※本記事は日本コンクリート工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
日本コンクリート工業は2026年3月期の連結業績で、売上高49,233百万円(前期比△6.5%)、営業利益322百万円(同△67.4%)、経常利益1,283百万円(同△11.6%)となり、減収減益となった。基礎事業での大型案件の受注苦戦や案件期ズレ、土木製品事業でのリニア中央新幹線案件の検収遅延などが影響した。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は684百万円となり、前期の赤字(△209百万円)から黒字に転換した。政策保有株式売却等により約7.7億円の特別利益を計上したことが主因である。
連結業績(当期 実績)
連結損益計算書によると、売上高は前期の52,652百万円から49,233百万円へ3,419百万円(△6.5%)減少し、2026年2月13日時点の業績予想(49,000百万円)はわずかに上回った。営業利益は990百万円から322百万円へ667百万円(△67.4%)の減益となり、売上高の減少および生産量減少による生産子会社の収支悪化等が要因。経常利益は1,452百万円から1,283百万円へ169百万円(△11.6%)減少した。親会社株主に帰属する当期純利益は684百万円で、前期の△209百万円から893百万円改善し黒字転換した。
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 49,233 | 52,652 | △3,419(△6.5%) |
| 営業利益 | 322 | 990 | △667(△67.4%) |
| 経常利益 | 1,283 | 1,452 | △169(△11.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 684 | △209 | 893 |

セグメント別(事業別)の状況
セグメント別売上高では、基礎事業が24,223百万円から22,013百万円へ2,210百万円(△9.1%)減少。ポール関連事業は14,271百万円から14,759百万円へ488百万円(3.4%)増加した一方、土木製品事業は13,850百万円から12,147百万円へ1,703百万円(△12.3%)減少し、両事業を合算したコンクリート二次製品事業計は28,121百万円から26,906百万円へ1,215百万円(△4.3%)減少した。不動産・太陽光発電事業は307百万円から313百万円へ微増。セグメント損益では、基礎事業が117百万円の黒字から190百万円の赤字に転落する一方、コンクリート二次製品事業は2,350百万円から2,220百万円、不動産・太陽光発電事業は190百万円から185百万円とそれぞれ減益となった。
| セグメント | 指標 | 当期 | 前期 |
|---|---|---|---|
| 基礎事業 | 売上高 | 22,013 | 24,223 |
| ①ポール関連事業 | 売上高 | 14,759 | 14,271 |
| ②土木製品事業 | 売上高 | 12,147 | 13,850 |
| コンクリート二次製品事業計 | 売上高 | 26,906 | 28,121 |
| 不動産・太陽光発電事業 | 売上高 | 313 | 307 |
| 計 | 売上高 | 49,233 | 52,652 |
| 基礎事業 | セグメント損益 | △190 | 117 |
| コンクリート二次製品事業 | セグメント損益 | 2,220 | 2,350 |
| 不動産・太陽光発電事業 | セグメント損益 | 185 | 190 |
| 本部費 | セグメント損益 | △1,892 | △1,668 |
| 計 | セグメント損益 | 322 | 990 |

通期業績予想
2027年3月期(2026年度)の連結業績予想は、売上高55,000百万円(前期比11.7%増)、営業利益1,900百万円(同488.7%増)、経常利益2,400百万円(同87.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円(同90.1%増)と、増収増益・成長路線回帰を見込む。配当は前期の8.0円から10.0円(25.0%増配)を予想している。基礎事業では堅調な受注状況や前期の案件期ズレの反動で増収を想定し、生産量増加や生産体制再整備の効果による工場収支改善で増益を見込む。なお、投資有価証券売却の継続方針はあるが、金額想定が困難なため今回の予想には含めていない。
| 項目 | 予想(2026年度) | 前期実績(2025年度) |
|---|---|---|
| 売上高 | 55,000 | 49,233 |
| 営業利益 | 1,900 | 322 |
| 経常利益 | 2,400 | 1,283 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,300 | 684 |
| 配当(円) | 10.0 | 8.0 |

株主還元
配当性向は従来目途としていた30%から2025年3月期より40%以上に引き上げており、2027年3月期も想定当期純利益を基に配当性向40%以上を堅持する方針。2027年3月期の配当は10円を予想しており、前期の8.0円から2円(25.0%)の増配となる。配当による直接的な株主還元に加え、これまで機動的な自己株式取得も実施してきた。
中期経営計画の進捗
2024年中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の業績予想は、需要環境の悪化や受注・生産面での対応の遅れ、コスト増加等の影響により中期経営計画の目標を下回る見込みとなった。売上高は予想55,000百万円に対し中計目標67,200百万円で12,200百万円の下振れ、経常利益は予想2,400百万円に対し中計目標3,600百万円で1,200百万円の下振れとなる。1株当たり配当は予想10円に対し中計目標16.5円、ROEは予想2.8%に対し中計目標5.5%となり、いずれも中計を下回る見通し。会社は計画との差異を真摯に受け止め、全社一丸となってキャッチアップに向けた取り組みを推進するとしている。
| 項目 | 2027年3月期 業績予想 | 中期経営計画 | 中計差 |
|---|---|---|---|
| 売上(百万円) | 55,000 | 67,200 | △12,200 |
| 経常利益(百万円) | 2,400 | 3,600 | △1,200 |
| 1株当たり配当(円) | 10 | 16.5 | △6.5 |
| ROE(%) | 2.8 | 5.5 | △2.7pt |

このほか、コンクリートスラッジの再資源化技術による合成炭酸カルシウム「カルカーボ®」が2026年2月に滋賀県公共事業へ初採用されたほか、四国電力向け新製品「嵌合式分割複合柱」のリリース(2025年7月)や、TAKANAWA GATEWAY CITYにおける防球ネット・ボードウォークの設計施工実施など、新製品・技術面での取り組みも進めている。
※本記事は日本コンクリート工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。