※本記事は日東紡績が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日東紡グループの2026年3月期(FY2025)連結決算は、電子材料事業におけるスペシャルガラスの旺盛な需要を背景に販売が好調に推移し、前期比で増収・増益となった。当期純利益は第3四半期に計上した固定資産の売却に伴う特別利益により大幅に増加した。続くFY2026(2027年3月期)の通期見通しも、スペシャルガラスの積極的な能力増強により売上高・営業利益ともに前期比で増加を見込む。また、中期経営計画(2024-2027年度)の業績目標を2025年度に前倒しで達成したとして、2027年度目標を上方修正した。
連結業績(FY2025 実績)
通期の売上高は1,182億円(前期比+92億円、+8.4%)、営業利益は208億円(同+44億円、+26.6%、ROS17.6%)となった。経常利益は215億円(同+40億円、+22.6%)、EBITDAは301億円(同+57億円、+23.5%)。当期純利益は418億円(同+289億円、+225.4%)と大幅に増加したが、これは第3四半期に計上した固定資産の売却に伴う特別利益によるもの。
| 項目 | FY2025(当期) | FY2024(前期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,182億円 | 1,090億円 | +92億円(+8.4%) |
| 営業利益 | 208億円 | 164億円 | +44億円(+26.6%) |
| 経常利益 | 215億円 | 176億円 | +40億円(+22.6%) |
| 当期純利益 | 418億円 | 128億円 | +289億円(+225.4%) |
| EBITDA | 301億円 | 244億円 | +57億円(+23.5%) |
セグメント別事業概況
電子材料はAIサーバー向けの旺盛な需要の継続によりスペシャルガラスの販売が好調に推移し、収益に大きく貢献した(売上高614億円、営業利益194億円)。メディカルは中国における国産品優遇の影響はあるものの、体外診断用医薬品等の販売は堅調に推移し、基盤強化も継続した(売上高139億円、営業利益24億円)。複合材は販売が前年並みで、前年にあった生産設備の定期修繕に伴うコストアップの影響がなくなった(売上高134億円、営業利益▲1億円)。資材・ケミカルは値上げの寄与もあり販売は前年を上回ったが、原材料を中心とするコストアップの影響を受けた(売上高95億円、営業利益6億円)。断熱材は住宅向け販売が引き続き低調に推移し、加えて生産設備の定期修繕に伴うコストアップの影響を受けた(売上高151億円、営業利益2億円)。
| セグメント | 指標 | FY2025(当期) | FY2024(前期) |
|---|---|---|---|
| 電子材料 | 売上高(内部売上高込) | 614億円 | 521億円 |
| 電子材料 | 営業利益 | 194億円 | 139億円 |
| メディカル | 売上高 | 139億円 | 136億円 |
| メディカル | 営業利益 | 24億円 | 24億円 |
| 複合材 | 売上高 | 134億円 | 135億円 |
| 複合材 | 営業利益 | ▲1億円 | ▲9億円 |
| 資材・ケミカル | 売上高 | 95億円 | 94億円 |
| 資材・ケミカル | 営業利益 | 6億円 | 8億円 |
| 断熱材 | 売上高 | 151億円 | 153億円 |
| 断熱材 | 営業利益 | 2億円 | 7億円 |

通期業績予想(FY2026)
事業環境について、中東情勢の緊迫化に伴う資源価格や物流コストの上昇、資材調達リスクなど先行きは不透明としつつも、AI関連の活発な投資が継続し、スペシャルガラスの旺盛な需要が見込まれるとしている。積極的なスペシャルガラスの能力増強により、売上高は1,370億円(前期比+188億円、+15.9%)、営業利益は260億円(同+52億円、+24.9%、ROS19.0%)を見込む。経常利益は260億円(同+45億円、+20.7%)、EBITDAは376億円(同+75億円、+24.8%)を見込む。一方、当期純利益はFY2025に計上した固定資産売却に伴う特別利益の反動により170億円(同▲248億円、▲59.3%)を見込む。生産能力増強に伴う人件費・償却費の増加や、中東情勢の影響による電燃費の上昇等のリスクも織り込んでいるとしている。
| 項目 | FY2026(予想) | FY2025(前期実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,370億円 | 1,182億円 |
| 営業利益 | 260億円 | 208億円 |
| 経常利益 | 260億円 | 215億円 |
| 当期純利益 | 170億円 | 418億円 |
| EBITDA | 376億円 | 301億円 |

株主還元
1株当たりの配当金は55円を下限に、定常収益に対する連結配当性向30%を基本方針としている。FY2025の期末配当金は1株当たり99.5円(通期127.0円)で、年間配当金は固定資産売却に伴う特別利益による影響を除外した定常収益を基に算出しているとしている。FY2026の年間配当金は1株当たり140.0円(予定)としている。
| 項目 | FY2025(実績) | FY2026(予定) |
|---|---|---|
| 期末配当金(1株当たり) | 99.5円 | 開示なし |
| 年間配当金(1株当たり) | 127.0円 | 140.0円 |

中期経営計画(2024-2027年度)の修正
中期経営計画について、業績目標を2025年度に前倒しで達成したとして、2027年度の目標値を修正した。売上高は当初目標の1,350億円から1,550億円へ、営業利益は当初目標の200億円から360億円へ、EBITDAは当初目標の320億円から510億円へ、それぞれ上方修正した。ROEは8%以上、ROICはWACCを上回る水準を据え置いた。設備投資(4年累計)は当初目標の約800億円から約1,200億円へ、研究開発費(4年累計)は当初目標の約150億円から約160億円へ、それぞれ引き上げた。ネットD/Eレシオ0.4倍以下、自己資本比率55%以上、株主還元方針(1株あたり配当金55円を下限とし、定常収益に対する連結配当性向30%を基本方針とする)は据え置いている。

※本記事は日東紡績が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。