三機工業

三機工業、2026年3月期は増収増益で各利益が過去最高 配当は195円に30円増配

決算サマリー 2026.08.22
三機工業、2026年3月期は増収増益で各利益が過去最高 配当は195円に30円増配

※本記事は三機工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

三機工業の2025年度(2026年3月期)は、売上高2,546億円(前期比0.6%増)、営業利益279億円(同27.9%増、営業利益率11.0%)、経常利益29,287百万円(同26.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23,688百万円(同37.7%増)と増収増益になった。建築設備事業における中小型工事の売上増加や、近年受注した好採算の繰越工事の進捗により、営業利益をはじめとした各利益が過去最高(当社が連結財務諸表の開示を開始した1983年度以降)を更新した。受注高は2,947億円(同11.2%増)、次期繰越高は250,794百万円(同19.0%増)と、いずれも増加した。1株当たり配当金は前期比30円増配の195円とした。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

連結業績は、売上高254,674百万円(前期比1,538百万円増、0.6%増)、売上総利益56,070百万円(同8,575百万円増、18.1%増、売上総利益率22.0%)、営業利益27,991百万円(同6,098百万円増、27.9%増、営業利益率11.0%)、経常利益29,287百万円(同6,215百万円増、26.9%増、経常利益率11.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益23,688百万円(同6,485百万円増、37.7%増、当期純利益率9.3%)となった。売上高は大型工事の売上端境期にあたったものの、建築設備における中小型工事の売上が好調に推移したことで微増となった。利益面では、建築設備において近年受注した好採算の繰越工事の進捗や施工における利益改善が寄与し、増益となった。受注高は264,965百万円から294,738百万円へ29,773百万円(11.2%)増加し、建築設備における都市再開発関連の大型工事受注が押し上げた。この結果、次期繰越高は210,731百万円から250,794百万円へ40,063百万円(19.0%)増加し、豊富な次期繰越高を確保した。

1株当たり当期純利益(EPS)は153.51円(前期108.77円)、自己資本当期純利益率(ROE)は20.8%(前期16.3%)、総資産経常利益率(ROA)は13.9%(前期11.4%)、1株当たり純資産(BPS)は794.14円(前期683.87円)、自己資本比率は55.3%(前期52.9%)となった。なお、EPS・BPSは2026年5月1日実施の株式分割(1株を3株に分割)を踏まえ、分割後の株式数を基準に算定している。

項目2025年3月期2026年3月期前期比増減率(%)
売上高253,136254,6741,5380.6
売上総利益(率)47,495(18.8%)56,070(22.0%)8,575(3.2pt)18.1
営業利益(率)21,893(8.6%)27,991(11.0%)6,098(2.4pt)27.9
経常利益(率)23,071(9.1%)29,287(11.5%)6,215(2.4pt)26.9
親会社株主に帰属する当期純利益(率)17,203(6.8%)23,688(9.3%)6,485(2.5pt)37.7
受注高264,965294,73829,77311.2
次期繰越高210,731250,79440,06319.0
売上高・受注高・営業利益率の3期推移と2025年度決算サマリーを示すスライド
出典:三機工業 2025年度 決算説明資料 P.4

セグメント別(事業別)の状況

事業セグメントは、建築設備事業(ビル空調衛生・産業空調・電気・ファシリティシステム)、機械システム事業、環境システム事業、不動産事業の4区分で構成され、2025年度の売上構成比率は建築設備事業83%、環境システム事業12%、機械システム事業4%、不動産事業1%となっている。事業別売上高(連結)では、建築設備計が212,908百万円(前期比3,926百万円増、1.9%増)となり、うち電気は30,553百万円から34,414百万円へ3,860百万円(12.6%)増加した。これは前期に受注したEV電池工場の大型工事が進捗したことなどによる。ビル空調衛生・産業空調は大型工事の売上が減少したものの中小型工事の売上増加により前期並みで着地した。一方、機械システムは10,934百万円から9,767百万円へ1,167百万円(10.7%)減少、環境システムは31,300百万円から30,107百万円へ1,193百万円(3.8%)減少と、大型工事の進捗が前期に比べ少なかったことで、いずれも減収となった。事業別営業利益(連結)では、ビル空調衛生が3,226百万円から7,522百万円へ4,296百万円(133.2%)増加し利益率も4.4%から10.2%に改善した一方、機械システムは△562百万円から△865百万円へ損失が拡大、環境システムは1,793百万円から1,104百万円へ689百万円(38.4%)減益となった。受注面では、ビル空調衛生が都市再開発やデータセンター関連の大型工事受注により69,564百万円から126,440百万円へ81.8%増加した。

セグメント2025年3月期(百万円)2026年3月期(百万円)前期比増減率(%)
ビル空調衛生73,78273,798150.0
産業空調91,26491,137△126△0.1
電気30,55334,4143,86012.6
ファシリティシステム13,38113,5581761.3
建築設備計208,981212,9083,9261.9
機械システム10,9349,767△1,167△10.7
環境システム31,30030,107△1,193△3.8
プラント設備計42,23539,874△2,360△5.6
不動産2,5922,655622.4
その他73990516622.5
調整額△1,413△1,669△256
合計253,136254,6741,5380.6
事業別売上総利益(連結)の前期比較を示す表とグラフ
出典:三機工業 2025年度 決算説明資料 P.9

通期業績予想

2026年度(2027年3月期)の業績予想は、売上高260,000百万円(前期比2.1%増)、売上総利益59,000百万円(同5.2%増、売上総利益率22.7%)、営業利益29,500百万円(同5.4%増、営業利益率11.3%)、経常利益30,000百万円(同2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25,300百万円(同6.8%増)とした。EPSは165.63円を見込む。豊富な繰越工事の進捗により増収を見込むものの、大型繰越工事の業績への本格的な寄与は2027年度以降になる見通しとしている。良好な受注環境のなかで繰越工事全体の利益率が改善していることから、前期に記録した過去最高益を更新する見通しとした。一方、受注高は期首時点で豊富な繰越工事高を確保していることから施工体制を考慮し270,000百万円(前期比8.4%減)と減少を見込み、次期繰越高は260,794百万円(同4.0%増)を計画する。1株当たり配当金の予想は、2026年5月1日実施の株式分割(1株を3株に分割)後の株式数を基準に65円とし、分割前基準に換算すると195円相当で前期と同水準の計画である。

項目2025年3月期2026年3月期2027年3月期予想増減率(%)
売上高253,136254,674260,0002.1
売上総利益47,49556,07059,0005.2
売上総利益率(%)18.822.022.7
営業利益21,89327,99129,5005.4
営業利益率(%)8.611.011.3
経常利益23,07129,28730,0002.4
親会社株主に帰属する当期純利益17,20323,68825,3006.8
受注高264,965294,738270,000△8.4
次期繰越高210,731250,794260,7944.0
EPS(円)108.77153.51165.63
2026年度業績予想(連結)の主要指標を示す表
出典:三機工業 2025年度 決算説明資料 P.14

株主還元

2025年度は、通期で1株当たり195円(前期比30円増配、DOE8.8%)の配当を実施し、自己株式95万株を取得した。また、2025年8月18日には自己株式100万株の消却を実施した。投資家がより投資しやすい環境を整え、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図ることを目的に、2026年5月1日に株式分割(1株を3株に分割)を実施した。「中期経営計画2027」では、2025〜2027年度累計で配当をDOE5.0%以上、自己株式取得を400万株程度とする方針を掲げており、2025年度実績はDOE8.8%、自己株式取得95万株といずれも目標を上回る水準で推移している。

年度中間配当金(円)期末配当金(円)合計配当金(円)DOE(%)
2023年度(2024年3月期)3550854.7
2024年度(2025年3月期)551101658.2
2025年度(2026年3月期)82.5112.51958.8
配当額・自己株式取得額とDOE、1株当たり配当金の推移を示すグラフ
出典:三機工業 2025年度 決算説明資料 P.17

中期経営計画2027/トピック

三機工業は、創立100周年の節目となる2025年4月から新しい経営ビジョン“MIRAI 2030”と「中期経営計画2027」をスタートした。同計画は2027年度に売上高3,000億円、営業利益300億円、営業利益率10.0%、ROE16.0%以上(政策保有株式の売却益除く)、従業員2,900名、DOE5.0%以上を目標としている。初年度となる2025年度の実績は、売上高2,546億円(会社評価:大型工事売上の端境期にあたるため概ね計画どおりに進捗)、営業利益279億円・営業利益率11.0%(会社評価:受注検討時の原価・リスク精査の徹底や施工における利益改善の進展により計画策定時の想定を上回る水準)、ROE18.6%(政策保有株式の売却益除く、目標を上回る水準)、DOE8.8%、従業員数2,705名となった。2025年度は成長投資として、廃棄物処理施設の施工等を手掛ける邦英商興株式会社の全株式取得と、マレーシアを拠点に半導体・データセンター関連の電気・通信設備工事を手掛けるES Matrix社の株式40%を取得する株式譲渡契約を締結するM&A投資を実行した。25〜27年度累計で成長投資500億円程度を計画するなか、2025年度は66億円の進捗にとどまるが、M&A投資・人的投資を中心に着実に進捗しているとした。環境面では、設備工事会社では唯一、4年連続でCDP(国際環境NGO)の気候変動Aリストに選定されている。

※本記事は三機工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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