※本記事はカーリットが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
カーリットの2026年3月期連結業績は、売上高36,247百万円(前期比1.8%減)、営業利益3,459百万円(同13.5%増)、経常利益3,755百万円(同13.1%増)、純利益2,976百万円(同15.8%増)となった。エンジニアリングサービスセグメントの増収や各事業での適正価格反映の進展などにより、減収ながら増益を確保した。2026年3月期の期末配当は1株当たり42円(前期比+6円)とした。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上原価は26,714百万円(前期比3.4%減)、販売費及び一般管理費は6,073百万円(同2.1%減)といずれも減少した。特別利益として投資有価証券売却益795百万円、特別損失として固定資産除却損及び減損損失348百万円を計上した。
| 項目 | 前期(2025年3月期) | 当期(2026年3月期) | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 36,914 | 36,247 | ▲666 | ▲1.8% |
| 売上原価 | 27,662 | 26,714 | ▲947 | ▲3.4% |
| 販売費及び一般管理費 | 6,205 | 6,073 | ▲132 | ▲2.1% |
| 営業利益 | 3,046 | 3,459 | +412 | +13.5% |
| 経常利益 | 3,320 | 3,755 | +435 | +13.1% |
| 純利益 | 2,570 | 2,976 | +406 | +15.8% |
| 期末配当予想(円/株) | 36 | 42 | +6 | +16.6% |

セグメント別の状況
化学品セグメントは売上高21,977百万円(前期比446百万円減)、営業利益1,858百万円(同380百万円増)。サブセグメント別売上高増減率は化薬分野+3%、受託評価分野▲4%、化成品分野▲8%、電子材料分野+4%、セラミック材料分野▲9%、シリコンウェーハ分野+7%。過塩素酸アンモニウムは需要堅調に加え適正価格反映により増収増益、電子材料分野はハイエンドサーバー向け高効率回路用コンデンサ等の需要により増収増益となった一方、セラミック材料分野は自動車・鉄鋼向け研削砥粒の需要低迷により減収減益となった。基盤領域では、ボトリングセグメントは売上高4,480百万円(前期比1%減)ながらコスト削減により増益、金属加工セグメントは売上高7,303百万円(同1%増)で増収増益、エンジニアリングサービスセグメントは売上高5,251百万円(同19%増)だが建築・設備工事等の競争環境激化により営業利益は減益となった。
| セグメント | 指標 | 前期 | 当期 | 増減額 |
|---|---|---|---|---|
| 化学品 | 売上高 | 22,423 | 21,977 | ▲446 |
| 化学品 | 営業利益 | 1,478 | 1,858 | +380 |
| ボトリング | 売上高 | 4,524 | 4,480 | ▲44 |
| ボトリング | 営業利益 | 345 | 378 | +33 |
| 金属加工 | 売上高 | 7,230 | 7,303 | +73 |
| 金属加工 | 営業利益 | 508 | 602 | +94 |
| エンジニアリングサービス | 売上高 | 4,411 | 5,251 | +840 |
| エンジニアリングサービス | 営業利益 | 822 | 795 | ▲27 |
| 報告事業部門計 | 売上高 | 38,590 | 39,013 | +422 |
| 報告事業部門計 | 営業利益 | 3,154 | 3,635 | +480 |
| 連結合計 | 売上高 | 36,914 | 36,247 | ▲666 |
| 連結合計 | 営業利益 | 3,046 | 3,459 | +412 |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期の連結業績予想は、売上高37,200百万円(前期比2.6%増)、営業利益3,200百万円(同7.4%減)、経常利益3,300百万円(同12.1%減)、純利益3,000百万円(同0.8%増)とした。期末配当は1株当たり42円(前期と同額)を予定する。セグメント別では化学品が売上高24,000百万円・営業利益2,100百万円といずれも増加を見込む一方、ボトリングはライン更新工事の影響で売上高3,600百万円・営業利益0百万円と大きく落ち込む計画。資料では「中東情勢に起因する原燃料調達の不透明さやコスト上昇が懸念され、先行きの不確実性は極めて高い状況」としている。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2027年3月期予想 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(第2四半期) | 17,763 | 17,300 | ▲463 | ▲2.6% |
| 売上高(通期) | 36,247 | 37,200 | +953 | +2.6% |
| 営業利益(第2四半期) | 1,504 | 1,100 | ▲404 | ▲26.8% |
| 営業利益(通期) | 3,459 | 3,200 | ▲259 | ▲7.4% |
| 経常利益(第2四半期) | 1,657 | 1,200 | ▲457 | ▲27.5% |
| 経常利益(通期) | 3,755 | 3,300 | ▲455 | ▲12.1% |
| 純利益(第2四半期) | 1,149 | 1,400 | +251 | +21.8% |
| 純利益(通期) | 2,976 | 3,000 | +24 | +0.8% |
| 期末配当(1株当たり) | 42円 | 42円 | ±0 | – |

株主還元
株主還元は総還元性向40%以上を基本方針とし、配当金は業績連動型、自己株式の取得は財務面への影響をふまえて検討するとしている。直近の還元実績として、配当金は2024年度36円/株、2025年度42円/株。自己株式取得は2025年5月に10億円、同年11月に5億円、2026年5月に10億円を実施した。
| 年度 | 配当金(1株当たり) | 自己株式取得 |
|---|---|---|
| 2024年度 | 36円 | – |
| 2025年度 | 42円 | 2025年5月 10億円/同年11月 5億円 |
| 2026年度 | – | 2026年5月 10億円 |

中期経営計画Challenge2027/トピック
中期経営計画「Challenge2027」のローリングプラン2026では、2025年度に過去最高益(営業利益34億円超)を達成したとしている。2025~2027年度の設備投資総額は210億円を計画し、うち重点領域(防衛用固体推進薬製造設備70億円を含む)に90億円を配分する方針で、防衛用固体推進薬製造設備は2027年度の完成を予定している。資本収益性については2026年3月期時点でROE7.7%、PBR1.42倍となり、Challenge2027最終年度(2028年3月期)にはPBR2倍以上、ROE8.5%を目指すとしている。また、安定した過塩素酸アンモニウム供給基盤を核に固体推進薬の量産化と周辺領域拡張を進め、宇宙防衛事業を2030年代の中核成長事業へ育成する方針を示した。
※本記事はカーリットが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。