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エス・エム・エス、2026年3月期は海外減損で最終赤字 2027年3月期は増収と黒字回復を計画

決算サマリー 2026.08.12
エス・エム・エス、2026年3月期は海外減損で最終赤字 2027年3月期は増収と黒字回復を計画

※本記事はエス・エム・エスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

エス・エム・エスは2026年3月期通期決算で、売上高647億円(前期比+6%)、営業利益67億円(同+7%)、EBITDA114億円(同+11%)と増収増益を確保したものの、期初計画には届かなかった。海外事業で229億円の減損損失を計上した結果、当期純利益は△143億円の最終赤字に転じた。2027年3月期は売上高718億円(同+11%)を計画する一方、成長投資を強化する「足場固めの年」と位置づけ、EBITDAは104億円(同△9%)の減益を見込む。配当予想は2026年3月期が1株当たり29.5円で据え置き、2027年3月期は30.5円(同+1.0円)とする方針。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

創業以来22期連続の増収を達成した。一方、キャリア・海外を中心に売上高の回復ペースが遅延したほか、中長期の成長に向けた投資を実施したことにより、売上高・利益ともに期初計画には届かなかった(計画比:売上高△4%、営業利益△7%、経常利益△8%)。海外事業で229億円の減損損失を計上した結果、当期純利益は前期の60億54百万円から△143億17百万円へ赤字転換した。

項目2026年3月期実績2025年3月期実績前期比
売上高(百万円)64,73560,952+6%
EBITDA(百万円)11,40610,273+11%
営業利益(百万円)6,7876,335+7%
経常利益(百万円)8,7218,357+4%
当期純利益(百万円)△14,3176,054

セグメント別の状況

当社は2027年3月期より報告セグメントを「キャリア」「介護・障害福祉経営支援」「海外」の3区分に変更する予定で、今回はその新区分に基づく参考値を開示した。キャリア分野は事業者の強い採用意欲を背景に伸長したが、人材紹介における求職者の入職までのリードタイム長期化、DRにおける勤続支援金廃止の影響等により成長は限定的にとどまった。介護・障害福祉経営支援分野はカイポケの会員数増加(2026年4月1日時点で60,800事業所・27,000法人)やファクタリング等の有料オプション拡大、M&Aマッチング・障害福祉人材紹介の伸長により2桁の増収増益となった。海外分野はメディカルプラットフォーム事業が一部顧客のマーケティング予算縮小の影響を受けたほか、グローバルキャリア事業は中東情勢悪化によるクロスボーダーでの医療従事者渡航への影響等により減収となった。

セグメント指標2026年3月期実績2025年3月期実績
キャリア売上高(百万円)38,27936,214
キャリアEBITDA(百万円)7,8157,104
キャリアEBITDAマージン20.4%19.6%
介護・障害福祉経営支援売上高(百万円)13,47111,868
介護・障害福祉経営支援EBITDA(百万円)6,0915,188
介護・障害福祉経営支援EBITDAマージン45.2%43.7%
海外売上高(百万円)8,8519,385
海外EBITDA(百万円)1,3361,653
海外EBITDAマージン15.1%17.6%

海外事業における減損損失

海外事業については、直近の業績動向や事業環境等を踏まえた保守的な前提での減損テストの結果、229億円(買収時との為替差による影響約54億円を含む)の減損損失を計上した。内訳は商標権130億41百万円、のれん86億49百万円、ソフトウエア6億77百万円、顧客関係資産5億89百万円。背景として、大手製薬企業における主力薬の特許切れ等によるマーケティング支援受注環境の低迷、グローバルキャリアにおける中東情勢悪化を受けた将来計画の一部見直しを挙げている。当該減損損失の計上により、2027年3月期以降は無形固定資産にかかる償却費が年間約15億円減少する見込み。減損損失はキャッシュアウトを伴わないため、2026年3月期の配当予想(1株当たり29.5円)に変更はない。海外事業については、他社との提携や外部資本の活用等も含めたあらゆる選択肢を検討しながら、抜本的な事業見直しを実行中としている。

海外事業における減損損失の計上
出典:エス・エム・エス 2026年3月期 決算及び会社説明資料 P.10

通期業績予想(2027年3月期)

2027年3月期は、中長期の飛躍に向けた「足場固めの年」と位置づけ、将来の収益基盤構築のための投資を実行する計画。CPの通年での積極採用、DRにおける営業・カスタマーサクセス機能の強化や認知施策、かべなしクラウドの営業体制強化など、成長投資として20億円程度を投下する予定で、EBITDAは2026年3月期を下回る計画とした。当期純利益は前期の減損計上の反動により61億65百万円の黒字回復を計画している。

項目2027年3月期計画2026年3月期実績前期比
売上高(百万円)71,83464,735+11%
EBITDA(百万円)10,43111,406△9%
営業利益(百万円)6,8016,787+0%
経常利益(百万円)8,7318,721+0%
当期純利益(百万円)6,165△14,317

セグメント別の2027年3月期計画は、キャリアが売上高419億14百万円(前期比+10%)・EBITDA75億56百万円(同△3%)、介護・障害福祉経営支援が売上高151億90百万円(同+13%)・EBITDA64億20百万円(同+5%)、海外が売上高97億86百万円(同+11%)・EBITDA12億71百万円(同△5%)とした。

セグメント指標2027年3月期計画2026年3月期実績前期比
キャリア売上高(百万円)41,91438,279+10%
キャリアEBITDA(百万円)7,5567,815△3%
介護・障害福祉経営支援売上高(百万円)15,19013,471+13%
介護・障害福祉経営支援EBITDA(百万円)6,4206,091+5%
海外売上高(百万円)9,7868,851+11%
海外EBITDA(百万円)1,2711,336△5%
2027年3月期 計画
出典:エス・エム・エス 2026年3月期 決算及び会社説明資料 P.40
新セグメント区分に基づく過年度業績推移(参考)
出典:エス・エム・エス 2026年3月期 決算及び会社説明資料 P.42

株主還元

配当方針は、成長投資を優先したうえで財務状況を勘案し、連結配当性向30%を目安とした累進配当を基本とする(M&A等大型投資機会時はこの限りではない)。2026年3月期の配当予想は1株当たり29.5円(2025年3月期比+1.0円増配)で、減損損失の計上後も変更はない。2027年3月期の配当予想は1株当たり30.5円(2026年3月期比+1.0円増配)とし、予想1株当たり当期純利益に対する連結配当性向は40.6%となる見込み。財務状況や株価水準に応じて自己株式取得も機動的に検討する方針。

配当予想の推移
出典:エス・エム・エス 2026年3月期 決算及び会社説明資料 P.48

企業価値最大化に向けたロードマップ

当社は2026年1月の社長交代を機に「第三創業期」と位置づけ、企業価値最大化に向けた成長ロードマップを策定した。2031年3月期に売上高1,220億円以上(5年CAGR14%)、EBITDA280億円以上(同20%)、可能な限り早期にROE30%以上の達成を目指す。M&Aやソフトウエア投資の拡大期における事業収益性を適正に評価する目的で、利益指標をEBITDAに変更した。あわせて企業価値向上委員会を設置してガバナンス体制を強化するとともに、本ロードマップをアップデートする詳細な中期経営計画を、遅くとも2027年3月期決算発表(2027年4月末頃)までに公表する予定としている。

※本記事はエス・エム・エスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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