野村総合研究所

野村総合研究所、2026年3月期は増収も海外事業の減損で最終減益 2027年3月期は増収増益・増配を計画

決算サマリー 2026.08.05
野村総合研究所、2026年3月期は増収も海外事業の減損で最終減益 2027年3月期は増収増益・増配を計画

※本記事は野村総合研究所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

野村総合研究所の2026年3月期(通期)連結決算は、売上収益814,708百万円(前期比+6.5%)と増収となり、中期経営計画2025の売上目標を達成した。一方、北米・豪州事業でのれん等減損損失を計上した影響で、営業利益は58,273百万円(同△56.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は15,257百万円(同△83.7%)と大幅な減益となった。減損損失等を除くと営業利益は156,673百万円(同+16.1%)、営業利益率19.2%(同+1.6P)で、実質ベースでは増益を確保している。2027年3月期は売上収益8,500億円(+4.3%)、営業利益1,750億円(+11.7%)を見込み、増収増益・増配を計画している。

目次

連結業績(当期 実績)

国内事業は案件活況と生産革新効果により、全セグメントで増収増益となった。海外事業は市場環境の悪化に加えビジネスモデル転換の遅延があり、北米・豪州事業でのれん等の減損損失(北米約200億円、豪州約770億円)を計上した。国内事業の売上収益は705,986百万円(前期比+8.2%)、営業利益は160,027百万円(同+20.5%)、営業利益率22.7%(同+2.3P)といずれも大きく伸長した。

項目当期前期増減
売上収益814,708百万円764,813百万円+6.5%
営業利益58,273百万円(除く減損損失等:156,673百万円)134,907百万円△56.8%(除く減損損失等:+16.1%)
営業利益率7.2%(除く減損損失等:19.2%)17.6%△10.5P(除く減損損失等:+1.6P)
親会社の所有者に帰属する当期利益15,257百万円93,762百万円△83.7%
基本的1株当たり当期利益¥26.62¥163.57△¥136.94
1株当たり年間配当金¥77.00¥63.00¥14.00
ROE3.5%22.5%△19.0P

セグメント別の状況

コンサルティングはAIコンサルティング案件やレガシー・モダナイゼーション案件の活況により増収増益。金融ITソリューションはその他金融業等向けの基幹システム刷新案件等、各業種向けSI案件の活況で増収増益(外部顧客向け売上399,792百万円、+9.1%)。産業ITソリューションは国内が製造業・運輸業等の新規獲得案件で増収増益となった一方、海外事業が減収減益となり、減損損失等の計上によりセグメント合計で営業損失(△8,904百万円)を計上した。IT基盤サービスはデジタルワークプレイス(DWP)事業等が増収増益に寄与した。

セグメント指標当期前期
コンサルティング売上収益68,724百万円65,376百万円
コンサルティング営業利益19,225百万円18,398百万円
金融ITソリューション売上収益405,152百万円372,574百万円
金融ITソリューション営業利益74,255百万円61,581百万円
産業ITソリューション売上収益280,033百万円275,970百万円
産業ITソリューション営業利益△8,904百万円24,287百万円
IT基盤サービス売上収益221,545百万円201,480百万円
IT基盤サービス営業利益38,564百万円30,341百万円
セグメント別業績(金融ITソリューション)
出典:野村総合研究所 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.8

通期業績予想

2027年3月期は、中期経営計画2028の1年目として国内事業を中心とした成長を志向する。モダナイゼーションやAI活用に関する需要は引き続き旺盛とし、成長領域への先行投資と並行して収益力の更なる向上を目指す。売上収益は8,500億円(前期比+4.3%)、営業利益は1,750億円(同+11.7%、営業利益率20.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,190億円(同+8.3%)を見込む。

項目予想前期(実績)
売上収益8,500億円8,147億円
営業利益1,750億円1,566億円
営業利益率20.6%19.2%
親会社の所有者に帰属する当期利益1,190億円1,098億円
基本的1株当たり当期利益(EPS)¥207.17¥191.67
1株当たり年間配当金¥84.00¥77.00
連結配当性向40.5%40.3%
2027年3月期 通期業績見通し
出典:野村総合研究所 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.19

株主還元

2026年3月期の期末配当は当初予想より3円上方修正され、年間配当金は¥77.00(前期¥63.00)、連結配当性向は289.9%(前期38.6%)となった。2027年3月期は7円増配の年間¥84.00(第2四半期末¥42.00、期末¥42.00)を予想し、連結配当性向は40.5%を見込む。あわせて、中期経営計画2028のROE目標(25%水準)に向けた機動的な資本政策の一環として、取得株式総数2,100万株(上限、発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合3.66%)、取得価額総額700億円(上限)の自己株式取得を、2026年5月15日から2026年8月31日の期間で実施する(取引一任契約に基づく市場買付け)。2026年3月期に計上した減損損失は当社のキャッシュ・フローに影響はないとしている。

自己株式の取得(資本政策)
出典:野村総合研究所 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.22

海外事業と中期経営計画2028

2026年3月期は、北米事業で約200億円(Core BTS社ののれんの一部)、豪州事業で約770億円(NRI Australia社(旧ASG社)及びPlanit社ののれん等、無形資産を含む)ののれん等減損損失を計上した。背景として、長短金利の高止まりやマクロの不透明感による顧客の投資控え(特に大口顧客の受注停滞)、クラウドコンサルティング事業における人材派遣型契約の中止・延期の増加、買収子会社間の事業融合や注力業種・サービスの絞り込み不足による経営資源の分散などを挙げている。中期経営計画2028では、北米・豪州事業について規模拡大を志向せず、AI時代に安定成長が期待できる事業領域で収益を確保する方針とし、海外事業全体で売上1,200億円、営業利益率5%水準を目指す。組織再編として、北米はNRI-ITSA及びNRIセキュアの関連事業をCore BTS(「NRI North America」にリブランド)へ集約し、豪州はNRI-AUとPlanitを経営統合のうえ産業ITセグメントから金融ITセグメントへ移管する。なお、中期経営計画2023-2025については、売上収益8,147億円(目標8,100億円)、ROE22.8%(目標20%以上)を達成した一方、営業利益は減損損失等込みで582億円にとどまり目標(1,450億円)に未達となった(減損損失等を除く参考値では1,566億円)。

※本記事は野村総合研究所が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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