※本記事は田中精密工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
田中精密工業の2026年3月期は、株式会社米谷製作所の子会社化やソリューション事業における売上拡大により売上高が前期比8.2%増の43,790百万円となった。一方、北米での売上製品構成変化及び新規立上げコストの影響で営業利益は同12.3%減の2,372百万円、固定資産の除却に伴う特別損失778百万円の計上により親会社株主に帰属する当期純利益は同33.2%減の1,194百万円となった。2027年3月期は売上高44,800百万円(前期比2.3%増)を見込む一方、売上製品構成の変化に伴う立上げコスト負担の増加により営業利益は1,700百万円(同28.3%減)を予想しており、単年度の利益減少を伴う成長投資フェーズと位置づけている。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は増収となったものの、営業利益・経常利益・当期純利益はいずれも前期を下回った。営業利益率は6.7%から5.4%へ1.3pt低下した。
| 項目 | 2026年3月期 当期実績 | 2025年3月期 前期実績 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 43,790 | 40,474 | 3,316 | 8.2% |
| 営業利益 | 2,372 | 2,704 | -332 | -12.3% |
| 経常利益 | 2,554 | 3,135 | -581 | -18.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,194 | 1,788 | -593 | -33.2% |
| 営業利益率 | 5.4% | 6.7% | -1.3pt | – |

事業ポートフォリオの状況
長期経営計画「Next35」では、部品製造(Pm)・ソリューション(So)・モビリティ(Mo)の3事業部が展開されている。営業利益構成比は現状(2025年時点)で部品製造74%・モビリティ23%・ソリューション3%となっているが、2035年には既存領域を部品製造43%・モビリティ12%・ソリューション13%へ縮小し、新事業16%、部品製造新領域8%、モビリティ新領域8%を新たに確保することで、営業利益の30%以上を新事業・新領域で得る構成へシフトする方針である。
| 区分 | 現状(2025) | 目標(2035) |
|---|---|---|
| 部品製造(Pm) | 74% | 43% |
| モビリティ(Mo) | 23% | 12% |
| ソリューション(So) | 3% | 13% |
| 新事業 | – | 16% |
| 部品製造 新領域 | – | 8% |
| モビリティ 新領域 | – | 8% |
TOPICS:北米新規投資とHEV展開
北米ではトヨタ系及びHondaを対象に約43百万ドル(総投資額約55百万ドル)の新規投資を実施し、FY26〜27での量産立上げにより中期の売上基盤確保を目指す。HEV用部品の新規受注獲得やトヨタ系企業への販路拡大により、BEV減速下でも成長領域を確保し、ICE依存からの構造転換を前進させる方針としている。
通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は増収を見込む一方、立上げコスト負担の増加により営業利益・経常利益は減益を予想する。なお、当日開示の「投資有価証券売却に伴う特別利益の計上見込みに関するお知らせ」のとおり特別利益620百万円を計上する見込みで、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比25.6%増の1,500百万円を予想している。
| 項目 | 2027年3月期 見通し | 2026年3月期 当期実績 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 44,800 | 43,790 | 1,010 | 2.3% |
| 営業利益 | 1,700 | 2,372 | -672 | -28.3% |
| 経常利益 | 1,800 | 2,554 | -754 | -29.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,500 | 1,194 | 306 | 25.6% |
| 営業利益率 | 3.8% | 5.4% | -1.6pt | – |

株主還元
配当性向30%を目標水準として安定的かつ段階的な株主還元を基本方針とする。1株当たり年間配当額は2022年3月期の6円から段階的に引き上げ、2026年3月期は32円、2027年3月期は34円を予想している。2027年3月期には総額11億円程度の自己株式取得を予定しており、今後も機動的な自社株買いを検討するとしている。
| 期 | 1株当たり年間配当額 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | 6円 | 15.7% |
| 2023年3月期 | 8円 | 7.6% |
| 2024年3月期 | 22円 | 9.6% |
| 2025年3月期 | 32円 | 17.3% |
| 2026年3月期 | 32円 | 26.0% |
| 2027年3月期(予想) | 34円 | 22.0% |

長期経営計画「Next35」
1948年創業の同社グループは、本年度より長期経営計画「Next35」をスタートした。2026年度〜2030年度のキャピタルアロケーションでは、営業CF等300億円を成長投資350億円(戦略投資250億円・M&A100億円)に充当する方針を掲げている。経営目標として営業利益・ROE・ROICの向上を掲げ、「基盤整備」「成長加速」「構造転換」の段階を経て事業領域の拡大と資本効率の改善、ポートフォリオ変革の実現を目指すとしている。

※本記事は田中精密工業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。