※本記事は帝国ホテルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
帝国ホテルの2026年3月期連結業績は、売上高562億67百万円(前期比7.0%増)、営業利益21億26百万円(同33.7%増)、経常利益26億64百万円(同29.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益42億90百万円(同65.9%増)と増収増益になった。円安に加え大阪・関西万博の開催によりインバウンド需要が上期を中心に大きく伸長したことが増収を牽引した。開業135周年や大阪開業30周年、京都の新規開業という節目を捉えた記念企画や万博需要の取り込みによりブランド力強化と売上伸長に努めたことに加え、繰延税金資産の計上もあり当期純利益は大きく伸びた。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の売上高は562億67百万円(前期比7.0%増)となった。ホテル・観光業界では円安に加え大阪・関西万博の開催により上期を中心にインバウンド需要が大きく伸長し、下期には日中関係の悪化に伴う渡航制限や中東情勢の緊迫化などの影響があったものの、全体として堅調に推移した。当社グループでは開業135周年や大阪開業30周年、京都の新規開業という節目を迎え、記念企画や万博需要の取り込みによりブランド力強化と売上伸長に努めたほか、東京ではタワー館客室の稼働を再開した。経費面では人的投資を強化しつつデジタル化で経費を抑制し、利益を確保した。この結果、EBITDAは46億49百万円(同14.9%増)、営業利益は21億26百万円(同33.7%増)、経常利益は26億64百万円(同29.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は繰延税金資産の計上もあり42億90百万円(同65.9%増)となった。1株当たり当期純利益は36円22銭(前期21円79銭)。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 56,267百万円 | 52,610百万円 | 3,656百万円 | 7.0% |
| EBITDA | 4,649百万円 | 4,045百万円 | 604百万円 | 14.9% |
| 営業利益 | 2,126百万円 | 1,590百万円 | 536百万円 | 33.7% |
| 経常利益 | 2,664百万円 | 2,062百万円 | 601百万円 | 29.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,290百万円 | 2,585百万円 | 1,704百万円 | 65.9% |
| 1株当たり当期純利益 | 36円22銭 | 21円79銭 | 14円43銭 | 66.2% |
セグメント別の状況
セグメント別では、ホテル事業の売上高が558億65百万円(前期比6.7%増)、セグメント利益が48億80百万円(同4.8%増)となった。不動産賃貸事業は売上高4億1百万円(同45.3%増)、セグメント利益は1億7百万円(前期は△2億53百万円)となった。各報告セグメントに配賦していない全社費用等の調整額はセグメント利益で△28億61百万円(前期△28億14百万円)だった。これらの結果、連結計上額は売上高562億67百万円(同7.0%増)、セグメント利益21億26百万円(同33.7%増)となった。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|---|
| ホテル事業 | 売上高 | 55,865百万円 | 52,337百万円 | +3,528百万円(+6.7%) |
| ホテル事業 | セグメント利益 | 4,880百万円 | 4,658百万円 | +222百万円(+4.8%) |
| 不動産賃貸事業 | 売上高 | 401百万円 | 276百万円 | +125百万円(+45.3%) |
| 不動産賃貸事業 | セグメント利益 | 107百万円 | △253百万円 | +361百万円 |
| 調整額 | 売上高 | - | △2百万円 | - |
| 調整額 | セグメント利益 | △2,861百万円 | △2,814百万円 | - |
| 連結計上額 | 売上高 | 56,267百万円 | 52,610百万円 | +3,656百万円(+7.0%) |
| 連結計上額 | セグメント利益 | 2,126百万円 | 1,590百万円 | +536百万円(+33.7%) |

財務基盤(連結貸借対照表)
2026年3月末の資産合計は818億69百万円(前期末比18.6%増)となった。流動資産合計は343億39百万円(同23.6%増、主因は有価証券の増加)、固定資産合計は475億29百万円(同15.2%増、主因は有形固定資産の増加)だった。負債合計は327億93百万円(同38.4%増)で、流動負債合計は176億18百万円(同133.5%増、主因は短期借入金の増加)、固定負債合計は151億74百万円(同6.0%減、主因は繰延税金負債の減少)だった。純資産合計は490億76百万円(同8.2%増、主因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上)となり、自己資本比率は59.9%(前期末65.7%、前々期末65.5%)となった。
| 項目 | 2026年3月31日 | 2025年3月31日 | 前期末比 | 前期末比(%) |
|---|---|---|---|---|
| 流動資産合計 | 34,339百万円 | 27,785百万円 | 6,554百万円 | 23.6% |
| 固定資産合計 | 47,529百万円 | 41,249百万円 | 6,280百万円 | 15.2% |
| 資産合計 | 81,869百万円 | 69,034百万円 | 12,834百万円 | 18.6% |
| 流動負債合計 | 17,618百万円 | 7,545百万円 | 10,073百万円 | 133.5% |
| 固定負債合計 | 15,174百万円 | 16,141百万円 | △967百万円 | △6.0% |
| 負債合計 | 32,793百万円 | 23,686百万円 | 9,106百万円 | 38.4% |
| 純資産合計 | 49,076百万円 | 45,347百万円 | 3,728百万円 | 8.2% |
| 自己資本比率 | 59.9% | 65.7% | - | - |

株主還元
本資料に配当金額の記載はなく、株主還元としては株主優待制度が案内されている。毎年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された100株以上保有の株主を対象に、年1回、定時株主総会終了後(6月下旬)に順次優待券を送付する。保有株式数に応じてホテル利用券等を贈呈するほか、継続保有年数5年以上の株主には長期保有者優遇制度により優待内容を上乗せする。
| 保有株式数 | 優待内容(継続保有5年未満) | 長期保有者優遇(継続保有5年以上) |
|---|---|---|
| 100株以上300株未満 | 1,000円(1,000円券1枚) | - |
| 300株以上1,000株未満 | 3,000円(1,000円券3枚) | 左記に+1,000円(1,000円券1枚) |
| 1,000株以上2,000株未満 | 10,000円(5,000円券2枚) | 左記に+5,000円(5,000円券1枚) |
| 2,000株以上10,000株未満 | 25,000円(5,000円券5枚) | 左記に+15,000円(5,000円券3枚) |
| 10,000株以上 | 25,000円(5,000円券5枚)、宿泊1泊招待券 | 左記に+15,000円(5,000円券3枚) |

中長期経営計画2036/トピック
中長期経営計画2036のもと、2025年度は「グランドホテルの進化」「企業としての安定的成長」「社会課題の解決」を重点課題に取り組んだ。訪日外国人宿泊客向けの新サービスとして、オンラインモール「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」を活用したお土産事前手配サービス「IMPERIAL HOTEL SELECTION」を開始したほか、大阪事業所では2026年3月15日の開業30周年に向けてスローガン・シンボルマークを作成し記念プラン・商品を販売した。2025年11月3日の開業135周年にあたっては各種記念企画やイベント、記念商品の開発・販売を実施した。社会課題への取り組みでは、健康経営優良法人2026(大規模法人部門)に5年連続、上位法人に付加される「ホワイト500」に2年連続で認定されたほか、食べ残しの持ち帰り「mottECO」や食育活動「味覚の一週間」への参画を進めた。
京都事業では、祇園甲部歌舞練場敷地内の弥栄会館の一部を保存活用した新規ホテル計画を推進し、2026年3月5日に「帝国ホテル 京都」を開業した。帝国ホテルブランドのホテルとしては4拠点目で、1996年の「帝国ホテル 大阪」開業以来、約30年ぶりの新規開業となった。規模は地上7階・地下2階で、客室数55室のほかレストラン、バー、ウェルネス施設(スパ、プール、フィットネスジム)等を備える。竣工は2025年12月、開業日は2026年3月5日。

今後の見通し
今後の見通しについては、世界情勢の変化に伴う原材料やエネルギー価格の上昇に加え、各国の金融政策の変化などの景気下押しリスクを注視する必要がある一方、国内では雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により個人消費を中心に緩やかな回復が継続することが期待される。帝国ホテル 東京の建て替え計画については、内幸町一丁目街区の再開発計画の進捗状況や近時の社会環境などに鑑み、より質の高い事業計画の検討に要する期間が必要と判断し、2030年度末頃のタワー館解体工事着工を目指すこととした。検討期間中は現タワー館の客室と宴会場に加え、オフィス、テナントなどの不動産事業も営業を再開することで収益を最大化するとともに、東京の本館、上高地、大阪、京都についても需給変動に応じた機動的な価格政策や付加価値の高い商品提供により安定的な収益確保を図るとしている。
※本記事は帝国ホテルが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。