※本記事は神姫バスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
神姫バスの2026年3月期連結決算は、売上高55,580百万円(前期比+5.0%)、営業利益4,199百万円(同+20.9%)、経常利益4,434百万円(同+18.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益3,158百万円(同+27.8%)となった。主要事業である自動車運送で一般路線バスの運賃改定や、大阪・関西万博などのイベントに伴う需要を捉えたことで、売上高・営業利益とも増加した。売上高は前期実績を上回る550億円超となり過去最高を更新し、親会社株主に帰属する当期純利益も前期を超える過去最高益を達成した。
連結業績(2026年3月期 実績)
2026年3月期の売上高経常利益率は8.0%(前期7.0%、+1.0pt)。1株当たり当期純利益は261.64円(株式分割前換算523.27円)で、前期の204.95円(同409.89円)から+27.7%増加した。なお、2025年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、前期の数値は分割後ベースに換算して比較している。また、当期より有形固定資産「車両」の減価償却方法を定率法から定額法に変更し、耐用年数も見直したことで、各利益項目は従来の方法・年数と比較して797百万円増加した。
| 項目 | 2026年3月期 実績 | 2025年3月期 実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 55,580百万円 | 52,954百万円 | +5.0% |
| 営業利益 | 4,199百万円 | 3,474百万円 | +20.9% |
| 経常利益 | 4,434百万円 | 3,729百万円 | +18.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,158百万円 | 2,471百万円 | +27.8% |
| 1株当たり当期純利益 | 261.64円 | 204.95円 | +27.7% |
セグメント別の状況
自動車運送は、路線バスで中距離線の増便や4月にオープンした「GLION ARENA KOBE」向けシャトル輸送、2024年10月実施の運賃改定などにより増収。高速バスも大阪・関西万博へのアクセスバス「EXPO号」が期間中約1万便運行し52万人以上が利用したことなどが寄与し、セグメント売上高は25,590百万円(同+7.0%)、営業利益は2,124百万円(同+49.2%)と大幅増益となった。車両物販・整備は、整備部品の出荷増や工賃単価(レバレート)の見直しなどにより売上高7,899百万円(同+3.6%)、営業利益950百万円(同+8.6%)と増収増益。不動産は、大型商業施設の改装に伴う一時解約で賃貸料収入が減少したものの、大規模な新築工事の受注増があり、売上高5,520百万円(同△1.9%)、営業利益1,407百万円(同△1.6%)とほぼ横ばいだった。レジャーサービスは、サービスエリア事業が万博関連需要で伸びたが、新施設の立ち上げ費用先行などにより営業損失80百万円(前期は営業損失44百万円)となった。旅行貸切は、大阪・関西万博ツアーや貸切バスの受注増などにより売上高6,970百万円(同+6.7%)、営業利益23百万円(前期は営業損失68百万円)と黒字化した。
| セグメント | 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|
| 自動車運送 | 売上高 | 25,590百万円 | 23,924百万円 |
| 自動車運送 | 営業利益 | 2,124百万円 | 1,423百万円 |
| 車両物販・整備 | 売上高 | 7,899百万円 | 7,626百万円 |
| 車両物販・整備 | 営業利益 | 950百万円 | 875百万円 |
| 不動産 | 売上高 | 5,520百万円 | 5,627百万円 |
| 不動産 | 営業利益 | 1,407百万円 | 1,430百万円 |
| レジャーサービス | 売上高 | 5,022百万円 | 4,540百万円 |
| レジャーサービス | 営業利益 | △80百万円 | △44百万円 |
| 旅行貸切 | 売上高 | 6,970百万円 | 6,535百万円 |
| 旅行貸切 | 営業利益 | 23百万円 | △68百万円 |
| その他 | 売上高 | 4,575百万円 | 4,699百万円 |
| その他 | 営業利益 | △171百万円 | △102百万円 |

通期業績予想(2027年3月期)
売上高は、大阪・関西万博の反動による自動車運送やレジャーサービス、旅行貸切の減収を見込む一方、不動産での開発案件や旅行貸切のツアー新設といった新たな収入策の取り組みにより増収を見込む。利益は、ベースアップや人材確保による人件費の増加、バス車両(装備品含む)の更新や自動車整備工場の建替え関連費用などの増加により減益を見込む。なお中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの高まりにより、資源価格のさらなる高騰や供給不安定化が懸念されるとしており、現時点では業績予想に一定程度織り込んでいるが、情勢の推移によっては業績にさらなる影響を及ぼす可能性があるとしている。
| 項目 | 2027年3月期 予想 | 2026年3月期 実績 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 57,000百万円 | 55,580百万円 | +2.6% |
| 営業利益 | 3,300百万円 | 4,199百万円 | △21.4% |
| 経常利益 | 3,400百万円 | 4,434百万円 | △23.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,200百万円 | 3,158百万円 | △30.3% |
| 1株当たり当期純利益 | 182.24円 | 261.64円 | △30.3% |

セグメント別では、自動車運送は大阪・関西万博の反動により減収減益を見込む一方、不動産は大型建設案件の受注獲得や不動産開発売上の計上、2026年3月期に取得した賃貸マンションの通年寄与などにより増収増益を見込む。車両物販・整備は車両部品の販売拡大で増収を見込むが、社員ベースアップや主要整備工場の建替え関連費用の増加により減益を見込む。旅行貸切は運転士確保による貸切バス稼働の増加や高速バス(東京便)の増便、東京発着の新ツアー開始などにより増収増益を見込む。レジャーサービスは飲食のオリジナルブランド新規出店やTSUTAYAの物販拡大などにより増収増益を見込む。
長期業績推移
売上高は2017年3月期から2026年3月期にかけて増加基調で推移し、2026年3月期は過去最高であった前期実績を上回る550億円超となり、過去最高を更新した。親会社株主に帰属する当期純利益は同期間で増減を繰り返しつつ、2026年3月期は自動車運送の大幅な増益が寄与し、前期を超える過去最高益を達成した。なお2021年3月期以前は「収益認識に関する会計基準」適用による新たな表示方法での組替えを行っていない。

株主還元
2026年3月期の配当は、直近予想から10円増配した期末配当1株当たり30円とし、株式分割考慮後で年間1株当たり50円(前期比+20円)とした。配当性向は19.1%(前期比+4.5%)となった。2027年3月期は業績予想を勘案し、5円減配の年間1株当たり45円配当を予定している。1株当たり配当額は2025年10月1日を効力発生日とする普通株式1株につき2株の株式分割を考慮した金額で記載されている。
| 項目 | 2026年3月期 実績 | 2025年3月期 実績 | 2027年3月期 予想 |
|---|---|---|---|
| 1株当たり配当額(年間) | 50.00円(分割前100.00円) | 60.00円 | 45.00円 |
| 配当性向 | 19.1% | 開示なし | 開示なし |

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応
PBRは依然として0.4倍程度で推移しており、2026年3月期のROEは6.1%まで改善したものの、金利上昇などに伴い株主資本コストも上昇傾向にあるため、更なる資本収益性の向上が必要と認識している。2025年10月には株式の流動性向上を目的に株式分割を実施したが、PERは依然低位であり、市場からの成長期待の醸成が課題としている。今後は中期経営計画の着実な実行と機動的な成長投資を実行し、持続的な利益成長を目指すとともに、資本市場への説明と対話を強化し、市場評価の向上に努めるとしている。株主還元については2027年度の配当性向目標30%に向けて段階的に引き上げるとしている。
中期経営計画
2028年3月期を目標年度とする中期経営計画では、売上高590億円、営業利益37億円を目標としている。2027年3月期は設備投資などによって増収・減益となる見込みだが、中期経営計画の目標達成に向け、持続的成長を支える既存事業の強化と成長事業の開拓・拡大に取り組むとしている。
※本記事は神姫バスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。