※本記事は東京製鐵が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
東京製鐵は2026年3月期(通期)の決算を発表した。売上高は2,680億円、営業利益は72億円、経常利益は86億円、当期純利益は115億円。厳しい市況(中国からの高水準の鋼材輸出、国内建築案件の工期遅れ)や製品出荷価格の下落、生産量減少による固定費コストの上昇により、営業利益・経常利益は前期を大幅に下回った。2027年3月期は増収の一方、営業利益は△40億円を予想している。
連結業績(2026年3月期 通期実績)
売上高・営業利益・経常利益は、2026年1月23日公表の通期業績予想(売上高2,722億円、営業利益82億円、経常利益98億円)を下回る進捗率で着地した。一方、当期純利益は115億円となり、通期計画の88億円を上回った。単位は億円。
| 項目 | 前期(2025年3月期)通期 | 当期(2026年3月期)通期 | 通期計画 | 計画比増減 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,267 | 2,680 | 2,722 | △42 △1.5% |
| 営業利益 | 301 | 72 | 82 | △10 △12.2% |
| 経常利益 | 316 | 86 | 98 | △12 △12.2% |
| 当期純利益 | 212 | 115 | 88 | 27 30.7% |
営業利益増減要因(前期比)
2026年3月期通期は、出荷数量が前期の2,948,000tから2,760,000tへ減少し、売上単価も106,700円/tから94,300円/tへ下落した。スクラップ単価も47,800円/tから44,300円/tへ下落し、スプレッドは58,900円/tから50,000円/tへ縮小した。これにより営業利益は30,100百万円から7,200百万円へ減少した。
| 項目 | 2025年3月期通期 | 2026年3月期通期 | 比較 |
|---|---|---|---|
| 数量(t) | 2,948,000 | 2,760,000 | △188,000 |
| 売上単価(円/t) | 106,700 | 94,300 | △12,400 |
| スクラップ単価(円/t) | 47,800 | 44,300 | △3,500 |
| スプレッド(円/t) | 58,900 | 50,000 | △8,900 |
| 営業利益(百万円) | 30,100 | 7,200 | △22,900 |


通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は、売上高3,150億円を見込む一方、営業利益は△40億円、経常利益は△25億円と、前期から大幅な減益(赤字)を予想する。当期純利益は0億円を見込む。外部環境として、中国からの高水準の鋼材輸出の継続や、中東地域における緊張の高まりに端を発するサプライチェーン影響リスクを挙げている。当社の取組みとして、製品ラインナップの拡充と取引先の多様化、品質向上と徹底したコストダウンを進める。2027年3月期通期計画は、2026年3月期通期実績と比べ、数量が2,760,000tから3,065,000tへ増加する一方、スクラップ単価が44,300円/tから55,200円/tへ上昇し、スプレッドは50,000円/tから47,300円/tへ縮小。営業利益は7,200百万円から△4,000百万円への悪化を見込む。
| 項目 | 予想(2027年3月期) | 実績(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,150 | 2,680 |
| 営業利益 | △40 | 72 |
| 経常利益 | △25 | 86 |
| 当期純利益 | 0 | 115 |

株主還元
2026年3月期の年間配当は50円00銭(中間25円00銭・期末25円00銭)で前期と同額を維持した。配当性向は44%、総還元性向は68%。自己株式買取総額は2,700百万円。2027年3月期の配当予想は年間40円00銭(中間20円00銭・期末20円00銭)としている。
| 項目 | 前期(2025年3月期) | 当期(2026年3月期) | 予想(2027年3月期) |
|---|---|---|---|
| 中間配当(円) | 25.0 | 25.0 | 20.0 |
| 期末配当(円) | 25.0 | 25.0 | 20.0 |
| 年間配当(円) | 50.0 | 50.0 | 40.0 |
| 自己株式買取総額(百万円) | 9,999 | 2,700 | – |
| 配当性向(%) | 25 | 44 | – |
| 総還元性向(%) | 72 | 68 | – |

トピック(参考情報)
2026年2月26日、東京製鐵・ファーボ研究所・エレクトロルートジャパンの3社は、スマート農業設備「FARBO」に太陽光発電を組み合わせ、農業・食料・エネルギー・資源を循環させる社会実装プロジェクト「AGRI-4X」の基本合意を締結した。農地での再エネ創出から東京製鐵への環境価値供給、低CO2鋼材「ほぼゼロ」の製造、FARBOの原材料活用という好循環により、食料安全保障と脱炭素社会の同時実現を目指す。また、2026年4月20日公表の情報として、株式会社アーキテクト・ディベロッパーが賃貸住宅事業において業界で初めて、当社の低CO2鋼材「ほぼゼロ」を標準仕様化したことが紹介されている。2025年2月に初導入し、2026年5月以降に着工する全物件(年間約100棟)で順次切り替える。
※本記事は東京製鐵が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。