※本記事はナカノフドー建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
ナカノフドー建設の2026年3月期(第84期、2025年4月1日~2026年3月31日)は、連結売上高1,380億円(138,071百万円、前期比24.9%増)、営業利益53億円(5,375百万円、同63.8%増)、経常利益59億円(5,996百万円、同61.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益43億円(4,385百万円、同51.0%増)となった。前期からの繰越工事高が豊富だった東南アジアの建設事業が売上高・利益ともに大幅に伸長し、全体をけん引した。一方で受注高は1,312億円(131,264百万円、前期比8.1%減)と、海外建設事業の反動減により減少している。次期(2027年3月期)は売上高1,500億円を見込む一方、利益率の平準化を想定し営業利益39億円を予想する。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は前期比275億円増の1,380億円。売上総利益は14,446百万円(前期比34.1%増)、売上総利益率は10.5%と前期の9.7%から0.8pt改善した。販売費及び一般管理費は主に人的資本投資の増加により前期から15億円増の9,070百万円となったものの、売上高の増加と売上総利益率の改善により、営業利益・経常利益・当期純利益はいずれも増益となった。営業利益率は3.9%(前期3.0%)、経常利益率は4.3%(同3.4%)である。
| 項目(百万円) | 2026年3月期(当期) | 2025年3月期(前期) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 131,264 | 142,895 | ▲8.1% |
| 売上高 | 138,071 | 110,538 | 24.9% |
| 売上総利益 | 14,446 | 10,769 | 34.1% |
| (売上総利益率) | 10.5% | 9.7% | +0.8pt |
| 販売費及び一般管理費 | 9,070 | 7,488 | 21.1% |
| 営業利益 | 5,375 | 3,280 | 63.8% |
| (営業利益率) | 3.9% | 3.0% | +0.9pt |
| 経常利益 | 5,996 | 3,724 | 61.0% |
| (経常利益率) | 4.3% | 3.4% | +0.9pt |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,385 | 2,904 | 51.0% |
| (同上率) | 3.2% | 2.6% | +0.6pt |
受注高は連結で1,312億円(前期比116億円減)。内訳は国内建設事業が865億円(前期比77億円増)、海外建設事業が447億円(同193億円減)で、海外は前期からの反動減により減少した。次期繰越高は1,483億円(前期比52億円減)で、国内建設事業が953億円(同110億円増)、海外建設工事が529億円(同164億円減)となっている。

セグメント別の状況
建設事業の売上高は136,555百万円(前期比25.2%増)。うち日本が75,500百万円(同6.9%減)、東南アジアが61,054百万円(同117.9%増)となり、東南アジアが大きく伸長した。資料では、東南アジアの建設事業について、前期からの繰越工事高が豊富であったことや一部案件の追加工事受注による更なる利益改善が反映され、売上高・利益ともに大幅に伸長したと説明している。不動産その他事業は、賃貸用不動産や再エネ事業等の適切な管理運用により安定的な収益を確保したとしている。
| セグメント | 指標(百万円) | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設事業 | 売上高 | 136,555 | 109,089 | 25.2% |
| 建設事業 うち日本 | 売上高 | 75,500 | 81,066 | ▲6.9% |
| 建設事業 うち東南アジア | 売上高 | 61,054 | 28,023 | 117.9% |
| 不動産事業 | 売上高 | 1,373 | 1,323 | 3.7% |
| その他事業 | 売上高 | 148 | 134 | 10.5% |
| 合計 | 売上高 | 138,071 | 110,538 | 24.9% |
| 建設事業 | セグメント営業利益 | 4,649 | 2,589 | 79.6% |
| 建設事業 うち日本 | セグメント営業利益 | 2,202 | 2,588 | ▲14.9% |
| 建設事業 うち東南アジア | セグメント営業利益 | 2,447 | 1 | ― |
| 不動産事業 | セグメント営業利益 | 676 | 659 | 2.7% |
| その他事業 | セグメント営業利益 | 50 | 30 | 62.7% |
| 合計 | セグメント営業利益 | 5,375 | 3,280 | 63.8% |

国内事業(国内子会社を除く)は、売上高74,068百万円(前期比7.2%減)、経常利益2,646百万円(同9.8%減)。収益性を重視した受注の徹底やリノベーション案件の受注推進等により手持案件の採算性が向上し、売上総利益率は11.9%と1.8pt改善した一方、ベースアップや人的資本投資の拡充等で一般管理費が増加し営業利益率は0.3pt低下した。海外事業(海外5拠点単純合算・内部取引調整後)は、売上高61,058百万円(同117.9%増)、経常利益2,686百万円(同241.9%増)。シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムの5カ国で主に建設事業を展開しており、前期に大型案件の受注が集中したことによる豊富な繰越工事が当期の売上高・利益に寄与した。建設事業の売上高比率は用途別で工場生産39.5%、倉庫物流13.7%、国別では日本55.3%、シンガポール18.8%、マレーシア14.7%となっている。
財務状況・キャッシュ・フロー
総資産は100,783百万円(前期末80,669百万円)、純資産は51,392百万円(同44,458百万円)。現預金及び完成工事未収入金等の増加により資産が増加した一方、工事量増加に伴う未成工事受入金や工事未払金等の増加で流動負債が増加し、自己資本比率は49.4%と前期末比3.7pt低下した。営業活動によるキャッシュ・フローは業績伸長等を背景に10,419百万円(前期は▲4,375百万円)と大幅に改善、投資活動によるキャッシュ・フローは定期預金の払戻(16億円)といった一時的要因により548百万円の収入超過、財務活動によるキャッシュ・フローは▲1,922百万円。フリー・キャッシュ・フローは10,967百万円、現金同等物期末残高は30,803百万円となった。
通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、受注高1,400億円(前期実績比87億円増)、売上高1,500億円(同119億円増)、営業利益39億円(同14億円減)、経常利益42億円(同17億円減)、親会社株主に帰属する当期純利益29億円(同14億円減)を予想する。会社は、当期業績が当初計画を大幅に上回ったものの通常水準を超える一時的な要因の影響が大きいと認識しており、堅調な受注環境と豊富な繰越工事高から次期も高い受注・売上の確保を見込む一方、利益率については収益性の平準化により概ね例年水準を想定するとしている。予想の営業利益率は2.6%、経常利益率は2.8%、当期純利益率は1.9%。
| 項目 | 2027年3月期 予想 | 2026年3月期 実績 | 前期実績比 |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 1,400億円 | 1,312億円 | +87億円 |
| 売上高 | 1,500億円 | 1,380億円 | +119億円 |
| 営業利益 | 39億円(2.6%) | 53億円(3.9%) | -14億円 |
| 経常利益 | 42億円(2.8%) | 59億円(4.3%) | -17億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 29億円(1.9%) | 43億円(3.2%) | -14億円 |

株主還元
中期経営計画「中計86」(2026年3月期~2028年3月期)の株主還元方針に基づき、配当性向30%を目安、DOE1.5%を下限値として安定的な年間配当を継続実施する方針。2026年3月期の年間配当は、当初計画より業績が大幅に上振れしたことに伴い期初予想の1株当たり22円から38円へ変更し、前期比16円の増配を予定する(2026年6月26日開催の定時株主総会での決議が前提)。2027年3月期の年間配当予想は1株当たり25円、配当性向29.6%、DOE1.7%としている。
| 項目 | 2026年3月期(年間配当予定) | 2027年3月期(年間配当予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり配当金額 | 38円 | 25円 |
| 配当性向 | 29.8% | 29.6% |
| DOE | 2.6% | 1.7% |

中期経営計画「中計86」の進捗
中計86の最終年度(2028年3月期)目標に対し、2026年3月期通期実績は連結売上高1,380億円(目標1,270億円、+110億円)、連結営業利益53億円(同33億円、+20億円)、連結純利益43億円(同25億円、+18億円)、海外事業比率44.7%(同35%、+9.7pt)と、初年度で最終年度目標を上回る進捗となった。会社は、この上振れが海外建設事業における大型案件の集中や追加工事獲得による採算改善など通常水準を上回る収益寄与によるものと認識しており、現時点で最終年度目標の見直しは行わず、計画達成に向けた各施策を着実に推進するとしている。
投資計画については、想定より高水準の業績推移でキャッシュインの前提条件が変化したことを受け一部見直しを実施。3ヵ年(2026年3月期~2028年3月期)で営業キャッシュ・フロー119億円に現預金の一部活用39億円を加えた総額158億円を設定し、成長投資69億円(海外事業成長投資30億円、国内M&A20億円、DX・人材19億円)、収益基盤強化60億円(協力会社への支払条件改善に伴う運転資本への影響)、株主還元29億円を配分する。当初計画の投資総額50億円(M&A35億円、再生可能エネルギー事業10億円、DX・人材5億円)から成長投資枠を19億円拡大する一方、再生エネルギー事業は事業環境や投資採算性の変化を踏まえ見直した。
※本記事はナカノフドー建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。