※本記事はJMDCが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
JMDCの2026年3月期通期連結業績(IFRSベース)は、売上収益50,462百万円(前期比+21%)、営業利益10,521百万円(同+21%、利益率21%)、EBITDA13,178百万円(同+21%、EBITDAマージン26%)と、コアセグメントであるヘルスビッグデータセグメントの成長を牽引役に増収増益となった。一方、税引前利益は6,765百万円(同△7%)、親会社の所有者に帰属する利益は9,964百万円(同+17%)にとどまった。会社は、データアセットの拡大に伴い発生した課題への対応(一過性影響)や製薬企業メディカル部門向け事業の一部取りこぼしにより、利益面は当初見通しをやや下回る結果になったとしている。2026年3月期の1株当たり配当金は18円を実施した。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上収益は50,462百万円(前期比+21%)、営業利益は10,521百万円(利益率21%、前期比+21%)、税引前利益は6,765百万円(利益率13%、前期比△7%)、親会社の所有者に帰属する利益は9,964百万円(利益率20%、前期比+17%)、EBITDAは13,178百万円(EBITDAマージン26%、前期比+21%)だった。連結EBITDAは第3四半期までは順調に進捗していたが、データアセットの拡大に伴い発生した課題への対応(一過性影響)及び製薬企業メディカル部門向け事業の一部取りこぼしにより計9.2億円の影響が生じたほか、製薬企業向け新規事業開発・AI投資等の成長投資として計4億円を投じたため、期待をやや下回る結果になったとしている。
| 項目 | 当期(26年3月期) | 前期(25年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 50,462 | 41,722 | +21% |
| 営業利益(百万円、利益率) | 10,521(21%) | 8,717(21%) | +21% |
| 税引前利益(百万円、利益率) | 6,765(13%) | 7,275(17%) | △7% |
| 親会社の所有者に帰属する利益 うち継続事業(百万円) | 6,765 | 5,821 | +16% |
| 親会社の所有者に帰属する利益 うち非継続事業(百万円) | – | 1,454 | – |
| 親会社の所有者に帰属する利益 合計(百万円、利益率) | 9,964(20%) | 8,510(20%) | +17% |
| EBITDA(百万円、EBITDAマージン) | 13,178(26%) | 10,932(26%) | +21% |
セグメント別の状況
コアセグメントであるヘルスビッグデータは売上収益44,070百万円(前期比+24%)、EBITDA11,722百万円(EBITDAマージン27%、前期比+23%)と成長を牽引した。遠隔医療は売上収益6,392百万円(前期比+4%)、EBITDA2,407百万円(EBITDAマージン38%、前期比+8%)と高収益性を維持した。ヘルスビッグデータの内訳(経営管理上の単純合算・26年3月期実績)は、インダストリー向け16,355百万円(前期比+23%)、保険者・生活者向け10,889百万円(同+16%)、医療提供者向け17,203百万円(同+30%)で、各事業領域がバランスよく成長した。なお、インダストリー向けの主要顧客である製薬企業向けは、セールス・マーケティング部門とR&D部門向けが堅調だった一方、メディカル部門向けは新規データの処理遅延と営業リソース配分の影響で軟調に推移した。
| セグメント | 指標 | 当期(26年3月期) | 前期(25年3月期) | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| ヘルスビッグデータ | 売上収益(百万円) | 44,070 | 35,646 | +24% |
| ヘルスビッグデータ | EBITDA(百万円、マージン) | 11,722(27%) | 9,557(27%) | +23% |
| 遠隔医療 | 売上収益(百万円) | 6,392 | 6,117 | +4% |
| 遠隔医療 | EBITDA(百万円、マージン) | 2,407(38%) | 2,236(37%) | +8% |
| 調整額 | 売上収益(百万円) | – | △41 | – |
| 調整額 | EBITDA(百万円) | △952 | △861 | – |

2027年3月期 通期業績予想
2027年3月期の連結業績予想は、売上収益60,500百万円(前期比+20%)、営業利益11,500百万円(利益率19%、同+9%)、税引前利益7,100百万円(利益率12%、同+5%)、親会社の所有者に帰属する利益11,000百万円(利益率18%、同+10%)、EBITDA15,000百万円(EBITDAマージン25%、同+14%)で、全段階での増益を計画する。セグメント別では、ヘルスビッグデータが売上54,000百万円(同+23%)・EBITDA13,500百万円(マージン25%、同+15%)、遠隔医療が売上6,500百万円(同+2%)・EBITDA2,500百万円(マージン39%、同+4%)を計画する(調整額EBITDAは△1,000百万円)。会社は、短期で競合に勝ち切るための営業・データアセット強化に向けた投資や、中期的な事業成長に向けた人材・データインフラを含むAI基盤整備を進めるため、利益率は一過性に期待を下回る水準になるとしている。なお、今後のM&Aは織り込んでいない。
| 項目 | 27年3月期(予想) | 26年3月期(実績) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益(百万円) | 60,500 | 50,462 | +20% |
| 営業利益(百万円、利益率) | 11,500(19%) | 10,521(21%) | +9% |
| 税引前利益(百万円、利益率) | 7,100(12%) | 6,765(13%) | +5% |
| 親会社の所有者に帰属する利益(百万円、利益率) | 11,000(18%) | 9,964(20%) | +10% |
| EBITDA(百万円、EBITDAマージン) | 15,000(25%) | 13,178(26%) | +14% |

株主還元
2026年3月期の1株当たり配当金は18円(基準日2026年3月31日、効力発生日2026年6月8日)で、配当金総額は1,177百万円。2027年3月期(予想)の配当は現時点では未定としており、投資余力の確保と株主還元の両立を意識しつつ、今後の業績推移や財務状況等を勘案して配当水準を決定するとしている。
| 項目 | 26年3月期 | 27年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 基準日 | 2026年3月31日 | 2027年3月31日 |
| 1株当たり配当金 | 18円 | 未定 |
| 配当金総額 | 1,177百万円 | – |
| 効力発生日 | 2026年6月8日 | – |

マネジメントビュー:インダストリー向け軟調の要因とAIの影響
資料では、①インダストリー向け事業が軟調だった要因とその対策、②AIの進化がJMDCの事業に与える影響、の2点をキークエスチョンとして説明している。インダストリー向けの8割を占める製薬企業向けのうち、部門別ではセールス・マーケティング部門(前期比+40%)とR&D部門(同+29%)が堅調だった一方、メディカル部門(同△25%)が軟調だった。要因は、新たに本格提供を開始した自治体・医療機関データの処理に想定を超える工数がかかり顧客提供が遅延したこと(一過性影響)、及び営業リソースを他部門に優先配分した結果、提案量が不足し競合にシェアを奪われたこととしている。会社は、高齢者データ・DPCデータで国内No.1のデータ量を有しているとし、新年度は営業リソースを改めて充足させメディカル部門向けを含め強化することでシェア奪還に取り組むとしている。AIの影響については、ヘルスケアデータの活用にはエビデンスとしての高い信頼性が求められるため合成データによる代替余地は限定的であり、AIの進化はJMDCの事業にポジティブに影響すると評価している。AIツールの社内トライアルではレスポンス速度の改善により仮説検証の試行数が前年度比2倍以上に増加し、プロジェクトのシーズ構築が進んでいるとしている。

※本記事はJMDCが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。