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日本触媒、2026年3月期は減収減益 売上収益3,999億円 当期利益168億円

決算サマリー 2026.08.14
日本触媒、2026年3月期は減収減益 売上収益3,999億円 当期利益168億円

※本記事は日本触媒が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

日本触媒の2026年3月期通期連結業績は、全体では対前年で減収減益となった。売上収益は3,999億円(前期比▲94億円)、セグメント利益(営業利益+持分法による投資損益)は187億円(同▲43億円)。エレクトロニクス材料やSAPの数量増加、原料価格下落によるスプレッド拡大があった一方、販管費や製造固定費の増加、在庫評価差益の減少、持分法適用会社での減損実施が減益要因となった。ソリューションズ事業は持分法投資損益を除くと増収増益。2027年3月期の業績予想は、中東情勢の緊迫化による影響を合理的に算出することが非常に困難であるため、現時点では未定としている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上収益は3,999億円(前期比▲94億円、▲2.3%)、営業利益は175億円(同▲15億円、▲8.0%)で利益率は4.4%(前期比▲0.3pt)。持分法による投資損益は12億円(同▲28億円、▲70.1%)で、セグメント利益(営業利益+持分法による投資損益)は187億円(同▲43億円、▲18.8%)。税引前利益は215億円(同▲17億円、▲7.4%)、当期利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は168億円(同▲6億円、▲3.6%)となった。ROEは4.3%(前期比▲0.2pt)、ROAは3.8%(同▲0.5pt)、ROICは3.3%(同▲1.0pt)といずれも前期を下回った。前提条件は、ナフサ価格が65,200円/kLで前期の75,600円/kLから▲13.8%、為替は円/ドルが151円(前期153円)、円/ユーロが175円(前期164円)だった。

項目当期(2026年3月期)前期(2025年3月期)増減
売上収益3,999億円4,093億円▲94億円(▲2.3%)
営業利益175億円191億円▲15億円(▲8.0%)
持分法による投資損益12億円40億円▲28億円(▲70.1%)
セグメント利益187億円231億円▲43億円(▲18.8%)
税引前利益215億円232億円▲17億円(▲7.4%)
当期利益168億円174億円▲6億円(▲3.6%)
2026年3月期の業績概要(売上収益・営業利益・当期利益等)を示す一覧表
出典:日本触媒 2026年3月期 決算説明資料 P.5

セグメント別の状況

マテリアルズ事業は売上収益2,788億円(前期比▲153億円、▲5.2%)、セグメント利益119億円(同▲39億円、▲24.8%)の減収減益。内訳はAA・SAPが売上収益2,184億円(同▲37億円、▲1.7%)、EO他が604億円(同▲116億円、▲16.1%)。SAPの原料価格下落によるスプレッド拡大や新興国での拡販による数量増があった一方、AES・特殊エステルの海外市況低迷や中国品の安値攻勢による数量減、製造固定費の増加(海外)、持分法適用会社(MMA市況下落)での収益悪化が影響した。ソリューションズ事業は売上収益1,211億円(同+58億円、+5.1%)、セグメント利益60億円(同▲1億円、▲2.4%)の増収減益。内訳はスペシャリティが489億円(同▲26億円、▲5.1%)、エレクトロニクスが249億円(同+40億円、+19.0%)、その他が473億円(同+45億円、+10.5%)で、エレクトロニクスはディスプレイ関連材料の中国市場向け拡販、その他はイーテック社の子会社化に伴う数量増が寄与した。一方で研究費増加やイーテック子会社化に伴う販管費増加、在庫評価差益の減少、持分法適用会社での減損実施により減益となった。全社共通のセグメント利益は8億円(前期10億円、同▲3億円、▲24.3%)。

セグメント指標当期(2026年3月期)前期(2025年3月期)
マテリアルズ事業(AA・SAP)売上収益2,184億円2,221億円
マテリアルズ事業(EO他)売上収益604億円720億円
マテリアルズ事業 合計セグメント利益119億円159億円
ソリューションズ事業(スペシャリティ)売上収益489億円516億円
ソリューションズ事業(エレクトロニクス)売上収益249億円209億円
ソリューションズ事業(その他)売上収益473億円428億円
ソリューションズ事業 合計セグメント利益60億円61億円
マテリアルズ事業・ソリューションズ事業のセグメント別売上収益・セグメント利益の一覧表
出典:日本触媒 2026年3月期 決算説明資料 P.6

通期業績予想

2027年3月期の業績予想については、中東情勢の緊迫化による当社グループへの影響を合理的に算出することが非常に困難であるため、現時点では未定としている。業績予想の開示が可能となった段階で速やかに開示するとしている。2026年1~3月のナフサ価格は65,700円/KLだったが、2026年4~6月(予想)は120,000円~140,000円/KLへの上昇を見込む。原料調達環境は厳しいものの製品在庫も活用し顧客への販売量は確保しており、原料上昇見合いで顧客への値上げを実施中としている。

2025年度通期実績の決算サマリーと2026年度通期予想の考え方を示すスライド
出典:日本触媒 2026年3月期 決算説明資料 P.3

株主還元

株主還元方針は、配当性向100%またはDOE(株主資本配当率)2.0%のいずれか大きい金額を配当し、政策保有株式縮減等で得た資金で自己株式を取得するとしている。2025年度(2026年3月期)の配当金は中間50円・期末63円の年間113円/株(前期114円/株から1円減)で、配当性向100.8%(前期100.1%)、自己株式取得額70億円(前期50億円)、DOE4.3%(前期4.5%)、総還元性向141.6%(前期128.2%)だった。政策保有株式の保有銘柄数は2024年3月末33銘柄、2025年3月末30銘柄、2026年3月末22銘柄と縮減が進み、売却額(ネット)は2026年3月期91億円(前期49億円)。2027年3月期の配当金については、業績予想を現在精査中であり、合理的に算定した後速やかに公表するとしている。

項目当期(2026年3月期)実績前期(2025年3月期)実績
中間配当金50円/株
期末配当金63円/株
年間配当金113円/株114円/株
配当性向100.8%100.1%
自己株式取得額70億円50億円
DOE4.3%4.5%
総還元性向141.6%128.2%
2025年度の配当金実績と2024年度~2027年度株主還元方針の推移を示すスライド
出典:日本触媒 2026年3月期 決算説明資料 P.17

事業の状況・トピックス

中東情勢の緊迫化により原材料・燃料の調達環境の不確実性が継続する中、安定供給の維持を最優先とし、原燃料費上昇分の価格転嫁を前提に、原材料メーカーや顧客との連携、調達先の多様化や在庫確保による供給体制の強化を進めるとしている。成長領域では、リチウムイオン電池用電解質「イオネル」について中国JVで増設を進めており、2026年上期に年産3,000トン設備、2027年上期に年産7,000トン設備の商業生産開始を予定し、既存の年産2,400トンと合わせて合計12,400トンの生産能力とする計画。北九州工場でも新工場を2026年1月に着工し、2028年度中に年産3,000トン設備の商業生産開始を予定している。光学フィルム用アクリル樹脂「アクリビュア」は、大型化・高精細化に適した新グレードの採用拡大によりシェア拡大を見込む。マテリアルズ事業ではSAPについて、インドネシアで年産5万トンの能力増強を進め、2027年7月に商業運転を開始する計画としている。

※本記事は日本触媒が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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