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スズケン、2026年3月期は増収も営業利益2.0%減 純利益は10.6%増

決算サマリー 2026.08.15
スズケン、2026年3月期は増収も営業利益2.0%減 純利益は10.6%増

※本記事はスズケンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

株式会社スズケンは2026年3月期の連結決算を発表した。連結売上高は2,486,647百万円(前年同期比3.6%増、資料記載の丸め値で24,866億円)、営業利益は36,374百万円(同2.0%減、同363億円)、経常利益は39,744百万円(同2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は38,136百万円(同10.6%増)となった。売上高・営業利益・経常利益・当期純利益はいずれも業績予想を上回った。なお、特記事項として政策保有株式約190億円(11銘柄)を売却している。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

営業利益の対予想差異(+27億円)は、仕入価格が上昇する中で適正価格での取引を推進したこと、売上総利益率が比較的低いスペシャリティ医薬品の売上構成比が上昇したこと、生産性向上によるコスト抑制や一部営業費の期ずれが要因。対前年(▲7億円)は、適正価格取引の推進やスペシャリティ医薬品の構成比上昇に加え、外部委託費などインフレ傾向に起因する営業費の上昇が影響した。売上高は、スペシャリティ医薬品流通の新規受託獲得・既存受託品の増加が牽引した一方、コロナ関連商材の縮小影響は前年同期より落ち込んだものの概ね想定通りだった。

項目業績予想実績(2026年3月期)前年同期実績前年同期比
売上高2,468,0002,486,6472,399,952+3.6%
売上総利益196,600192,524192,231+0.2%
販売費及び一般管理費163,000156,149155,106+0.7%
営業利益33,60036,37437,125▲2.0%
経常利益35,10039,74438,830+2.4%
親会社株主に帰属する当期純利益32,80038,13634,496+10.6%
連結売上高・営業利益の対予想比較を示すブリッジ図
出典:スズケン2026年3月期決算説明会資料 P.13

セグメント別の状況

医薬品卸売事業は、コロナ関連商材の売上縮小の影響はあったものの、抗悪性腫瘍剤の市場拡大やスペシャリティ医薬品等の新薬の寄与により増収となった。営業利益は、仕入価格の上昇や外部委託費などインフレ傾向に起因する営業費の増加により減益。ヘルスケア製品開発事業は、医薬品製造事業において「ウパシタ静注透析用シリンジ」「ダルベポエチンアルファBS注」など関連製品が伸長したものの、薬価改定の影響により減収。営業利益は研究開発費の増加により減益となった。

地域医療介護支援事業は、保険薬局事業で閉局による運営店舗数の減少(グループ保険薬局515店舗、前年同期比▲19店舗)に伴い処方箋受付回数が減少し減収となったが、販管費の適正化により増益。介護事業はエスケアメイトのショートステイ・介護付有料老人ホームの稼働率向上などが寄与し増収・増益となった。スペシャリティ医薬品流通受託事業は、既受託製品の市場伸長に加え新規受託製品の増加により大幅な増収となり、増収効果により増益。医療関連サービス等事業は、外部ロジスティクス事業におけるメーカー物流の既存受託増などにより増収し、増収効果やデジタルヘルス事業の収益改善により増益となった。

セグメント売上高(百万円)前年同期比営業利益(百万円)前年同期比
医薬品卸売事業2,401,013+3.8%31,467▲1.4%
ヘルスケア製品開発事業51,636▲1.9%830▲56.6%
地域医療介護支援事業93,937▲0.5%1,549+20.0%
スペシャリティ医薬品流通受託事業436,100+47.6%1,155+36.5%
医療関連サービス等事業42,964+1.8%1,276+21.6%

通期業績予想(2027年3月期)

2027年3月期の連結業績予想は、売上高2,563,000百万円(前期比76,352百万円増)と増収を見込む一方、営業利益31,200百万円(同▲5,174百万円)、経常利益34,300百万円(同▲5,444百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益25,000百万円(同▲13,136百万円)といずれも減益を予想する。連結ROEは6%と予想しており、主に賃金や物価上昇などのコスト増が影響する。医薬品卸売事業セグメントは市場伸長やスペシャリティ医薬品の寄与を踏まえ増収予想だが、賃金・物価・委託費の値上げ対応などによるコスト増を見込み減益予想。なお2026年度よりセグメント区分が変更され、スズケン・サンキ・アスティス・翔薬・ナカノ薬品・スズケン岩手・スズケン沖縄薬品・エス・ディ・コラボ・クラウメド・ピーエスシーの10社が当セグメントの対象となる。

項目2027年3月期(予想)2026年3月期(実績)前期比
売上高2,563,0002,486,647+76,352
売上総利益194,300192,524+1,775
販売費及び一般管理費163,100156,149+6,950
営業利益31,20036,374▲5,174
経常利益34,30039,744▲5,444
親会社株主に帰属する当期純利益25,00038,136▲13,136
2027年3月期通期業績予想の表
出典:スズケン2026年3月期決算説明会資料 P.51

株主還元

株主還元方針は、安定的な配当の継続を基本とし、前中期経営計画「For your next heartbeat~未来に向けた鼓動を創ろう~」の最終年度である2026年3月期までの3年間平均で総還元性向100%以上の株主還元を実施するというもの。2026年3月期の配当は中間50円・期末50円の年間100円で、配当総額6,877百万円、総還元性向86.2%(3年間平均98.1%)だった。2027年3月期は総還元性向100%を予定し、配当は中間60円・期末30円(2026年10月1日の1:2株式分割を反映、分割前換算では年間120円相当・前期比+20円の20%増)、配当総額8,116百万円、配当性向32.5%を予想する。新中期経営計画では配当政策としてDOE(純資産配当率)を新たな指標とし、2029年3月期にDOE3.0%程度を目標に掲げる。

決算期中間配当期末配当年間配当配当総額(百万円)自己株式取得(百万円)当期純利益(百万円)総還元性向
2024年3月期40円40円80円6,41725,00029,016108.3%
2025年3月期50円50円100円7,48627,98034,496102.8%
2026年3月期50円50円100円6,87725,99938,13686.2%
配当金推移と総還元性向のグラフ
出典:スズケン2026年3月期決算説明会資料 P.22

新中期経営計画

新中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)は「第3の創業」を掲げ、「次世代卸」への進化、事業ポートフォリオの再設計、経営基盤の強化を柱とする。本中計期間の経営指標は、2029年3月期に連結売上高2.7兆円以上、ROEは各年度で資本コスト(6.0%)以上の水準とし2029年3月期に7.0%以上、経常利益率は連結1.5%以上・卸売事業セグメント1.0%以上を目標とする。投資計画は3カ年累計600億円以上(M&A・戦略投資等は機動的に実施)。株主還元は各年度で安定的な配当の継続を基本に総還元性向100%を基準として実施し、政策保有株式は2029年3月期に連結純資産額の10.0%以下への縮減を目指す。さらに5年後の2031年3月期には、連結売上高3兆円以上、ROE8.0%以上を長期目標として掲げている。

新中期経営計画の主要経営指標を示す表
出典:スズケン2026年3月期決算説明会資料 P.27

※本記事はスズケンが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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