※本記事は第一建設工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
第一建設工業(証券コード1799)の2026年3月期は、売上高60,003百万円(前期比+3.4%)、営業利益6,911百万円(同▲3.9%)、経常利益7,508百万円(同▲1.3%)、当期純利益5,223百万円(同▲0.4%)となり、増収減益となりました。売上高は建設事業の受注高の増加を主因とする増収に加え、不動産事業も新規物件等の稼働により増収となりました。一方、利益面は売上高の増加による売上総利益の増加があったものの、工事損失引当金戻入の反動等により減益となっています。1株当たり配当金は160円、配当性向は54.6%、ROEは7.1%です。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は58,005百万円から60,003百万円へ1,997百万円の増加。売上総利益は10,949百万円と83百万円の減少、販売費及び一般管理費は4,037百万円と198百万円の増加となり、営業利益は6,911百万円(▲282百万円)にとどまりました。経常利益は7,508百万円(▲96百万円)、当期純利益は5,223百万円(▲18百万円)です。資料では増収減益の要因として、売上高については建設事業の受注高の増加、不動産事業の新規物件等の稼働を挙げ、利益については工事損失引当金戻入の反動等を挙げています。
| 項目(百万円) | 2025/3月期 | 2026/3月期 | 比較増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 58,005 | 60,003 | +1,997 | +3.4% |
| 売上総利益 | 11,032 | 10,949 | ▲83 | ▲0.8% |
| 販売費及び一般管理費 | 3,838 | 4,037 | +198 | +5.2% |
| 営業利益 | 7,193 | 6,911 | ▲282 | ▲3.9% |
| 経常利益 | 7,604 | 7,508 | ▲96 | ▲1.3% |
| 当期純利益 | 5,242 | 5,223 | ▲18 | ▲0.4% |

財務面では、2026年3月末の資産合計は86,339百万円(前期末比+2,397百万円)、負債合計は11,636百万円(同▲648百万円)、純資産は74,702百万円(同+3,045百万円)となり、自己資本比率は85.4%から86.5%へ1.1%上昇しました。キャッシュ・フローは、営業活動によるCFが4,258百万円、投資活動によるCFが▲1,482百万円でフリーキャッシュ・フローは2,775百万円(前期比+592百万円)、財務活動によるCFは配当金の支払いおよび自己株式の取得により▲5,297百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は14,838百万円となりました。
セグメント別(事業別)の状況
建設事業の売上高は58,885百万円(前期比+3.4%)。内訳は土木工事が39,596百万円(同▲0.3%)、建築工事が19,288百万円(同+12.1%)で、建築工事の伸びが全体を牽引しました。不動産事業は1,118百万円(同+3.8%)です。売上高構成比は、部門別で建設事業の土木工事(線路工事含む)66.0%、建設事業の建築工事32.1%、不動産事業1.9%。発注者別(不動産事業除く)では鉄道工事81.3%、民間工事12.9%、官公庁工事5.8%となっています。
| セグメント(百万円) | 2025/3月期 | 2026/3月期 | 比較増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 建設事業 土木工事 | 39,721 | 39,596 | ▲125 | ▲0.3% |
| 建設事業 建築工事 | 17,207 | 19,288 | +2,081 | +12.1% |
| 建設事業 小計 | 56,928 | 58,885 | +1,956 | +3.4% |
| 不動産事業 | 1,076 | 1,118 | +41 | +3.8% |
| 合計 | 58,005 | 60,003 | +1,997 | +3.4% |

2027年3月期 業績予想
2027年3月期は、売上高69,000百万円(前期比+15.0%)、営業利益5,900百万円(同▲14.6%)、経常利益6,300百万円(同▲16.1%)、当期純利益4,300百万円(同▲17.7%)を見込みます。売上高は建築の繰越工事増加により前期比+15%を予想し、新規顧客の開拓および官公庁工事の拡大を目指すとしています。営業利益は大型保線機械の検査修繕費の増加により前期比▲14.6%を予想する一方、働き方改革、DX推進、コスト削減などによる利益最大化の取り組みを通じて利益率改善を目指すとしています。営業利益率は11.5%から8.6%、経常利益率は12.5%から9.1%、当期純利益率は8.7%から6.2%への低下を見込みます。
| 項目(百万円) | 2026/3月期(実績) | 2027/3月期(予想) | 比較増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 60,003 | 69,000 | +8,997 | +15.0% |
| 営業利益 | 6,911 | 5,900 | ▲1,011 | ▲14.6% |
| 営業利益率 | 11.5% | 8.6% | ▲2.9% | ― |
| 経常利益 | 7,508 | 6,300 | ▲1,208 | ▲16.1% |
| 経常利益率 | 12.5% | 9.1% | ▲3.4% | ― |
| 当期純利益 | 5,223 | 4,300 | ▲923 | ▲17.7% |
| 当期純利益率 | 8.7% | 6.2% | ▲2.5% | ― |

株主還元
中期経営計画「変革2030」では、株主への利益還元と企業価値の最大化を重視しており、その取り組みの一環として累進的な配当(配当金の水準を減らさずに維持または増配させる配当方針)による株主還元の充実を継続的に行い、各年度において配当性向50%以上に加え、DOE3.5%以上を目指すとしています。2026年3月期の1株当たり配当金は160円、配当性向は54.6%。2027年3月期の配当予想は年間1株当たり160円です。なお、2026年3月期は自己株式の取得も実施しています。
| 指標 | 2026/3月期 | 2027/3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 160円 | 160円 |
| 配当性向 | 54.6% | 開示なし |
| ROE | 7.1% | 開示なし |
| 方針 | 配当性向50%以上・DOE3.5%以上(累進的な配当) | ― |

中期経営計画・取り組み
建設事業では技術開発への投資を推進しており、独自に開発した「D-flip(ディーフリップ)工法(任意深度定着型仮締切り工法)」は、河川内の橋脚工事における工期短縮・コストダウンが従来工法と比較して期待できることから、本工法による事業領域拡大に努めています(特許登録済、NETIS登録番号HR-230011-A)。また、VTOL型ドローンの自動航行機能を活用した災害発生時の鉄道設備点検の実証実験を実施し、災害対応力の強化に取り組んでいます。JR東日本新潟支社、東鉄工業、エアロセンスとの4社で取り組んだ「レベル3.5飛行によるVTOL型ドローンを活用した鉄道斜面調査の取組み」は、第9回インフラメンテナンス大賞で優秀賞を受賞しました。2025年11月には「第9回鉄道技術展2025」に出展しています。
人的資本経営は中期経営計画において成長戦略として大きく位置付けられており、社員のエンゲージメント向上と持続的な成長の実現に取り組んでいます。採用活動の強化を目的とした新リクルートCMの制作・放送も実施しました。環境面では「第一建設工業 環境計画 ~カーボンニュートラル・チャレンジ2050~」を策定し、二酸化炭素排出量(Scope1・Scope2の合算値)は2024年度実績5,113t-CO₂(2023年度実績5,088t-CO₂)に対し、2030年度目標を4,030t-CO₂としています。
※本記事は第一建設工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。