鉄建建設

鉄建建設、2026年3月期は減収も営業利益56億円と増益 受注高2,256億円 年間配当170円

決算サマリー 2026.08.11
鉄建建設、2026年3月期は減収も営業利益56億円と増益 受注高2,256億円 年間配当170円

※本記事は鉄建建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

鉄建建設は2026年5月15日、2026年3月期の決算と2027年3月期の業績予想、および中期経営計画2028のアップデートを公表した。売上高は海外工事の減少や前期反動減等により1,798億円と前期比▲52億円の減収となった一方、営業利益は土木の設計変更獲得や建築の採算性の改善により56億円(前期比+21億円)、経常利益は匿名組合投資利益の計上等により58億円(同+28億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億円(同+16億円)といずれも増益となった。受注高は土木、建築とともに増加し前年同期比で423億円増加、配当予定は170円。2027年3月期は増収増益を見込み、配当予定は223円としている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は1,798億円(前期比▲52億円、▲2.9%)。売上総利益は174億円(同+26億円、+17.6%)で売上総利益率は9.7%(前期8.0%)に上昇した。営業利益は56億円(同+21億円、+62.5%)で営業利益率3.1%(前期1.9%)、経常利益は58億円(同+28億円、+94.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は50億円(同+16億円、+46.7%)となった。

項目2026年3月期2025年3月期前期比増減
売上高1,798億円1,851億円▲52億円(▲2.9%)
売上総利益174億円148億円+26億円(+17.6%)
[売上総利益率]9.7%8.0%
営業利益56億円34億円+21億円(+62.5%)
[営業利益率]3.1%1.9%
経常利益58億円30億円+28億円(+94.1%)
親会社株主に帰属する当期純利益50億円34億円+16億円(+46.7%)

営業利益は期首計画34.0億円に対し実績56.2億円と、設計変更の獲得(+18.3億円)や工事原価圧縮分(+9.1億円)、販管費減少(+2.5億円)などにより期首計画比22.2億円増加した。営業外収支は2億円(営業外収益16億円、営業外費用14億円)で、営業外収益は匿名投資組合利益の増加519百万円、受取配当金等の増加262百万円などが寄与した。特別損益は16億円(特別利益28億円、特別損失12億円)で、投資有価証券売却益の増加250百万円がある一方、減損損失の増加685百万円、和解金116百万円を計上している。

セグメント別(連結)の状況

土木は売上高911億円(前期比+21億円)と手持ち工事が順調に進捗し増加、売上総利益は設計変更獲得等により98億円(同+5億円、売上総利益率10.8%)となった。建築は売上高832億円(同▲76億円)と前期の反動により減少したものの、売上総利益は設計変更獲得と低採算工事の減少等により61億円(同+18億円、同7.3%)へ改善した。不動産等は計画どおり4件の物件を売却したことにより、売上高54億円(同+2億円)、売上総利益15億円(同+1億円、同28.1%)と増加した。

セグメント売上高(2026年3月期)前期比売上総利益(売上総利益率)前期比
土木911億円+21億円98億円(10.8%)+5億円
建築832億円▲76億円61億円(7.3%)+18億円
不動産等54億円+2億円15億円(28.1%)+1億円
合計1,798億円▲52億円174億円(9.7%)+26億円
セグメント別業績(連結)の売上高・売上総利益と前期比
出典:鉄建建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.5

受注高・完成工事高・繰越工事高(連結)

受注高は大型のトンネル工事や住宅工事等の受注により2,256億円と大きく増加した(内訳は土木1,159億円、建築1,097億円)。完成工事高は海外工事の減少や前期の反動による減少はあるものの1,743億円と概ね計画通り進捗した。繰越工事高は堅調な受注により3,316億円となり、資料では過去10年で最大値としている。土木では舞鶴若狭自動車道 飯盛山トンネル工事(NEXCO西日本)や宗吾車両基地拡充工事2工区土木(京成電鉄)、建築では(仮称)ドーミーインプレミアム横浜中華街新築工事(共立メンテナンス)などを受注した。

項目2025年3月期2026年3月期2027年3月期予想
前期繰越工事高2,770億円2,804億円3,316億円
受注高1,832億円2,256億円1,810億円
完成工事高1,798億円1,743億円1,766億円
繰越工事高2,804億円3,316億円3,360億円
受注高・完成工事高・繰越工事高の推移(連結)
出典:鉄建建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.9

2027年3月期 業績予想

2027年3月期は、手持ち工事の進捗が計画通り推移していることに加え、不動産事業における大型案件の売却予定により増収を見込む。営業利益、当期純利益は売上高の増収や建築工事の現場支援体制の強化などにより採算性の改善が進み、増益を見込む。売上高1,850億円、営業利益66億円(営業利益率3.6%)、経常利益57億円、親会社株主に帰属する当期純利益63億円を予想している。

項目2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)
売上高1,798億円1,850億円
営業利益56億円66億円
(営業利益率)3.1%3.6%
経常利益58億円57億円
親会社株主に帰属する当期純利益50億円63億円
1株当たり配当額170円223円
2027年3月期業績予想(連結)の売上高・利益と受注高・完成工事高
出典:鉄建建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.11

株主還元

2026年3月期の1株当たり配当額は170円(前期122円)、配当性向は47.1%。従来の株主還元方針は「配当性向50%程度」「累進配当」であったが、更なる安定配当と成長投資の両立を実現するため、2026年度の配当よりDOE(自己資本配当率)4%以上を目安とする方針に変更した。自己株式取得は機動的に実施するとしている。2027年3月期の配当予定は223円。

株主還元方針とDOE導入、1株当たり配当金の推移
出典:鉄建建設 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.50

中期経営計画2028アップデート

2024年度から推進する中期経営計画2028について、2年目となる2025年度末で計画を精査した結果、各事業の収益力が想定を上回るペースで進捗し、利益目標を1年前倒しで達成できたとして、数値目標をアップデートした。財務KPIは、ROEを2026年度7.5%以上(従来7.0%以上)、2028年度10.0%以上(従来8.0%以上)に、連結営業利益を2026年度66億円以上(従来50億円以上)、2028年度110億円以上(従来80億円以上)に引き上げた。2028年度の売上高計画は2,120億円(従来2,000億円)とし、土木事業1,000億円、建築事業1,000億円、不動産・新事業他120億円を計画する。

財務面では、有利子負債が工事立替高の増加および支払いサイトの短縮(60日⇒0日)等により大きく増加し、営業キャッシュ・フローは工事代金回収の遅れによる工事立替高の増加等によりマイナスとなった。2026年3月期末の自己資本比率は30.6%、D/Eレシオは0.96倍。D/Eレシオは中期経営計画2028の期間にて0.8倍以下、長期的に0.5倍程度の水準への改善をめざすとしている。政策保有株式は5年間累計で100億円以上を売却し、2028年度に純資産比率20%未満とする方針。投資計画は2024〜28年度の5か年累計で255億円(事業戦略投資170億円、基盤戦略投資85億円)とする。株主資本コストは国債利回りの高騰により8.0%程度に上昇していると認識しており、早期に株主資本コストを上回るROEの達成をめざすとしている。

※本記事は鉄建建設が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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