※本記事は倉敷紡績が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
倉敷紡績は2026年3月期の決算を発表した。売上高は「化成品事業」及び「繊維事業」の落ち込みにより前期比4.6%減収となり、営業利益は同11.0%減、経常利益は同6.1%減となったが、特別利益に政策保有株式の売却益等を計上したことで親会社株主に帰属する当期純利益は前期比42.8%増の128億円となり、過去最高を更新した。年間配当は前期比127円増配、直近の配当予想比25円増配となる1株あたり307円とした。2027年3月期は主力の「高機能樹脂製品」の回復を牽引役に大幅な増収増益を計画しており、各段階利益は2期ぶりに最高益を更新する見通しである。
業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の売上高は1,437億円(前期比4.6%減)、営業利益は91億円(同11.0%減)、経常利益は110億円(同6.1%減)となった。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は128億円(同42.8%増)となり、政策保有株式の売却益等を特別利益に計上したことで過去最高を更新した。各段階利益は中期経営計画の初年度目標を上回って推移し、順調な滑り出しとなった。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 143,758 | 150,660 | △4.6%(△6,901) |
| 売上総利益 | 30,876 | 31,658 | △2.5%(△782) |
| 販管費 | 21,694 | 21,346 | +1.6%(+347) |
| 営業利益 | 9,182 | 10,311 | △11.0%(△1,129) |
| 経常利益 | 11,071 | 11,784 | △6.1%(△712) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12,876 | 9,014 | +42.8%(+3,861) |

セグメント別の状況
セグメント別に見ると、化成品事業は半導体製造関連市場の調整局面を受けて主力の「高機能樹脂製品」が減速し、減収減益となった。繊維事業は「カジュアル」の受注減や安城工場の閉鎖関連費用(異常操業費用)の発生により減収となり、営業損失を計上した。一方、環境メカトロニクス事業は半導体製造関連市場向けの液体成分濃度計やウェハー・フィルター洗浄装置などが牽引し増収増益となり、営業利益は過去最高益となった。食品・サービス事業、不動産事業もそれぞれ増収増益で推移した。
| セグメント | 指標(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 化成品事業 | 売上高 | 62,654 | 66,002 |
| 化成品事業 | 営業利益 | 4,154 | 5,030 |
| 繊維事業 | 売上高 | 43,276 | 48,532 |
| 繊維事業 | 営業利益 | △897 | 75 |
| 環境メカトロニクス事業 | 売上高 | 22,716 | 21,943 |
| 環境メカトロニクス事業 | 営業利益 | 3,867 | 3,341 |
| 食品・サービス事業 | 売上高 | 11,145 | 10,458 |
| 食品・サービス事業 | 営業利益 | 885 | 724 |
| 不動産事業 | 売上高 | 3,965 | 3,723 |
| 不動産事業 | 営業利益 | 2,299 | 2,243 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、主力の「高機能樹脂製品」が市況回復により大幅な増収増益となる見通しで、売上高は1,540億円(前期比7.1%増)、営業利益は112億円(同22.0%増)、経常利益は125億円(同12.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は130億円(同1.0%増)を計画する。各段階利益は2期ぶりに最高益を更新する見通しである。化成品事業は「高機能樹脂製品」の大幅な増収増益を見込み、繊維事業は前期発生の工場閉鎖関連費用がなくなることや構造改革の効果により黒字化する見通し。環境メカトロニクス事業は「ライフサイエンス・テクノロジー」が回復するものの、高採算案件の減少により減益を見込む。食品・サービス事業及び不動産事業は引き続き堅調に推移する見通し。
| 項目(百万円) | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|
| 売上高 | 154,000 | 143,758 |
| 営業利益 | 11,200 | 9,182 |
| 経常利益 | 12,500 | 11,071 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13,000 | 12,876 |
| セグメント | 指標(百万円) | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) |
|---|---|---|---|
| 化成品事業 | 売上高 | 68,000 | 62,654 |
| 化成品事業 | 営業利益 | 5,500 | 4,154 |
| 繊維事業 | 売上高 | 45,600 | 43,276 |
| 繊維事業 | 営業利益 | 400 | △897 |
| 環境メカトロニクス事業 | 売上高 | 25,000 | 22,716 |
| 環境メカトロニクス事業 | 営業利益 | 3,400 | 3,867 |
| 食品・サービス事業 | 売上高 | 11,500 | 11,145 |
| 食品・サービス事業 | 営業利益 | 900 | 885 |
| 不動産事業 | 売上高 | 3,900 | 3,965 |
| 不動産事業 | 営業利益 | 2,200 | 2,299 |

株主還元
配当政策として株主資本配当率(DOE)4%を掲げ、自己株式取得は中期3か年計画で200億円を予定する。2026年3月期の年間配当は1株あたり307円とし、前期比127円増配、直近の配当予想(2025年11月時点)比でも25円増配となった(中間配当141円、期末配当166円)。2027年3月期の年間配当は、株式分割前ベースで1株あたり331円を予定し、4期連続の増配を見込む(中間配当(分割前)166円、期末配当(分割後)33円)。同社は2026年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行う予定である。自己株式取得については、2025年11月11日付けの決議で取得株式総数の上限を1,000千株、取得株式総額の上限を70億円とし、取得期間を2025年11月12日から2026年9月30日までとした。2026年3月31日時点の約定ベースの取得状況は、取得株式数535千株、取得総額42億円であった。

中期経営計画「Accelerate’27」
中期経営計画「Accelerate’27」は、高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上を基本方針とし、最終年度(2028年3月期)の数値目標として売上高1,650億円、営業利益130億円を掲げる。2028年3月期計画では、経常利益130億円、親会社株主に帰属する当期純利益110億円、売上高営業利益率7.9%、ROE10.0%、ROIC7.9%を見込む。2026年3月期はキャッシュ・アロケーションの初年度進捗として、営業キャッシュ・フロー及び非営業資産の売却等により獲得した資金をもとに、注力事業への投資29億円、株主還元60億円を実施し、借入金返済ほかにより53億円が減少した。資本収益性については、2026年3月末時点でROEが10.2%、ROICが4.6%となり、ROEは目標の10%以上を達成した一方、ROICは目標の8%以上に対して未達となっている。
※本記事は倉敷紡績が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。