※本記事は日本ハムが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本ハムは2026年5月8日、2026年3月期(FY2026/3)第4四半期の決算説明会資料を公表した。通期の売上高は14,574億円(前年比+6.3%)、事業利益は683億円(同+60.7%)となり、売上高・事業利益が過去最高を達成した。食肉事業本部やボールパークの増収増益が全社の成長を牽引したとしている。親会社の所有者に帰属する当期利益は351億円(前年比+31.9%)だった。なお同社はIFRS会計基準を適用しており、事業利益は売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、同社グループが定める為替差損益を加味するとともにIFRS会計基準への調整及び非経常項目を除外して算出した指標である。
連結業績(2026年3月期 通期実績)
売上高は主に豪州産牛肉や国産鶏肉の販売単価上昇が寄与した。事業利益は、国産鶏肉相場の上昇や世界的な豪州産牛肉需要の増加といった外部要因が年間を通じて追い風となったことに加え、内部要因として食肉事業での輸入食肉の在庫コントロールによる適正利益創出、販売部門での適正な価格転嫁と販売数量の維持、ボールパークでのイベント開催・周辺施設開発による体験価値の向上、国内加工事業の下期の販売戦略奏功による増益転換が挙げられている。親会社の所有者に帰属する当期利益には、日本ホワイトファーム㈱知床食品工場の火災影響による65億円の特別損失が影響した。ROEは収益性や資本効率の適正化に向けた取組みなどにより1.5%改善し6.6%となった。
| 項目 | FY2026/3 通期 | FY2025/3 通期 | 前年差 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 14,574億円 | 13,706億円 | 868億円 | 6.3% |
| 事業利益 | 683億円 | 425億円 | 258億円 | 60.7% |
| 事業利益率 | 4.7% | 3.1% | 1.6% | – |
| 税引前当期利益 | 545億円 | 372億円 | 173億円 | 46.6% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 351億円 | 266億円 | 85億円 | 31.9% |
| ROE | 6.6% | 5.1% | 1.5% | – |
| ROIC | 6.1% | 3.9% | 2.2% | – |
| EPS(円) | 361.13 | 263.05 | 98.08 | – |

セグメント別の状況
加工事業本部は売上高5,303億円(前年差△30億円、△0.6%)、事業利益72億円(同△29億円、△28.6%)の減収減益。国内は低収益商品の削減や主力ブランドの回復の遅れにより減収となったが、下期の数量回復によりハム・ソーセージ、加工品は増益となった。一方、上期の販売数量やDX・IT関連コストの影響で国内は減益、海外も北米買収工場の稼働の遅れやタイの製造数量減少により減益となった。食肉事業本部は売上高10,341億円(前年差+773億円、+8.1%)、事業利益613億円(同+273億円、+80.5%)の増収増益。豪州産牛肉の好調な需要による単価上昇と販売数量の拡大、国産鶏の相場上昇に伴う生産部門での利益確保、豪州産牛肉の生産性向上やフィードロット拡充などが寄与した。ボールパーク事業は売上高310億円(前年差+41億円、+15.0%)、事業利益54億円(同+21億円、+61.9%)の増収増益となった。
| セグメント | 売上高(通期) | 前年差/増減率 | 事業利益(通期) | 前年差/増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 加工事業本部 | 5,303億円 | △30億円/△0.6% | 72億円 | △29億円/△28.6% |
| 食肉事業本部 | 10,341億円 | 773億円/8.1% | 613億円 | 273億円/80.5% |
| ボールパーク事業 | 310億円 | 41億円/15.0% | 54億円 | 21億円/61.9% |
| 消去調整他 | △1,381億円 | 85億円/- | △56億円 | △7億円/- |
| 連結計 | 14,574億円 | 868億円/6.3% | 683億円 | 258億円/60.7% |
ボールパーク事業では、プロ野球公式戦における観客動員数が過去最高を記録し、チケット・広告・グッズ・飲食収入が伸長した。北海道ボールパークFビレッジの来場者数(2025年4月~2026年3月)は合計466万人(前期は合計432万人)となり、非試合日や下期のシーズンオフ期間にかけても継続的なイベント等の実施により来場者数が増加した。

2027年3月期 通期計画
2027年3月期(FY2027/3)は売上高15,000億円(前年比+2.9%)、事業利益610億円(同△10.7%)、親会社の所有者に帰属する当期利益380億円(同+8.4%)を計画する。売上高は加工事業におけるトップライン伸長、食肉事業における豪州牛肉及び国内輸入食肉の販売単価上昇を見込む。事業利益では、中東影響で全社約50億円のコスト上昇、食肉事業での豪州牛肉の仕入れ価格高騰、スポーツ・エンターテイメント事業部(SE)での新駅開業に向けたコストや各種経費増加を見込む一方、加工事業ではトップライン伸長に伴う粗利益の拡大を見込む。当期利益は前期の特別損失の影響が解消することから増益を見込む。なお、FY2027/3より「ボールパーク事業」を「スポーツ・エンターテイメント事業部」として組織再編したことにより、FY2026/3全社の実績数値を遡及修正している(計画ページ記載のFY2026/3遡及数値は未監査の内部推計値)。
| 項目 | FY2027/3 通期見込 | FY2026/3 通期実績 | 前年差 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 15,000億円 | 14,574億円 | 426億円 | 2.9% |
| 事業利益 | 610億円 | 683億円 | △73億円 | △10.7% |
| 事業利益率 | 4.1% | 4.7% | △0.6% | – |
| 税引前当期利益 | 550億円 | 545億円 | 5億円 | 0.8% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 380億円 | 351億円 | 29億円 | 8.4% |
| ROE | 7.2% | 6.6% | 0.6% | – |
| ROIC | 5.3% | 6.1% | △0.8% | – |
| EPS(円) | 403.68 | 361.13 | 42.55 | – |
| セグメント | FY2026/3 通期実績(遡及) | FY2027/3 通期計画 | 前年差 |
|---|---|---|---|
| 加工事業本部 | 72億円 | 120億円 | 48億円 |
| 食肉事業本部 | 613億円 | 500億円 | △113億円 |
| スポーツ・エンターテイメント事業部 | 49億円 | 40億円 | △9億円 |
| 消去調整他 | △50億円 | △50億円 | 0億円 |
| 連結計 | 683億円 | 610億円 | △73億円 |

株主還元
本資料には配当方針・配当予想に関する記載はない(開示なし)。なお、連結キャッシュ・フロー計算書の説明では、財務活動によるキャッシュ・フローについて、借入債務による調達682億円等があったが、借入債務の返済753億円、自己株式の取得のための支出300億円等により560億円の純キャッシュ減となったと記載されている。
トピック:スポーツ・エンターテイメント事業部と成長投資
FY2027/3計画では、スポーツ・エンターテイメント事業部は売上高320億円(前年差+5億円、+1.7%)、事業利益40億円(同△9億円、△17.8%)の増収減益を見込む。好調なシーズンシートの販売などにより昨年並みの来場者数を見込むほか、球場内に大規模なLEDラインビジョンを導入し、スタジアム一体となった演出空間の提供によりボールパークの魅力度向上を図る。一方、2028年の新駅開業に伴う収益拡大を見据えたコストや人件費などの各種経費は増加見込みとしている。来場者数は、2028年の新駅開業までに新たな施設の開業などの来場者増加策を実施し、FY2026/3の466万人からFY2029/3に約700万人への増加を見込む。設備投資では、FY2027/3に設備投資合計600億円(60,000百万円)を計画し、維持更新と構造改革による既存事業の再強化を行いつつ、成長分野への戦略的な資金配分を加速するとしている。

※本記事は日本ハムが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。