※本記事はTISが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
TISの2026年3月期は、顧客のデジタル変革をはじめとするIT投資需要への的確な対応やサービス提供の推進により事業が拡大し、前期比で増収・営業増益となった。修正計画も上回って着地している。売上高は596,479百万円(前期比+4.3%)、営業利益は76,229百万円(同+10.4%)、営業利益率は12.8%(同+0.7pt)。一方、特別損益(純額)の悪化により親会社株主に帰属する当期純利益は46,624百万円(同▲6.8%)と減益となった。受注高・受注残高は堅調に積み上がり、2027年3月期は投資有価証券売却に伴う特別利益を織り込み、増収増益の計画としている。
連結業績(当期実績)
2026年3月期は前期比増収・営業増益。営業外費用は持分法による投資損失749百万円等により前期比+1,165百万円となった一方、特別損失は訴訟損失引当金繰入額7,434百万円・減損損失2,827百万円等により前期比+6,750百万円の12,677百万円となり、特別利益(投資有価証券売却益4,374百万円等、5,118百万円)を上回ったことから、当期純利益は前期比▲6.8%の減益となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 596,479 | 571,687 | +24,792 (+4.3%) |
| 営業利益 | 76,229 | 69,047 | +7,181 (+10.4%) |
| 営業利益率 | 12.8% | 12.1% | +0.7P |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 46,624 | 50,012 | ▲3,388 (▲6.8%) |
| 当期純利益率 | 7.8% | 8.7% | ▲0.9P |
| 1株当たり当期純利益(円) | 204.91 | 215.00 | ▲10.09 (▲4.7%) |
| ROE | 14.0% | 15.3% | ▲1.3P |
セグメント別の状況
オファリングサービスは決済分野、基盤系、エンタープライズ系等での案件獲得や不採算案件の減少により増収増益。BPMはDX事業をはじめとする案件獲得や継続的なコストコントロールにより増収増益。金融ITは前期からの大型開発案件のピークアウト影響等で減収となったが、モダナイゼーション関連等の高付加価値ビジネスの推進により増益。産業ITはサービス・製造・流通等の幅広い業種でのIT投資拡大や不採算案件の減少により増収増益。広域ITソリューションは公共系案件での収益性悪化があったものの、医療系等の幅広いIT投資需要の拡大や一過性費用の減少等により増収増益。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| オファリングサービス | 売上高 | 160,574 | 145,515 |
| オファリングサービス | 営業利益 | 10,442 | 9,937 |
| BPM | 売上高 | 44,092 | 42,646 |
| BPM | 営業利益 | 6,397 | 5,326 |
| 金融IT | 売上高 | 98,730 | 100,252 |
| 金融IT | 営業利益 | 12,729 | 12,321 |
| 産業IT | 売上高 | 133,396 | 128,120 |
| 産業IT | 営業利益 | 22,507 | 19,330 |
| 広域ITソリューション | 売上高 | 184,238 | 177,425 |
| 広域ITソリューション | 営業利益 | 23,328 | 21,576 |

通期業績予想
2027年3月期は中期経営計画の達成に向けて投資を継続しながら事業拡大を図り、増収増益を計画。投資有価証券の売却方針に基づき想定される特別利益50億円を織り込み、当期純利益は大幅増の見通し。中期経営計画(2024-2026)の重要な経営指標であるEPS CAGR10%及びROE16%超の達成も見込む。
| 項目 | 2027年3月期(計画) | 2026年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 620,000 | 596,479 | +23,520 (+3.9%) |
| 営業利益 | 81,000 | 76,229 | +4,770 (+6.3%) |
| 営業利益率 | 13.1% | 12.8% | +0.3P |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 57,000 | 46,624 | +10,375 (+22.3%) |
| 当期純利益率 | 9.2% | 7.8% | +1.4P |
| 1株当たり当期純利益(円) | 271.70 | 204.91 | +66.79 (+32.6%) |
| ROE | 17.5% | 14.0% | +3.5P |

株主還元
2026年3月期は計画を上回る事業成長に伴い、期末配当を計画比+4円増配し、1株当たり年間配当金は80円(14期連続増配)となった。2027年3月期の1株当たり年間配当金は前期比+10円の90円を計画。2026年3月10日の決議に基づき総額500億円の自己株式取得を実施しており、2026年3月期に139億円を取得済み、2027年3月期に残額361億円を取得予定。株主還元は総還元性向50%(目安)を基本方針としている。
| 項目 | 2027年3月期(計画) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金(円) | 90(前期比+10円) | 80(計画比+4円) |
| 配当性向(補正後) | 35.0% | 35.3% |
| 総還元性向(補正後) | 50.0% | 49.0% |
| 自己株式取得(総額500億円のうち) | 残額361億円取得予定 | 139億円取得済み |

中期経営計画(2024-2026)の進捗状況
中期経営計画2年目となる2026年3月期は、オファリングサービスおよび広域ITソリューションで決済分野の先行投資強化や公共領域での低採算・不採算案件発生による収益性悪化があったものの、他セグメントの伸長により、全体では期中に上方修正した売上高・営業利益の公表値を達成し、前年比増収・増益となった。人材戦略では、報酬投資を強める中でもPH(人的資本)営業利益が3.5百万円となり、2027年3月期の中期経営計画目標を1年前倒しで達成。働きがい満足度も59%となり、2027年3月期目標の58%を前倒しで達成した。市場戦略・知財戦略・人材戦略は「〇」評価、サービス戦略・テクノロジー戦略は「△」評価とし、AI適用範囲の拡大やビジネスの高付加価値化について早期の成果創出が必要としている。

※本記事はTISが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。