オリエンタル白石

オリエンタル白石、2026年3月期は売上高688億円 営業利益53億円 新中計は2029年3月期売上高800億円

決算サマリー 2026.08.11
オリエンタル白石、2026年3月期は売上高688億円 営業利益53億円 新中計は2029年3月期売上高800億円

※本記事はオリエンタル白石が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

オリエンタル白石の2026年3月期は、売上高688億円、営業利益53億円、当期純利益33億円となった。前中期経営計画の目標(売上高730億円、営業利益62億円、当期純利益45億円)には届かず、資料では基幹事業で過去最高の受注残を確保したものの、大型ケーソンの着工期ズレ、補修・補強の事故影響による進捗・期ズレ、連結事業における再製作・再架設工事の発生、大型プロジェクトの遅延などにより目標未達としている。一方、新規・周辺事業はM&Aや海外事業展開などにより目標を概ね達成した。本資料は決算と新中期経営計画(2026〜2028年度、テーマは「変革の完遂と領域を超える挑戦」)の説明会資料で、2029年3月期に売上高800億円、営業利益68億円、ROE8.0%以上を目標に掲げている。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

前中期経営計画の振り返り(P.6)では、売上高は24/03期673億円→25/03期645億円→26/03期688億円と推移し、前中計目標730億円に対して未達。営業利益は65億円→54億円→53億円、当期純利益は46億円→37億円→33億円と減少した。ROEは6.5%(目標9.0%)、PBRは0.90倍(目標1.00倍以上)にとどまる一方、配当性向55.4%(目標50%)、総還元性向85.5%(目標70%)は目標を達成した。資料は経営課題として「収益性の確保」「安全対策の強化」「資本効率の向上」「安定的な株主還元の継続」を挙げている。

項目26/03期実績25/03期実績24/03期実績前中計目標
売上高(億円)688645673730
営業利益(億円)53546562
当期純利益(億円)33374645
ROE(%)6.57.410.19.0
配当性向(%)55.451.240.650
総還元性向(%)85.565.642.070
D/Eレシオ(倍)0.100.060.070.29
PBR(倍)0.900.941.071.00以上
投資額(億円)※()は累計額51(160)77(109)32220
前中期経営計画の振り返り(定量目標)を示すスライド。売上高・営業利益・当期純利益・ROE・配当性向などの24/03期〜26/03期実績と前中計目標を比較
出典:オリエンタル白石 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.6

事業別の状況

事業別の定量目標(P.15)によると、26/03期の基幹事業の売上高はPC土木110億円、補修補強202億円、ケーソン136億円、PC建築22億円で、売上総利益率は19.9%。連結事業は鋼構造物事業79億円、港湾事業39億円、売上総利益率11.6%。新規・周辺事業は工場製品事業53億円、㈱榮開発37億円、㈱デンカリノテック9億円、新規M&Aなど1億円で、売上総利益率17.3%となっている。29/03期に向けては、基幹事業でPC建築を22億円から57億円へ、新規・周辺事業で新規M&Aなどを1億円から60億円へ伸ばす計画を示す。連結事業のうち鋼構造物事業は再製作・再架設工事の完遂と事業再構築を課題とし、売上高79億円→70億円、売上総利益率11.6%→8.0%の計画としている。

区分事業26/03期 売上高29/03期目標
基幹事業PC土木110億円128億円
基幹事業補修補強202億円200億円
基幹事業ケーソン136億円155億円
基幹事業PC建築22億円57億円
基幹事業売上総利益率19.9%22.0%
連結事業鋼構造物事業79億円70億円
連結事業港湾事業39億円35億円
連結事業売上総利益率11.6%8.0%
新規・周辺事業工場製品事業53億円51億円
新規・周辺事業㈱榮開発37億円34億円
新規・周辺事業㈱デンカリノテック9億円10億円
新規・周辺事業新規M&Aなど1億円60億円
新規・周辺事業売上総利益率17.3%18.5%
事業戦略の定量目標スライド。基幹事業・連結事業・新規/周辺事業それぞれの26/03期と29/03期の売上高構成と売上総利益率
出典:オリエンタル白石 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.15

中期経営計画(2026〜2028年度)の経営指標

新中期経営計画の経営指標(P.13)では、2029年3月期に売上高800億円(基幹事業540億円、連結事業105億円、新規・周辺事業155億円)、売上総利益率19.5%、営業利益68億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円、ROE8.0%以上を目標とする。3年間の投資額は200億円(経常投資60億円、成長投資40億円、戦略投資100億円)、財務規律としてD/Eレシオ0.2倍程度を掲げる。基本方針は「基盤事業量を持続的に創る」「稼ぎ方を変える」「新領域を攻める」の3本柱。長期ビジョンでは2031年3月期に売上高900億円を目指す(P.14)。なお本資料に2027年3月期(次期)単年度の業績予想の記載はない。

経営指標26/03期実績29/03期目標
売上高688億円800億円
 基幹事業470億円540億円
 連結事業118億円105億円
 新規・周辺事業100億円155億円
売上総利益率18.0%19.5%
営業利益53億円68億円
親会社株主に帰属する当期純利益33億円44億円
ROE6.5%8.0%以上
投資額200億円(経常60・成長40・戦略100)
DOE4%
総還元性向70%程度
D/Eレシオ0.2倍程度
新中期経営計画の経営指標スライド。26/03期実績と29/03期目標の売上高・売上総利益率・営業利益・当期純利益・ROE・投資額・株主還元方針・財務規律
出典:オリエンタル白石 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.13

株主還元

財務・資本戦略(P.25)では、「安定的な利益配当を維持する」という基本方針に基づき、前中計の総還元性向70%程度の方針を維持しつつ、新たに株主資本配当率(DOE)4%を導入する。業績に左右されない安定配当と、自社株取得を含む積極的な利益還元により、ROE8%以上・PBR1.0倍超を目指す。前中計期間には機動的な自己株式取得の方針に基づき総額18億円超の自己株式を取得し、総還元性向の目標を達成した(P.6)。1株当たり配当額は2024/03期以降14.5円で推移し、2026/03期の配当性向は55.4%、DOEは3.6%となっている(P.26)。3年間累積のキャッシュフロー計画では、営業CF180億円などを原資に経常投資60億円・成長投資40億円・戦略投資100億円と株主還元に配分する。

項目2023/03期2024/03期2025/03期2026/03期
1株当たり配当額(円)13.514.514.514.5
配当性向(%)40.040.651.255.4
DOE(%)3.93.93.83.6
ROE(%)9.710.17.46.5
PBR(倍)0.911.070.940.90
純資産(百万円)41,61749,96251,29953,191
財務・資本戦略スライド。純資産・配当総額・自己株式取得の推移、ROEと株主資本コスト、配当性向・1株当たり配当額・DOE、PBRの推移
出典:オリエンタル白石 2026年3月期 通期 決算説明資料 P.26

トピック

資料は伊藤忠商事との協業の深化を掲げ、橋梁インフラメンテナンスを起点とした官民連携の事業基盤構築、伊藤忠グループの海上輸送機能を活用した物流コストおよびCO2の削減、集中購買体制の構築、M&Aの継続的・機動的推進を挙げている(P.31)。環境面では2025年10月にSBTi認証を取得し、2030年度までに2023年度比でScope1,2を42%、Scope3を25%削減する目標に見直した(P.29)。人財戦略では3年間で採用130人、エンゲージメントスコア75p以上、離職率15%(下限)、人的資本投資額7億円のKPIを設定している(P.28)。新規・周辺事業では台湾・インドネシアを対象とした海外展開、工場製品外販事業、自治体の包括的維持管理業務・官民連携事業、アクアポニックスやハイブリッドメタン発酵システムの環境事業を推進する。

※本記事はオリエンタル白石が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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