※本記事はセックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
セックは2026年5月25日、2026年3月期の決算説明資料を公表した。売上高は11,220百万円(前期比109.0%)、営業利益1,879百万円(同104.8%)、経常利益2,062百万円(同108.9%)、当期純利益1,509百万円(同112.3%)となり、売上高・営業利益・経常利益のすべてで過去最高、前期比で9期連続の増収増益となった。受注高は14,023百万円(同130.0%)、受注残高は9,065百万円(同144.8%)で、ともに過去最高となり、受注高は前期比で11期連続の増加となった。IT需要は全体的には概ね堅調で、非接触IC関連の開発や医療分野、官公庁向けの開発が増加するなど、需要構造の変化に全BF最適化の視点で対応したとしている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上原価は、外注費が4,115百万円(前期比9.2%増、売上高外注比率36.7%・前期比0.1%増)、仕入高が607百万円(同77.5%増)と大幅に増加したことに加え、定期昇給・ベースアップにより人件費が増加した。販売管理費は新入社員の増加や定期昇給・ベースアップによる労務費の増加により増加し、研究開発費は217百万円(前期比43.8%増)となった。営業外損益では研究開発の補助金収入が109百万円(同179.2%増)と大幅に増加した。当期純利益は、賃上げ促進税制の適用による税額控除で法人税等負担率が低下し(法定実効税率30.62%に対し法人税等負担率26.82%)、前期比112.3%となった。
| 項目 | 2026年3月期(百万円) | 2025年3月期(百万円) | 前期比(%) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 11,220 | 10,295 | 109.0 |
| 売上原価 | 7,893 | 7,224 | 109.3 |
| 売上総利益 | 3,326 | 3,070 | 108.3 |
| 販売管理費 | 1,446 | 1,277 | 113.3 |
| 営業利益 | 1,879 | 1,793 | 104.8 |
| (営業利益率) | 16.8% | 17.4% | - |
| 経常利益 | 2,062 | 1,893 | 108.9 |
| (経常利益率) | 18.4% | 18.4% | - |
| 当期純利益 | 1,509 | 1,344 | 112.3 |
期初予想(売上高10,700百万円、営業利益1,840百万円、経常利益2,010百万円、当期純利益1,395百万円)に対する計画達成率は、売上高104.9%、営業利益102.2%、経常利益102.6%、当期純利益108.2%となった。財政状態は総資産12,435百万円(前期末比659百万円増)、純資産10,313百万円(同982百万円増)、自己資本比率82.9%(前期末79.2%)。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが税引前利益の増加などにより1,697百万円(前期は▲250百万円)、投資活動によるキャッシュ・フローが▲46百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが配当金支払額の増加などにより▲561百万円となり、現金及び同等物期末残高は3,321百万円となった。

ビジネスフィールド(BF)別の状況
同社は「社会基盤システム」「宇宙先端システム」「モバイルネットワーク」「インターネット」の4つのビジネスフィールド(BF・事業分野)で事業を展開している。当期はインターネットBF、社会基盤システムBF、宇宙先端システムBFが増加した。モバイルネットワークBFは減少傾向が継続。インターネットBFは非接触IC関連の開発が増加したことに加え、民間企業向けのDX関連の開発も増加した。社会基盤システムBFは医療分野や環境分野の開発、司法分野をはじめとした官公庁向けの開発が大幅に増加。宇宙先端システムBFは車両自動走行の研究開発案件が堅調であることに加え、宇宙天文分野の開発が増加した。
| ビジネスフィールド | 2026年3月期 売上高(百万円) | 構成比(%) | 前期比(%) | 2025年3月期 売上高(百万円) | 構成比(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| モバイルネットワーク | 740 | 6.6 | 80.3 | 922 | 8.9 |
| インターネット | 1,784 | 15.9 | 133.5 | 1,336 | 13.0 |
| 社会基盤システム | 5,537 | 49.3 | 111.3 | 4,972 | 48.3 |
| 宇宙先端システム | 3,158 | 28.2 | 103.1 | 3,064 | 29.8 |
| 合計 | 11,220 | 100.0 | 109.0 | 10,295 | 100.0 |

BF別の受注高は、モバイルネットワーク889百万円(前期比102.7%)、インターネット1,809百万円(同125.4%)、社会基盤システム7,950百万円(同145.0%)、宇宙先端システム3,373百万円(同112.6%)、合計14,023百万円(同130.0%)。受注残高はモバイルネットワーク328百万円(同183.9%)、インターネット454百万円(同105.9%)、社会基盤システム7,246百万円(同149.9%)、宇宙先端システム1,034百万円(同126.2%)、合計9,065百万円(同144.8%)となった。受注残高のうち2027年3月期売上貢献分は6,658百万円(前期比41.5%増)、2028年3月期以降売上貢献分は2,406百万円(同54.7%増)としている。
2027年3月期 業績見通し
2027年3月期は、継続的な成長を目指し売上高・利益ともに増加の計画で、10期連続の増収増益を目指すとしている。売上高は前期と同様の需要環境を見込み、官公庁主体の社会基盤分野のビジネスを中心に推進し、前期比約5%増を見込む。売上原価は社員数増加や定期昇給に加えベースアップによる人件費の増加、外注費の増加などにより増加を見込み、販売管理費はベースアップなどによる労務費の増加、研究開発の大幅な増加などにより増加を見込む。営業外損益は研究開発の補助金収入の増加などにより増加を見込む。当期純利益は、前期は賃上げ促進税制の適用により増加したが、今期は税金費用を法定実効税率どおりで計算している。
| 項目 | 2027年3月期 予想(百万円) | 2026年3月期 実績(百万円) | 前期比(%) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 11,800 | 11,220 | 105.2 |
| 売上原価 | 8,160 | 7,893 | 103.4 |
| 売上総利益 | 3,640 | 3,326 | 109.4 |
| 販売管理費 | 1,660 | 1,446 | 114.7 |
| 営業利益 | 1,980 | 1,879 | 105.3 |
| (営業利益率) | 16.8% | 16.8% | - |
| 経常利益 | 2,300 | 2,062 | 111.5 |
| (経常利益率) | 19.5% | 18.4% | - |
| 当期純利益 | 1,575 | 1,509 | 104.3 |
BF別の期初の想定としては、社会基盤システムBFと宇宙先端システムBFが増加する見込み。モバイルネットワークBFは一部大手通信事業者向けの大規模案件の開発があるものの全体的には減少、インターネットBFは民間企業向けのDX関連の開発が増加するものの他のBFとの人員配分の最適化により減少、社会基盤システムBFは医療分野や環境分野の開発、司法分野をはじめとした官公庁向けの開発が引き続き好調で増加、宇宙先端システムBFは車両自動走行の研究開発案件や宇宙関連の開発が堅調であることに加え国の研究機関向けの開発が増加し増加を見込む。

株主還元
配当は配当性向40%を目安とし、前期比で毎期増配の方針。2027年3月期は1株当たり62円の配当予想としている。なお同社は2025年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、資料の1株当たり配当金は2023年3月期の期首に株式分割が行われたと仮定して算出されている。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 1株当たり配当金 | 52.5円 | 60円 | 62円 |
| 配当性向 | 41.7% | 40.6% | 40.2% |

2027年3月期 重点テーマ
2027年3月期は「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」を掲げ、「研究開発」「高付加価値化」「人的資本投資」を重点テーマとする。研究開発では、1社完結の研究開発以外に大学や国、企業の研究機関、ハードウェアベンダとの最先端技術でのアライアンスを積極的に推進し、コアコンピタンスである「宇宙分野」「ロボット分野」「エッジAI分野」「量子コンピュータ分野」の強化を図る。高付加価値化では最先端のリアルタイム技術に取り組み高単価・高付加価値化を目指すとともに、サイバーレジリエントな環境と体制を整備する。人的資本投資ではAI、デザイン思考、データサイエンス、セキュリティ、クラウドを中心に技術教育を強化し、ハードウェアベンダとの人材交流によりロボットやFPGAなどハードウェアにも強い人材育成を強化する。
AIへの取り組みとしては、標準化した開発の仕組みであるSDM(SEC Software Development Methodology)そのものを人ではなくAIエージェントが実行する仕組みへと転換し、現場の開発スタイルを根底から変革する取り組みを進めている。個別の研究開発では、宇宙分野でJAXAの宇宙戦略基金事業(第二期)「月面インフラ構築に資する要素技術」への採択やJAXA宇宙探査イノベーションハブ「Moon to Mars Innovation」第13回研究提案募集での共同研究先としての採択内定、エッジAI分野で筑波大学発スタートアップのVesica Japanと共同で進める「リアルタイム膀胱内視鏡検査支援システム」の開発・事業化、量子コンピュータ分野で大阪大学を中心とした「純国産」超伝導量子コンピュータの開発協力やNEDO公募事業「量子コンピュータの産業化のためのミドルウェア開発」への採択などを挙げている。
※本記事はセックが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。