※本記事は日清紡ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日清紡ホールディングスの2025年12月期(通期)決算は、売上高502,339百万円(前期比+1.5%)、営業利益26,401百万円(同+59.2%)、経常利益29,327百万円(同+20.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益13,920百万円(同+35.4%)となった。売上高は無線・通信事業の増収等により増収、営業利益・経常利益・当期純利益は無線・通信事業の大幅増益等により増益した。2026年12月期は増収を見込む一方、不動産の分譲規模縮小等により営業利益は減益を見込む。
連結業績(当期 実績)
売上高は、無線・通信事業が増収となったこと等により増収。営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、無線・通信事業が大幅増益となったこと等により増益した(単位:百万円)。
| 項目 | 25/12期(当期) | 24/12期(前期) | 前期比 | 25/12期期初予想 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 502,339 | 494,746 | +7,593(+1.5%) | 506,000 |
| 営業利益 | 26,401 | 16,581 | +9,820(+59.2%) | 19,700 |
| 経常利益 | 29,327 | 24,403 | +4,924(+20.2%) | 21,600 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13,920 | 10,277 | +3,642(+35.4%) | 18,300 |
セグメント別の状況
無線・通信事業では、ソリューション・特機が更新需要による自治体向け防災システムの受注増や防衛省向け装置・メンテナンス用機材の受注増等により増収・増益、マリンシステムは商船新造船用機器やアフターマーケット向け受注が好調に推移し増収・増益となった一方、モビリティ他はレピータの受注減や海外向け業務用無線の不振により減収・損益悪化した。マイクロデバイス事業は、産機製品が国内OA機器用製品の受注増等で増収したものの、民生品・車載製品の低調やマイクロ波事業の減収により全体では減収だが損益は改善した。マテリアル事業では、ブレーキが日・米で増収増益(韓国は減収・損失縮小)、精密機器は成形品の車載・医療関連製品で増収増益となった一方、化学品は燃料電池用カーボンセパレータの水素市場停滞により減収・損益悪化、繊維はシャツ事業の受注減等により減収・減益、不動産は分譲案件の縮小により減収・減益となった(単位:百万円)。
| セグメント | サブセグメント | 25/12期売上高 | 25/12期営業利益 | 前期比(売上高) | 前期比(営業利益) |
|---|---|---|---|---|---|
| 無線・通信 | (日本無線) | 76,272 | 6,535 | +12,458 | +6,302 |
| 無線・通信 | (国際電気) | 78,149 | 6,934 | +7,088 | +3,192 |
| 無線・通信 | ソリューション・特機 計 | 154,421 | 13,469 | +19,546 | +9,494 |
| 無線・通信 | マリンシステム | 56,027 | 6,018 | +4,614 | +1,481 |
| 無線・通信 | モビリティ他 | 44,430 | -1,676 | -7,169 | -814 |
| 無線・通信 | 合計 | 251,837 | 17,668 | +17,322 | +10,091 |
| マイクロデバイス | – | 62,400 | -5,505 | -1,825 | +1,588 |
| マテリアル | ブレーキ | 57,795 | 3,385 | -392 | +1,052 |
| マテリアル | 精密機器 | 55,442 | 2,976 | +1,280 | +1,334 |
| マテリアル | 化学品 | 9,736 | -56 | -1,304 | -711 |
| マテリアル | 繊維 | 33,345 | 98 | -3,497 | -95 |
| マテリアル | 不動産 | 17,939 | 12,667 | -5,600 | -5,027 |
| 連結合計 | – | 502,339 | 26,401 | +7,593 | +9,820 |

通期業績予想
2026年12月期は、無線・通信、マイクロデバイスの受注増等により増収を見込む。営業利益は、不動産の分譲規模縮小等により減益を見込む。特別損失としてマイクロデバイス事業の構造改革費用等で約60億円を見込む。前提為替レートは1ドル145円(前期149.78円)で、1円の円安は営業利益に2.0億円のプラス影響があるとしている。無線・通信事業は官公需分野の安定した需要を背景に増収を見込む一方、将来の成長に向けた研究開発投資等により減益を見込む。マイクロデバイス事業は市況回復や構造改革による固定費削減で損益改善を見込む。マテリアル事業は、ブレーキが前期の価格転嫁の反動で減益、精密機器は家電分野のシェア低下等で減収減益、化学品は機能化学品事業の新規案件等により黒字化、繊維はシャツ事業の売上増により増収増益、不動産は分譲案件の規模縮小により減収減益を見込む(単位:百万円)。
| 項目 | 26/12期予想 | 25/12期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 511,000 | 502,339 | +8,661(+1.7%) |
| 営業利益 | 21,000 | 26,401 | -5,401(-20.5%) |
| 経常利益 | 21,500 | 29,327 | -7,827(-26.7%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10,000 | 13,920 | -3,920(-28.2%) |

株主還元
中期経営計画2026のキャッシュフローアロケーション・財務戦略として、構造改革にキャッシュを重点的に投下し、完了後は成長投資に振り向ける方針。配当については年間36円を下限とし、配当性向40%を維持するとしている。
中期経営計画2026の進捗
2025年度は中期経営計画2026の2年目にあたる。事業ポートフォリオ変革の追求として、無線・通信事業で早期退職優遇制度を含む構造改革に着手した(マイクロデバイス事業は2026年度に構造改革を実行予定)。将来の成長に向けたビジネスモデル構築として、2030年度に無線・通信事業で売上高3,000億円、営業利益300億円を目指す戦略を検討しており、無線・通信領域での新規事業創出を加速するためFI(フューチャーイノベーション)本部を新設した。セグメント別の営業利益ターゲット(単位:億円)は以下の通りで、2026年度計画では無線・通信事業の利益が増加し、不動産利益は減少する見込み。
| セグメント | 2024年度(実績) | 2025年度(実績) | 2026年度(計画) |
|---|---|---|---|
| 無線・通信 | 75 | 176 | 171 |
| マイクロデバイス | ▲70 | ▲55 | ▲5 |
| マテリアル | 48 | 64 | 49 |
| 不動産 | 176 | 126 | 64 |
| その他・全社費用等 | ▲64 | ▲48 | ▲69 |
| 合計 | 165 | 264 | 210 |
| (不動産・その他除き) | 53 | 185 | 215 |

無線・通信事業の設計図では、新・One JRCへの会社組織再編(STEP1:2025年7月〜、STEP2:2026年1月〜)や、早期退職優遇制度導入による固定費削減(〜2025年11月)を実施。日本無線(JRC)と国際電気(KDE)が両輪となり『無線通信トータルエンジニアリングカンパニー』を目指し、Organic Growthで2030年に売上高3,000億円、営業利益300億円を目指すとしている。

※本記事は日清紡ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。