黒田グループ

黒田グループ、2026年3月期は営業利益65億円で増益 当期利益は減益

決算サマリー 2026.08.13
黒田グループ、2026年3月期は営業利益65億円で増益 当期利益は減益

※本記事は黒田グループが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

黒田グループは2026年3月期の決算を発表した。売上収益は1,228億円(前年同期比+1.2%)とほぼ前年並みで推移した。営業利益は65億円(同+10.3%、利益率5.3%)と増益となった。HDD部品事業での一部顧客向けフィルター販売終了や構造転換費用など一過性の減益要因があったものの、電設資材事業に係る不動産売却益約18億円の計上が寄与した。一方、親会社の所有者に帰属する当期利益はグループ会社からの配当源泉税の増加や不動産売却益にかかる税負担の増加等により35億円(同▲10.0%)と減益となった。

目次

連結業績(当期 実績)

自己資本比率は42.0%(前年同期比+1.9pp)に上昇した一方、当期利益の減少によりROEは8.9%(同▲1.9pp)、ROICは6.4%(同▲0.5pp)といずれも低下した。フリーキャッシュ・フローは営業債権の回収が前倒しで進んだことや不動産の売却収入があったことにより77億円(同+118.2%)と大幅に増加した。営業利益の増減要因としては、製造事業で本業の利益が約7億円減少した一方、固定資産売却益約18億円の計上と、固定資産減損損失約6億円・構造転換費用約1億円の計上があった。商社事業は本業で車載事業を中心に約3億円増益となったが、構造転換費用約3億円の計上により事業全体では前年同期と同水準となった。本社費は前年同期並みで、セグメント間調整額の差異が+2億円となった。

項目2025/3期2026/3期前年度比
売上収益1,213億円1,228億円+1.2%
営業利益(利益率)59億円(4.9%)65億円(5.3%)+10.3%(+0.4pp)
親会社の所有者に帰属する当期利益39億円35億円▲10.0%
自己資本比率40.1%42.0%+1.9pp
ROE10.8%8.9%▲1.9pp
ROIC6.9%6.4%▲0.5pp
フリーキャッシュフロー35億円77億円+118.2%
2026年3月期 決算実績(連結業績サマリー)
出典:287A_黒田グループ_2026年3月期_通期_説明資料 P.4

セグメント別(事業別)の状況

製造事業は売上収益319億円(前年同期304億円)、営業利益45億円(同41億円、利益率14.1%)となった。液晶生産材は自動化設備がHDD向け設備需要の好調で増収増益となった一方、配向膜印刷版は品質課題対応費用や中国現地体制強化のための先行費用により減益。HDD部品はデータセンター向けでシール・ラベルが増収増益となったが、フィルターは一部顧客への販売終了と製造拠点集約に伴う一時費用により減収減益となり、事業全体では増収減益。電設資材は原材料価格高騰に伴う価格転嫁を進め増収となり、旧拠点の不動産売却益約18億円の計上により増益。その他製造事業は自動車用樹脂成形事業等で固定資産減損約6億円を計上し増収減益となった。商社事業は売上収益930億円(前年同期929億円)、営業利益33億円(前年同期33億円、利益率3.5%)とほぼ横ばい。車載はプリント基板を含む電子部品の販売が堅調で前年同期並みの利益を確保した一方、国内/海外地域は中国景気減速に伴う各種部材や国内向けEV関連部材の売上が低調で、第1・第4四半期に中国子会社での構造転換費用を合計約3億円計上した。

セグメント指標2025/3期2026/3期
製造事業売上収益304億円319億円
製造事業営業利益(利益率)41億円(13.4%)45億円(14.1%)
商社事業売上収益929億円930億円
商社事業営業利益(利益率)33億円(3.5%)33億円(3.5%)
セグメント別業績(製造事業)
出典:287A_黒田グループ_2026年3月期_通期_説明資料 P.7

通期業績予想

2027年3月期は売上収益1,250億円(前年度比+1.8%)、営業利益70億円(同+7.1%、利益率5.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益41億円(同+16.4%)を見込む。自己資本比率は44.1%(同+2.1pp)、ROEは10.0%(同+1.1pp)、ROICは7.7%(同+1.3pp)といずれも改善する見通し。なお、中東情勢における各国・地域ごとの事業環境の変化と影響を同社グループのみで予測することは困難であり、通期業績予想には織り込んでいないと資料に記載されている。

項目2026/3期 実績2027/3期 予想前年度比
売上収益1,228億円1,250億円+1.8%
営業利益(利益率)65億円(5.3%)70億円(5.6%)+7.1%(+0.3pp)
親会社の所有者に帰属する当期利益35億円41億円+16.4%
自己資本比率42.0%44.1%+2.1pp
ROE8.9%10.0%+1.1pp
ROIC6.4%7.7%+1.3pp
2027年3月期 業績予想
出典:287A_黒田グループ_2026年3月期_通期_説明資料 P.10

株主還元

一株当たり配当金は中間期30円(前年同期実績)から31円へ、期末31円から32円へ引き上げる計画で、資料には年間合計の増配額として「+2円」と記載されている。株主還元方針としてはDOE(親会社所有者帰属持分(除くその他包括利益)基準、配当期の期首数値を参照)7%を基準とした累進配当(原則として減配を行わず、配当の維持もしくは増配を行う配当政策)を継続する。財務規律として自己資本比率40%程度を維持しながら、成長投資・借入金返済・株主還元へ適切に充当する方針で、既存事業への成長投資を継続しつつ借入金の圧縮を進め、次の成長の柱となる新規事業を組み入れ可能な調達余力を堅持するとしている。手元現預金水準は月商1ヵ月程度を基本とし、将来の資金ニーズも勘案したうえで余剰となる部分は株主還元へ機動的に充当する方針。3ヵ年計画期間におけるキャッシュアロケーション計画及び基本方針は当初の3ヵ年計画から変更はないとしている。

区分2026/3期 実績2027/3期 予想
中間期30円31円
期末31円32円
株主還元・キャッシュアロケーション方針
出典:287A_黒田グループ_2026年3月期_通期_説明資料 P.16

3ヵ年計画(2026/3期~2028/3期)進捗

同社は2026/3期~2028/3期の3ヵ年計画において、27/3期と28/3期の各年間で同水準の利益成長により計画達成を目指すとしている。これに加え、次の成長の柱となる製造事業の新規組み入れを図るとしており、新規組み入れ事業の業績は3ヵ年計画の計画数値には含まれていない。成長要因として、製造事業では液晶生産材の中国工場本格稼働による中国地域でのシェアアップ、電設資材の新製品拡販・新拠点による経営効率化、HDD部品のデータセンター向け旺盛な需要及びフィルター事業構造転換による収益改善を挙げている。商社事業では車載の量産部品グローバル安定供給・開発技術部門の確立、地域における顧客密着での対応による安定収益確保を挙げている。基本戦略としては、品質を根幹に据えた製造力の底上げ、デジタル対応×技術力強化による事業運営のスピードアップと顧客対応力の向上、現地化の徹底による各事業法人の特徴を活かした自立的でサステナブルな経営を掲げている。

※本記事は黒田グループが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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