※本記事は芝浦機械が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
芝浦機械の2026年3月期(資料表記:2025年度)連結業績は、売上高1,328億円(前年度比△353億円)、営業利益43億円(同△97億円)、経常利益50億円(同△90億円)、親会社株主に帰属する当期純利益10億円(同△115億円)となり、前年度比で減収・減益となった。一方、受注高は1,191億円と前年度比+118億円の増加となり、全セグメントで増加した。売上高は射出成形機、大型の工作機械、超精密加工機が増加したものの、中国における押出成形機のEV用「BSF」(リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置)の減少により全体では減少した。2027年3月期(2026年度)は売上高1,370億円、受注高1,650億円を見込む。
連結業績(2026年3月期 実績)
2025年度の売上高は1,328億円で、前年度の1,681億円から△353億円の減収。営業利益は43億円(利益率3.3%、前年度8.4%)、経常利益は50億円(利益率3.8%、同8.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億円(利益率0.8%、同7.5%)となった。当期純利益は、売上規模の減少に加え、前年度に計上した固定資産(土地)売却益の反動減、SHIBAURA MACHINE LWB GmbHののれんの減損損失等により減益となった。受注高は1,191億円と前年度比+118億円で、売上高とは対照的に増加している。想定為替レート(USD)は160円(前年度150円)。なお、資料には営業利益の為替感応度として、US$1円につき約8千万円/年(円安は利益増加)と記載されている。
| 項目 | 2025年度 実績(A) | 2024年度 実績(B) | 差異(A-B) |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 1,328 | 1,681 | △ 353 |
| 営業利益(億円) | 43 | 140 | △ 97 |
| 営業利益率 | 3.3% | 8.4% | △ 5.1pt |
| 経常利益(億円) | 50 | 140 | △ 90 |
| 経常利益率 | 3.8% | 8.4% | △ 4.6pt |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 10 | 125 | △ 115 |
| 当期純利益率 | 0.8% | 7.5% | △ 6.7pt |
| 受注高(億円) | 1,191 | 1,073 | +118 |
| 為替レート(USD) | 160円 | 150円 | ― |
2025年5月12日公表の業績予想(売上高1,400億円、営業利益50億円、経常利益50億円、当期純利益33億円、受注高1,380億円)との比較では、売上高が△72億円、営業利益が△7億円、当期純利益が△23億円、受注高が△189億円と未達となった一方、経常利益は為替好転等により+0億円で予想を達成した。資料では、売上高は成形機をはじめ全セグメントで未達、受注高は押出成形機の「BSF」が約2年ぶりとなるフルラインを受注したものの当初計画に対し未達となったと説明されている。
財務面では、2026年3月末の貸借対照表の合計は1,734億円(2025年3月末1,996億円)、自己資本比率は68.3%(同58.7%)、D/E比率は9.1%(同8.6%)。キャッシュ・フローは、営業活動によるC/Fが△84億円(前年度83億円)、投資活動によるC/Fが△18億円(同9億円)、財務活動によるC/Fが△35億円(同△65億円)で、資料上のFCFは-102億円(前年度+92億円)。現金及び同等物の期末残高は427億円(前年度末543億円)となった。
セグメント別の状況
売上高は成形機が988億円(前年度1,371億円、△383億円・△27.9%)と大きく減少し、工作機械が253億円(同213億円、+40億円・+19.2%)と増加、制御機械は83億円(同99億円、△16億円・△16.4%)、その他は26億円(同20億円、+6億円・+28.8%)となった。成形機の内訳(売上高)は射出406億円、ダイカスト170億円、押出411億円で、前年度はそれぞれ射出353億円、ダイカスト174億円、押出843億円。営業利益は成形機が27億円(前年度141億円、△80.6%)と減益、工作機械が20億円(同5億円、3.5倍)と増益、制御機械は△4億円(同1億円)の赤字となった。
| セグメント | 指標 | 2025年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 成形機 | 売上高(億円) | 988 | 1,371 |
| 成形機 | 営業利益(億円) | 27 | 141 |
| 成形機 | 受注高(億円) | 753 | 752 |
| 工作機械 | 売上高(億円) | 253 | 213 |
| 工作機械 | 営業利益(億円) | 20 | 5 |
| 工作機械 | 受注高(億円) | 349 | 241 |
| 制御機械 | 売上高(億円) | 83 | 99 |
| 制御機械 | 営業利益(億円) | △ 4 | 1 |
| 制御機械 | 受注高(億円) | 68 | 64 |
| その他 | 売上高(億円) | 26 | 20 |
| その他 | 営業利益(億円) | 0 | △ 7 |
| その他 | 受注高(億円) | 20 | 16 |
| 合計 | 売上高(億円) | 1,328 | 1,681 |
| 合計 | 営業利益(億円) | 43 | 140 |
| 合計 | 受注高(億円) | 1,191 | 1,073 |

受注高は全セグメントで増加し、工作機械が349億円(前年度241億円、+108億円・+44.9%)と大幅に増加、成形機は753億円(同752億円、+1億円・+0.2%)、制御機械は68億円(同64億円、+4億円・+6.2%)、その他は20億円(同16億円、+4億円・+27.2%)。成形機の内訳(受注高)は射出370億円、ダイカスト155億円、押出227億円で、押出が増加、射出とダイカストは減少した。足元の受注状況として、射出・ダイカストは米国通商政策、イラン情勢、自動車市場停滞の影響もあり設備投資の様子見が継続、押出は「BSF」フルラインを約2年ぶりに受注しEV用以外にESS(エネルギー貯蔵システム)用需要も増加、工作機械はエネルギー・航空宇宙向け、国内における造船・防衛関連向け等の需要が活況、超精密加工機はAI普及拡大によるデータセンター用光通信向け特需や車載レンズ向けで需要が堅調と説明されている。一方、受注残高は2026年3月末で966億円(2025年3月末1,094億円、△128億円・△11.7%)となり、成形機が615億円(同842億円)へ減少、工作機械は313億円(同216億円)へ増加した。

2027年3月期 業績予想
2026年5月25日公表の2026年度(2027年3月期)業績予想は、売上高1,370億円(前年度比+42億円)、営業利益42億円(同△1億円)、経常利益31億円(同△19億円)、親会社株主に帰属する当期純利益20億円(同+10億円)、受注高1,650億円(同+459億円)。想定為替レート(USD)は150円。資料では、売上高は押出成形機の減少はあるものの工作機械等の増加により全体は2025年度並みを見込み、営業利益は成形機セグメントの利益減少等、経常利益は為替差損を見込み2025年度から減少、当期純利益は前年度に計上した特別損失の反動増により増益、受注高は押出成形機を中心に成形機、工作機械、制御機械セグメントとも増加を見込むとしている。
| 項目 | 2026年度 業績予想(A) | 2025年度 実績(B) | 差異(A-B) |
|---|---|---|---|
| 売上高(億円) | 1,370 | 1,328 | +42 |
| 営業利益(億円) | 42 | 43 | △ 1 |
| 営業利益率 | 3.1% | 3.3% | △ 0.2pt |
| 経常利益(億円) | 31 | 50 | △ 19 |
| 経常利益率 | 2.3% | 3.8% | △ 1.5pt |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(億円) | 20 | 10 | +10 |
| 当期純利益率 | 1.5% | 0.8% | +0.7pt |
| 受注高(億円) | 1,650 | 1,191 | +459 |
| 為替レート(USD) | 150円 | 160円 | ― |

セグメント別の売上高予想は、成形機921億円(2025年度実績988億円、△6.8%)、工作機械331億円(同253億円、+30.3%)、制御機械110億円(同83億円、+32.1%)、その他28億円(同26億円、+7.2%)。営業利益予想は成形機19億円(同27億円、△30.7%)、工作機械22億円(同20億円、+6.4%)、制御機械1億円(同△4億円、+5億円)、その他0億円。受注高予想は成形機1,107億円(同753億円、+46.9%)、工作機械432億円(同349億円、+23.6%)、制御機械94億円(同68億円、+38.0%)、その他17億円(同20億円、△16.8%)で、成形機の内訳は射出440億円、ダイカスト168億円、押出499億円を見込む。要因としては、射出で自動車関連の設備投資回復見込、工作機械でエネルギー・航空宇宙・造船・防衛関連向けの需要継続、超精密加工機でAI普及拡大によるデータセンター用光通信向け増加、制御機械でシステムエンジニアリング事業の拡大が挙げられている一方、押出は売上規模の減少がネガティブファクターとされている。
株主還元
2026年3月期の配当は第2四半期末70.0円、期末70.0円の年間140.0円で、連結配当性向は321.8%。2027年3月期も第2四半期末70.0円、期末70.0円の年間140.0円を予想しており、連結配当性向は165.5%となる見込み。配当方針として、収益性の向上に向けて経営体質の強化を図りながら、安定配当を維持し、業績に応じた利益配分をしていくことを基本方針としている。利益剰余金については、企業の継続的発展のため将来の事業展開等を戦略的に判断し、人的資本の強化や生産設備、技術開発、海外展開等に有効に投資していくとともに、継続して株主への適正な利益還元を実施していくとしている。なお、2025年度のキャッシュ・フローには配当金支払△33億円、自己株式取得△20億円が計上されている。
| 決算期 | 第2四半期末 | 期末 | 年間 | 配当性向(連結) |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 70.0円 | 70.0円 | 140.0円 | 26.4% |
| 2026年3月期 | 70.0円 | 70.0円 | 140.0円 | 321.8% |
| 2027年3月期(予想) | 70.0円 | 70.0円 | 140.0円 | 165.5% |

国内・海外売上高とM&Aの状況
国内・海外別では、2025年度の国内売上高は401億円(国内比率30%、前年度384億円・23%)、海外売上高は926億円(海外比率70%、同1,297億円・77%)。海外売上高のセグメント内訳は成形機790億円(前年度1,184億円)、工作機械130億円(同106億円)、制御機械4億円(同6億円)で、地域別では中国が462億円(同884億円)と減少している。国内売上高のセグメント内訳は成形機197億円(同186億円)、工作機械122億円(同106億円)、制御機械60億円(同74億円)、その他21億円(同16億円)。
M&Aについては、現中期経営計画中の取得実績として、射出成形機・ダイカストマシンの拡販、グローバル展開、SDGsへの貢献を目的とした株式会社ファンクショナル・フルイッド(株式取得日2025年5月1日)、射出成形機を中心とした欧州事業の拡大を目的としたSHIBAURA MACHINE LWB GmbH(旧社名:LWB Steinl GmbH、ドイツ、持分取得日2025年11月28日)を挙げている。また取得予定として、超精密加工機事業のグローバル化の加速、新市場の開拓を目的としたMoore Nanotechnology Systems, LLC(アメリカ、持分譲渡契約日2026年5月18日、取得予定日2026年後半)が記載されている。前中期経営計画中には、システムエンジニアリング事業の拡大等を目的にテクノリンク株式会社(旧社名:ポッカマシン株式会社、株式取得日2024年3月1日)を取得している。
※本記事は芝浦機械が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。