※本記事は日本コークス工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本コークス工業は2026年5月27日、2026年3月期決算説明資料を公表した。連結売上高は913億8千6百万円(前期比76億5千9百万円減、7.7%減)で、コークス事業の販売数量は新鋭2A炉の稼働により前期比10万トン増加したものの、市況等の影響により減収となった。連結営業損益は6億7百万円の営業利益(前期は85億6千2百万円の営業損失)と大幅に改善し、経常損益は2億7千6百万円の経常損失(前期は102億6千9百万円の経常損失)に縮小した。一方、コークス生産体制最適化等に係る減損損失等の特別損失70億5千7百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は76億7千8百万円となった。
連結業績(当期 実績)
連結業績概要(単位:億円)によると、売上高は前期の990億円から913億円へ▲77億円(▲7.7%)の減収。営業損益は前期の▲86億円から6億円(売上高利益率0.65%)へ黒字転換し、経常損益も▲103億円から▲3億円へ損失が縮小した。当期純損益は▲139億円から▲77億円となった。
| 項目 | 25/3月期(前期) | 26/3月期(当期) | 前期比増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 990 | 913 | ▲77(▲7.7%) |
| 営業損益 | ▲86 | 6 | +92 |
| 経常損益 | ▲103 | ▲3 | +100 |
| 当期純損益 | ▲139 | ▲77 | +62 |
セグメント別業績概要
コークス事業は新鋭2A炉の生産能力向上効果により販売数量が前期比10万トン増の97万2千トンとなったが、売上高は市況等の影響で前期比26億円減の561億円。営業損益は修繕費等の固定費削減および増産効果により▲123億円から▲23億円へ損失が大きく縮小した。燃料・資源リサイクル事業は顧客の燃料転換トレンドの継続により販売数量が前期比4万5千トン減少し、売上高は前期比39億円減の233億円、営業利益は前期比1億円減の26億円。総合エンジニアリング事業は前期の大口機器納入案件の終了により売上高が前期比14億円減の79億円、営業利益は前期比6億円減の14億円となったが、抹茶製造向け新商品「ティーマイスターミル」の投入などニッチ分野の事業展開により一定水準の収益を確保した。その他(港湾運送事業・不動産事業他)は売上高が前期比2億円増の40億円、営業利益は前期並みの6億円。
| セグメント | 指標 | 25/3月期 | 26/3月期 | 前期比増減 |
|---|---|---|---|---|
| コークス事業 | 売上高 | 587 | 561 | ▲26 |
| コークス事業 | 営業損益 | ▲123 | ▲23 | +100 |
| 燃料・資源リサイクル事業 | 売上高 | 272 | 233 | ▲39 |
| 燃料・資源リサイクル事業 | 営業利益 | 27 | 26 | ▲1 |
| 総合エンジニアリング事業 | 売上高 | 93 | 79 | ▲14 |
| 総合エンジニアリング事業 | 営業利益 | 20 | 14 | ▲6 |
| その他 | 売上高 | 38 | 40 | +2 |
| その他 | 営業利益 | 6 | 6 | ±0 |


通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、健全2炉団体制への移行完了によるコークス事業の生産安定化や各事業の収益拡大施策を推進し、売上高1,016億円(前期比103億円増、11.8%増)を予想。コークス事業の固定費削減効果の本格発現による黒字転換を主因に、営業損益は36億円の営業利益(前期比30億円増)を見込む。経常損益は20億円の経常利益、親会社株主に帰属する当期純損益は5億円の純利益を予想し、損益構造の大幅な改善を見込んでいる。
| 項目 | 26/3月期(実績) | 27/3月期(予想) | 前期比増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 913 | 1,016 | +103 |
| 営業損益 | 6 | 36 | +30 |
| 経常損益 | ▲3 | 20 | +23 |
| 当期純損益 | ▲77 | 5 | +82 |

セグメント別業績予想
コークス事業は2炉団への集約による固定費効率化や生産性向上投資による増産・変動費削減、販売先の多様化・拡大を推進し、売上高635億円、営業損益10億円(前期比33億円改善)の黒字転換を見込む。燃料・資源リサイクル事業は一般炭の販売数量減少見込みにより、私有する港湾設備等のインフラを活用しつつも、営業損益は前期比4億円減の22億円を予想。総合エンジニアリング事業は抹茶関連機器の受注好調を主因に堅調な推移を見込み、営業損益は前期比2億円増の16億円を予想している。
| セグメント | 指標 | 26/3月期(実績) | 27/3月期(予想) | 前期比増減 |
|---|---|---|---|---|
| コークス事業 | 売上高 | 561 | 635 | +74 |
| コークス事業 | 営業損益 | ▲23 | 10 | +33 |
| 燃料・資源リサイクル事業 | 売上高 | 233 | 243 | +10 |
| 燃料・資源リサイクル事業 | 営業損益 | 26 | 22 | ▲4 |
| 総合エンジニアリング事業 | 売上高 | 79 | 97 | +18 |
| 総合エンジニアリング事業 | 営業損益 | 14 | 16 | +2 |
| その他 | 売上高 | 40 | 40 | ±0 |
| その他 | 営業損益 | 6 | 5 | ▲1 |
| 全社共通費用 | 営業損益 | ▲17 | ▲16 | +1 |

株主還元
本資料に株主還元方針についての明示的な記載はない。連結キャッシュ・フロー計算書によれば、財務活動によるキャッシュ・フローの内訳として配当金の支払額は前期9億円から当期は0億円となっている。
コークス生産体制の最適化とトピック
コークス事業では2炉団化に伴う不稼働設備の減損・除却を実施し、総資産は前期比41億円減少、自己資本比率は27.5%(前期比4.3%減)、D/Eレシオは1.93倍となった。総合エンジニアリング事業では抹茶製造向け新商品「ティーマイスターミル」を投入するなど、ニッチ分野における事業展開を進めている。2027年3月期に向けては、グループ会社(有明機電工業)との連携強化による内製化推進も掲げている。
※本記事は日本コークス工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。