※本記事は中外炉工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
中外炉工業の2026年3月期連結決算は、売上高37,332百万円(前期比3.0%増)、営業利益2,879百万円(同5.3%増)、経常利益3,110百万円(同3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,668百万円(同55.7%増)と増収増益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の一部売却に伴う売却益等により増加した。次期(2027年3月期)は売上高40,300百万円、営業利益3,620百万円を見込む。
連結業績(2026年3月期 実績)
同社グループは中期経営計画の重点施策である「カーボンニュートラルへの貢献」を中心に事業活動を推進し、水素・アンモニア等の次世代燃料の活用や熱処理プロセスの電化・省エネ化に関する研究開発・設備提案を進めた。売上面では、次世代太陽電池製造装置、電極材料・固体電解質熱処理装置、国内鉄鋼向け加熱炉省エネ改造工事、脱臭炉、海外向けステンレス製造設備、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/製造分野における熱プロセスの脱炭素化」案件などの工事が順調に進捗し、売上高は37,332百万円となった。
利益面では、人件費や原材料価格の上昇分の適正な価格転嫁や調達コストの削減に取り組み、営業利益は2,879百万円、経常利益は3,110百万円となった。また、政策保有株式の純資産に対する保有比率を2026年3月末時点で「20%未満」とする目標を掲げており、その一環で保有株式の一部を売却したことに伴う売却益等により、親会社株主に帰属する当期純利益は4,668百万円となった。同社は2026年3月末時点でこの目標を達成したとしている。1株当たり当期純利益は643.70円、自己資本当期純利益率は15.7%であった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 37,332百万円 | 36,247百万円 | 3.0%増 |
| 営業利益 | 2,879百万円 | 2,735百万円 | 5.3%増 |
| 経常利益 | 3,110百万円 | 3,003百万円 | 3.6%増 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,668百万円 | 2,998百万円 | 55.7%増 |
セグメント別の状況
熱処理事業では、国内向け次世代電池関連熱処理装置や住宅設備部材焼成炉、電子部品焼結炉などを受注し、国内向け次世代太陽電池製造装置や電極材料熱処理炉、非鉄向け熱処理炉、固体電解質熱処理装置、蓄熱式排ガス処理装置などの工事が進捗した。プラント事業では、国内鉄鋼向け連続焼鈍ライン改造工事や電気炉用取鍋予熱装置などを受注し、電気炉用排ガス処理設備や海外向け脱炭素型大型ステンレス光輝焼鈍設備などの工事が進捗して売上高が増加した。開発事業では、鉄鋼向け電気炉ダストリサイクル設備などの成約により受注高が増加した一方、セグメント損益は営業損失となった。その他では、中国向けモータコア焼鈍炉や焼鈍・焼準炉、連続浸炭炉などを納入した。
財政状態とキャッシュ・フロー
資産合計は現金及び預金の増加などにより前期末比2,546百万円増加の51,282百万円、純資産合計は利益剰余金の増加などにより同2,872百万円増加の31,481百万円となり、自己資本比率は60.8%(前期末58.1%)となった。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが6,259百万円の収入、投資有価証券の売却などにより投資活動によるキャッシュ・フローが2,684百万円の収入、配当金の支払や長期借入金の返済などにより財務活動によるキャッシュ・フローが2,569百万円の支出となり、現金及び現金同等物の期末残高は10,777百万円となった。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 総資産 | 51,282百万円 | 48,736百万円 |
| 純資産 | 31,481百万円 | 28,609百万円 |
| 自己資本比率 | 60.8% | 58.1% |
| 1株当たり純資産 | 4,311.16円 | 3,858.93円 |
通期業績予想
次期(2027年3月期)の連結業績予想は、売上高40,300百万円(前期比7.9%増)、営業利益3,620百万円(同25.7%増)、経常利益3,720百万円(同19.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,516百万円(同46.1%減)としている。同社は中期経営計画「Chugai Ro Break Through(CBT)2022-2026」のもと、カーボンニュートラルを中心とした新市場の創出、既存商品のブラッシュアップによる拡販と利益向上、働きがいのある職場作りの3つの重要戦略を推進するとしており、新研究所「熱技術創造センター」を活用した研究開発部門への設備・人材投資や、設計・調達支援システムとAIの活用による業務効率化を具体的施策に挙げている。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 増減率 |
|---|---|---|
| 売上高 | 40,300百万円 | 7.9%増 |
| 営業利益 | 3,620百万円 | 25.7%増 |
| 経常利益 | 3,720百万円 | 19.6%増 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,516百万円 | 46.1%減 |
| 1株当たり当期純利益 | 361.31円 | - |
株主還元
同社は安定した配当の継続を基本方針とし、自己株式の取得も含めた総還元性向50%以上、配当性向は税引後営業利益(NOPAT)の60%を目指すことを掲げている。配当は期末配当のみの年1回である。2026年3月期は自己株式を取得するとともに、期末配当を1株当たり166円(前期150円、配当性向25.8%)とする議案を定時株主総会に付議する予定としている。次期(2027年3月期)の配当は1株当たり180円(同49.8%)を予定している。
| 項目 | 2026年3月期(実績) | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり年間配当金 | 166円 | 180円 |
| 配当性向 | 25.8% | 49.8% |
本記事は中外炉工業が公表した2026年3月期決算短信をもとに作成しています。決算短信は監査法人の監査対象外です。
※本記事は中外炉工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。