※本記事は新日本科学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
新日本科学は2026年3月期通期決算を発表した。連結売上高は325.2億円(前期比0.3%増)で4期連続の過去最高を更新したが、非臨床CRO事業の複数の大型試験完了が次年度へずれ込んだ影響により増収幅は1.1億円にとどまった。営業利益は非臨床事業への戦略的投資継続とSatsuma社の経鼻片頭痛薬「Atzumi」事業化準備費用の増加により26.5億円(前期比11.1%減)の減益となった。経常利益は58.3億円(同9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は45.6億円(同7.3%減)だった。
連結業績(2026年3月期 実績)
減益の主な要因は、人員体制強化に伴う労務費の増加、実験機器・設備およびNHP国内繁殖体制確立等への戦略的投資に伴う減価償却費の増加、為替円高、前中間期の受注減少に伴う新規試験開始の低調、主要顧客からの受注形態変更の影響である。一方、アジア営業代理店手数料や貸倒引当金、飼育管理費の減少が増益要因となった。なお、2026年2月6日開示の修正予想(売上306.9億円、営業利益26.0億円)は売上・利益ともに上回って着地した。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 325.2億円 | 324.1億円 | +1.1億円(+0.3%) |
| 営業利益 | 26.5億円 | 29.8億円 | -3.3億円(-11.1%) |
| 経常利益 | 58.3億円 | 64.5億円 | -6.2億円(-9.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 45.6億円 | 49.2億円 | -3.6億円(-7.3%) |
セグメント別の状況
CRO事業の売上高は31,277百万円(前期比1.0%減)、営業利益は6,908百万円(同4.8%減)となった。持分法利益(新日本科学PPD含む)は2,889百万円(同17.8%減)。TR事業は売上高108百万円にとどまり、営業利益は4,028百万円の損失(前期は3,681百万円の損失)で、うちSatsuma社の損失は2,545百万円(前期は2,284百万円の損失)に拡大した。メディポリス事業は発電事業の回復により営業損失が65百万円(前期比357百万円の改善)に縮小した。米国不動産事業は売上高184百万円、営業損失1百万円だった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| CRO事業 | 売上高 | 31,277百万円 | 31,595百万円 |
| CRO事業 | 営業利益 | 6,908百万円 | 7,258百万円 |
| TR事業 | 売上高 | 108百万円 | 54百万円 |
| TR事業 | 営業利益 | -4,028百万円 | -3,681百万円 |
| メディポリス事業 | 売上高 | 804百万円 | 565百万円 |
| メディポリス事業 | 営業利益 | -65百万円 | -422百万円 |
| 米国不動産事業 | 売上高 | 184百万円 | 46百万円 |
| 米国不動産事業 | 営業利益 | -1百万円 | -61百万円 |
| 合計 | 売上高 | 32,524百万円 | 32,414百万円 |
| 合計 | 営業利益 | 2,653百万円 | 2,985百万円 |

通期業績予想
2027年3月期は売上高・営業利益・経常利益のいずれも前期を上回る見通し。非臨床事業の期初受注残高増加を背景にCRO事業は2ケタの増収増益を予想する一方、Atzumi事業本格稼働に向けた費用増加によりSatsuma社の営業損失が前期より9.8億円拡大する見込みで、親会社株主に帰属する当期純利益は35.0億円(前期比23.4%減)を見込む。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期(実績) | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 380.0億円 | 325.2億円 | +54.8億円 | +16.9% |
| 営業利益 | 30.0億円 | 26.5億円 | +3.5億円 | +13.2% |
| 経常利益 | 60.0億円 | 58.3億円 | +1.7億円 | +2.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 35.0億円 | 45.6億円 | -10.6億円 | -23.4% |

株主還元
1株当たり配当額は2023年3月期以降5期連続で年間50.0円を維持しており、2027年3月期も50.0円を継続する予定。配当性向は2026年3月期の45.6%から、2027年3月期は59.5%に上昇する見込みである。
| 項目 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1株当たり配当額 | 50.0円 | 50.0円 | 50.0円 | 50.0円 | 50.0円 |
| 配当性向 | 34.3% | 37.6% | 42.3% | 45.6% | 59.5% |

非臨床CRO事業の受注動向
非臨床CRO事業の受注高は前年度比11.3%増の357.3億円となり過去最高を更新した。海外受注高比率は45.4%(前期41.7%)に上昇し、受注残高は409.2億円(前期343.9億円)に積み上がった。2027年3月期は欧米受注がけん引し5.8%増の378.0億円を見込む。欧米顧客からの受注取り込み強化に向け、世界最高水準のNHP実験施設「EU実験棟」を2027年完成目標で建設に着手する。

※本記事は新日本科学が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。