伊藤ハム米久ホールディングス

伊藤ハム米久ホールディングス、2026年3月期は売上高が初めて1兆円を超え過去最高を更新 経常利益304億円で中計目標を1年前倒し達成

決算サマリー 2026.08.13
伊藤ハム米久ホールディングス、2026年3月期は売上高が初めて1兆円を超え過去最高を更新 経常利益304億円で中計目標を1年前倒し達成

※本記事は伊藤ハム米久ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

伊藤ハム米久ホールディングスは2026年5月8日、2026年3月期(25年度)通期決算説明会を開催した。25年度の通期決算は全体として増収増益となり、売上高は初めて1兆円を超える1兆714億円、経常利益は304億円(前年比+46.5%)、当期純利益は202億円(前年比+54.8%)と、売上高・経常利益・当期純利益がホールディングス発足以来の過去最高を更新した。現中期経営計画の定量目標(経常利益300億円、ROE6.2%、ROIC5.9%)はいずれも1年前倒しで達成し、ROEは7.0%、ROICは6.5%となった。

目次

連結業績(2026年3月期 実績)

売上高は前年同期比826億円増の1兆714億円、営業利益は前年比89億円増の285億円、経常利益は96億円増の304億円、当期純利益は71億円増の202億円となり、各段階利益でホールディングス発足後過去最高利益となった。なお、当連結会計期間より連結子会社ANZCO FOODSグループおよびITOHAM AMERICAの決算日を12月31日から3月31日に変更しており、当該子会社の業績15カ月分が含まれる。ANZCO FOODSの決算期変更による影響額は売上高で406億円、営業利益で13億円、経常利益で11億円。地域別では、売上高の増加826億円のうち日本国内が+189億円、海外が+638億円で、海外比率は前年同期比+4.8ポイントの19.8%となった。

項目当期実績前年比
売上高1兆714億円+826億円
営業利益285億円+89億円
経常利益304億円+96億円(+46.5%)
当期純利益202億円+71億円(+54.8%)

貸借対照表では、総資産が前年度比577億円増の5,247億円、純資産は+92億円の2,955億円。キャッシュフローは営業活動で137億円の増加、投資活動で260億円の減少となり、フリーキャッシュフローは▲123億円。設備投資は新三島工場の建設仮勘定91億円などにより286億円となった。

2026年3月期通期決算のサマリー説明。売上高1兆714億円、経常利益304億円、当期純利益202億円で過去最高を更新
出典:伊藤ハム米久ホールディングス 2026年3月期 通期決算説明会 P.2

セグメント別の状況

加工食品事業は減収減益となった。売上高は単価の改善を進めたものの販売数量の拡大に苦戦し前年比23億円の減収、経常利益は前年比3億円の減益で前回予想を6億円下回った。利益増減では、数量要因が▲26億円となった一方、価格改定と内部要因の改善で70億円の効果を出したが、主原料コスト上昇28億円と物流コスト19億円により外部環境合計で47億円のマイナス影響があった。販売実績では、ハムソーセージの重量が前年比1.9%減、調理加工品は前年対比4%減となった。

食肉事業は増収増益で、セグメントとしては過去最高益となった。売上高は6,728億円(前年比+849億円、+14.4%)、経常利益は226億円(前年比+103億円、+84.3%)。国産豚肉の採算改善、輸入鶏肉や国産鶏肉の市況の好調、ANZCO事業の収益回復が主因で、ANZCO事業では北米向け牛肉輸出価格の上昇や欧州・北米向け羊肉販売の好調に加え、決算期変更により15カ月分の利益を取り込んだ。販売金額は全ての畜種で前年を上回った。

セグメント指標当期実績前年比
加工食品事業売上高開示なし(減収)▲23億円
加工食品事業経常利益開示なし(減益)▲3億円
食肉事業売上高6,728億円+849億円(+14.4%)
食肉事業経常利益226億円+103億円(+84.3%)
食肉事業の25年度通期実績。売上高6,728億円(前年比+14.4%)、経常利益226億円(前年比+84.3%)
出典:伊藤ハム米久ホールディングス 2026年3月期 通期決算説明会 P.17

通期業績予想(26年度)

26年度の全社業績は減収減益の見通し。売上高1兆400億円、営業利益270億円、経常利益280億円、当期純利益185億円を計画する。セグメント別では、加工食品事業は売上高4,100億円(前年比+144億円)、経常利益100億円(前年比+6億円)の増収増益計画。単価改善や商品規格の集約、商品の新陳代謝で合計113億円の利益改善を行い、104億円のコスト増加を打ち返す計画とする。食肉事業は売上高6,300億円(前年比▲428億円、▲6.4%)、経常利益195億円(前年比▲31億円、▲13.8%)の減収減益計画で、25年度に好調だった輸入鶏肉事業やANZCO事業の決算期変更による一過性利益の反動減を織り込む。26年度のROEは6.2%、ROICは5.4%と低下する見込みで、セグメント別ROICは加工食品4.3%、食肉6.7%の見通し。

項目26年度予想前年比
売上高1兆400億円開示なし(減収)
営業利益270億円開示なし
経常利益280億円開示なし(減益)
当期純利益185億円開示なし(減益)
加工食品事業 売上高4,100億円+144億円
加工食品事業 経常利益100億円+6億円
食肉事業 売上高6,300億円▲428億円(▲6.4%)
食肉事業 経常利益195億円▲31億円(▲13.8%)
26年度通期業績予想。売上高1兆400億円、営業利益270億円、経常利益280億円、当期純利益185億円
出典:伊藤ハム米久ホールディングス 2026年3月期 通期決算説明会 P.9

株主還元

進行中の中期経営計画上で、DOE3%以上と期間中の累進配当を掲げており、この方針を継続する計画。26年度は現時点で1株当たり155円の配当を計画しており、これはDOE3.2%に相当する。155円は25年度の普通配当から10円の増配で、配当性向は48%となる。中計期間の資金使途としては、投資に800億円、記念配当を含めた株主還元に350億円を投下予定としている。

項目26年度計画
1株当たり配当金155円(25年度の普通配当から10円増配)
DOE3.2%
配当性向48%
キャピタルアロケーションの説明。中計期間で投資800億円、記念配当を含む株主還元350億円を投下予定
出典:伊藤ハム米久ホールディングス 2026年3月期 通期決算説明会 P.23

中期経営計画2026の進捗と次期中計

25年度の経常利益304億円は中計定量目標の300億円を達成し過去最高益となった。26年度で現中計期間が終わり、27年度から新中計に入る。会社は可及的速やかにROE8%台への回復を実現するとし、収益基盤の強化と資本効率の改善に努める方針。3年間の営業キャッシュフローは累計600億円となる見通しで、営業・投資・株主還元のキャッシュフロー合計はネットで550億円の資金ショートとなり、財務レバレッジを活用して賄う予定。投下資本は25年度末時点で加工食品1,480億円、食肉事業2,130億円、その他90億円の全社3,700億円となった。

施策面では、加工食品事業は自社製品を24年度の約1,300SKUから26年度末に1,100へ減らして生産の効率化を進める取り組みで、25年度末は約▲50SKU、4%の減少となった。今年度に三島工場が運転を開始し、ソーセージや原型ベーコン製造で最先端の自動化ラインを獲得する。食肉事業では国産豚の取引条件の見直しや輸入食肉における未成約ポジションの抑制が奏功したほか、十和田ビーフプラントの稼働本格化により自社のと畜・カット比率が向上し、和牛輸出は当初想定を上回り伸長。鶏肉生産事業では養鶏能力を拡張しており、27年度に年間処理羽数1,500万羽に到達する見込み。

※本記事は伊藤ハム米久ホールディングスが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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