※本記事は日本精蝋が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本精蠟は、日本で唯一ワックスを専門に製造するメーカーである。2025年12月期は、上期の需要減退や物流費高騰の影響を受けて減収減益となった一方、棚卸資産(在庫)の削減が計画通り進んだことでキャッシュ・フローは予想を上回った。会社法上の分配可能額がないため、2025年12月期の配当は無配とした。2026年12月期は、在庫削減の取り組みが一段落したことや価格改定の通年寄与により増収増益を見込んでいる。
業績(2025年12月期 実績)
2025年12月期の売上高は19,776百万円(前期比10.3%減)、営業利益は1,173百万円(同47.8%減)、経常利益は680百万円(同59.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は697百万円(同60.7%減)となった。主にトランプ関税等による世界経済の先行き不透明感を背景とした需要減退により、国内・輸出ともに販売数量が減少したことに加え、在庫削減に伴う固定費負担増や2026年からの工場リニューアル計画に伴う旧設備の減損処理が利益を押し下げた。一方、資本性劣後ローンのうち元本合計15億円相当額を期限前弁済したことで支払金利負担は軽減した。
| 項目 | 2025年12月期(実績) | 2024年12月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 19,776百万円 | 22,045百万円 | ▲10.3% |
| 営業利益 | 1,173百万円 | 2,245百万円 | ▲47.8% |
| 経常利益 | 680百万円 | 1,682百万円 | ▲59.5% |
| 税引前当期純利益 | 620百万円 | 1,658百万円 | ▲62.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 697百万円 | 1,776百万円 | ▲60.7% |

商品分野別の状況
商品分野別では、国内ワックスの売上高が13,217百万円(前期比3.2%減)、輸出ワックスが5,509百万円(同15.8%減)、重油が935百万円(同45.1%減)、その他が113百万円(同23.0%減)となった。主に上期のトランプ関税等による需要減退の影響で国内・輸出ともに販売数量は減少したが、下期は回復基調となった。販売単価は物流費等の高騰に伴う価格改定と高付加価値品販売への集中により上昇した。重油はワックス収率の向上と在庫削減に伴う生産数量の減少により、生産・販売数量とも減少した。
| 区分 | 2025年12月期(実績) | 2024年12月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 国内ワックス | 13,217百万円 | 13,652百万円 | ▲3.2% |
| 輸出ワックス | 5,509百万円 | 6,541百万円 | ▲15.8% |
| 重油 | 935百万円 | 1,703百万円 | ▲45.1% |
| その他 | 113百万円 | 147百万円 | ▲23.0% |

通期業績予想(2026年12月期)
2026年12月期は、売上高21,100百万円(前期比6.7%増)、営業利益1,800百万円(同53.4%増)、経常利益1,300百万円(同91.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円(同14.7%増)を見込む。売上高は拡販等により増加する見通しで、営業利益は在庫削減の取り組みが一段落したことによる売上原価の改善と、2025年に実施した価格改定の通年寄与により増加する見込みである。なお、徳山工場リニューアルに伴う老朽化設備の解体・撤去費用として特別損失4億円を計上する予定である。
| 項目 | 2026年12月期(予想) | 2025年12月期(実績) | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 21,100百万円 | 19,776百万円 | +6.7% |
| 営業利益 | 1,800百万円 | 1,173百万円 | +53.4% |
| 経常利益 | 1,300百万円 | 680百万円 | +91.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 800百万円 | 697百万円 | +14.7% |

株主還元
2025年12月期の配当については、会社法第461条に定める分配可能額が無いことから無配とする。2026年12月期の配当については、業績予想を上回る利益を達成し配当を実施することを目指すが、現時点では未定としている。同社は株主への利益還元を重要課題と位置付けており、本年半ばを目途に策定予定の新たな中期経営計画の中で株主還元方針を示す予定である。
| 期 | 配当方針 |
|---|---|
| 2025年12月期 | 無配(会社法461条の分配可能額なし) |
| 2026年12月期 | 未定(業績予想を上回る利益達成時は配当実施を目指す) |

主要な取り組み
2025年12月期は「基盤強化期」と位置付け、新規高付加価値ワックスへの集中(撥水加工向けワックス等の新製品上市、ライスワックスに関する特許出願)、徳山工場における設備リニューアルの素案具体化、4年連続稼働に向けた定修の計画的実施、在庫水準の最適化、人事制度改定(初任給引き上げ、奨学金返還支援制度の導入等)に取り組んだ。2026年12月期も引き続き「基盤強化期」と位置付け、研究開発費の増額やライスワックスのサンプルワーク開始、資本性劣後ローン残額の早期返済、徳山工場老朽化設備の解体・撤去などを進める方針である。
※本記事は日本精蝋が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。