| 当期純利益(百万円) | 522 | 597 | +75(+14.5%) |

| 要因 | 金額(百万円) |
|---|---|
| 2025年3月期 営業利益 | 829 |
| 製品価格効果 | +1,383 |
| 原材料 | △1,180 |
| 諸経費 | △124 |
| 数量 | △330 |
| 2026年3月期 営業利益 | 576 |

事業概況
オレオケミカルは、高機能原料の需要は堅調な一方、市場全体では需給の緩和が継続。アジアからの安価な輸入品との競合が激化し、汎用品の販売数量・売上高は前年を下回った。可塑剤は、住宅着工の低迷や建設コスト上昇、海外からの低価格品流入により競争環境が悪化したが、高耐熱・高耐候などの機能性可塑剤が堅調に推移し全体を下支えした。合成樹脂原料は、海外向け自動車産業で上期の関税影響が一巡し下期は受注が回復基調へ向かったが、通期では補いきれず自動車向け製品全体の数量・売上高は前年を下回った。機能性化学品は、中国経済の低迷および相互関税の影響により電子材料などの末端需要が低迷する中、価格転嫁・高付加価値製品の販売により売上高は前年を上回った。
財務基盤の状況
経営資源の最適化を推進した結果、財務体質が改善した。総資産は403.4億円(前期比+28.2億円)、自己資本比率は48.9%(同+1.5pt)に上昇。営業キャッシュ・フローは16.4億円(前期△2.2億円、同+18.6億円)とプラスに転じ、現金残高は55.3億円(前期比+27.5億円)に増加した。
中期経営計画(2021-2025)の振り返り
2021-2025年度の中期経営計画で掲げた計数目標に対し、2025年度(2026年3月期)実績は、営業利益が目標8億円に対し5.7億円、ROEが目標6.0%に対し3.2%、売上高が目標340億円に対し321億円と、いずれも未達に終わった。一方、ステアリン酸事業からの撤退や堺工場の閉鎖に伴う製造拠点の集約など事業ポートフォリオの組換えは計画通り完遂し、高付加価値製品割合は12%から16%に拡大、ファインケミカルの海外売上高比率は約38%に到達した。

新中期経営計画(2026-2030)
2026年度を初年度とする新たな中期経営計画(2026-2030)を策定。2030年度の到達点として、営業利益17.5億円、営業利益率5.0%、売上高350億円、EBITDA率7.5%、ROE7.0%を掲げる。ファインケミカル主導の「稼ぐ力の再構築2.0」、筋肉質な経営基盤の構築、無形資産の戦略的活用の3つの戦略を実行する。
通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は中期経営計画(2026-2030)の初年度として、次世代領域への注力と事業ポートフォリオの最適化を推進し、高収益構造への転換を加速する方針。売上高は325億円(2026年3月期321億円)、営業利益率は2.5%(同1.8%)への改善を見込む。営業利益の具体的な金額は開示されていない。ファインケミカル領域は次世代半導体や環境対応分野でのグローバルニッチトップ戦略を推進し、RiKACRYSTA®等の注力製品の自動車部品等への採用拡大を図る。バルクケミカル領域は事業ポートフォリオの最適化(聖域なきスクラップ)と機動的な価格改定による適正なスプレッドの確保を進める。なお、本業績予想には足元の中東情勢等の影響は現時点で織り込んでいない。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(計画) |
|---|---|---|
| 売上高(億円) | 321 | 325 |
| 営業利益率 | 1.8% | 2.5% |

株主還元
2026年3月期の年間配当金は4.5円(前期4円、+0.5円)で、配当性向は28.1%。
| 項目 | 2025年3月期(実績) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 年間配当金 | 4円 | 4.5円 |
| 配当性向 | – | 28.1% |
※本記事は新日本理化が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。