※本記事は愛知製鋼が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
愛知製鋼の2026年3月期連結業績は、売上収益3,043億円(前期比+51億円、+2%)、営業利益173億円(同+53億円、+45%)、親会社の所有者に帰属する当期利益112億円(同+34億円、+44%)となり、売上収益・営業利益は過去最高を更新した。ROEは4.8%(前期比+1.6pt)に改善した。既公表値(2026年2月3日公表)との比較では、売上収益は+43億円、営業利益は+23億円、当期利益は+12億円それぞれ上振れた。
連結業績(当期 実績)
前期比で増収増益となった。購入品価格の値下がりや工場原価低減、子会社の増益などにより営業利益は前期比+53億円の173億円となった。単独の売上数量は962千tから980千tへ+18千t(+2%)増加した。なお親会社の所有者に帰属する当期利益にはバルドマン社(Vardhman Special Steels Limited)の持分法による投資損益3.8億円を含む(2025年7月からの追加出資により持分法適用)。
| 項目 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3,043億円 | 2,992億円 | +51億円(+2%) |
| 営業利益 | 173億円 | 120億円 | +53億円(+45%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 112億円 | 78億円 | +34億円(+44%) |
| ROE | 4.8% | 3.2% | +1.6pt |
| 売上数量(千t、単独) | 980 | 962 | +18(+2%) |

カンパニー別の状況
カンパニー別では、鋼カンパニーは減収増益、ステンレスカンパニーは減収減益、鍛カンパニーは増収増益、スマートカンパニーは増収増益となった。ステンレスカンパニーは市場低迷の影響で販売数量・販売価格ともに減少し減益となった一方、鍛カンパニーは販売数量の増加や子会社の営業利益増加により大きく増益となった。
| カンパニー | 売上収益(2026年3月期) | 売上収益(2025年3月期) | 営業利益(2026年3月期) | 営業利益(2025年3月期) |
|---|---|---|---|---|
| 鋼カンパニー | 1,055億円 | 1,067億円 | 81億円(利益率7.7%) | 53億円(利益率5.0%) |
| ステンレスカンパニー | 388億円 | 440億円 | 4億円(利益率1.0%) | 23億円(利益率5.3%) |
| 鍛カンパニー | 1,348億円 | 1,255億円 | 66億円(利益率4.9%) | 24億円(利益率2.0%) |
| スマートカンパニー | 221億円 | 205億円 | 13億円(利益率6.2%) | 8億円(利益率4.0%) |
| その他 | 29億円 | 23億円 | 7億円(利益率26.8%) | 10億円(利益率43.6%) |
| 合計 | 3,043億円 | 2,992億円 | 173億円(利益率5.7%) | 120億円(利益率4.0%) |

通期業績予想(2027年3月期)
2027年3月期は売上収益3,100億円、営業利益175億円、親会社の所有者に帰属する当期利益113億円を見込む。なお、イラン情勢等による購入品価格高騰の影響は織り込んでいない。購入品価格の値上がりを見込むものの、販売価格の値上がり、販売数量の増加に加えて原価低減でカバーし、前期比増益を見込む。単独の売上数量は980千tから1,009千tへ+29千t(+3%)増加を見込む。
| 項目 | 2027年3月期(予想) | 2026年3月期(実績) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3,100億円 | 3,043億円 | +56億円(+2%) |
| 営業利益 | 175億円 | 173億円 | +2億円(+1%) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 113億円 | 112億円 | +1億円(+0%) |
| 売上数量(千t、単独) | 1,009 | 980 | +29(+3%) |

株主還元
2026年3月期は業績上振れに伴い、1株当たり通常配当を通期62円から69円へ増配し、特別配当と合わせ通期145円とした(配当性向85.0%)。2027年3月期は通常配当72円に特別配当78円を加え、通期150円を予定する(配当性向85.0%)。なお2025年7月1日を効力発生日として普通株式1株につき4株の割合で株式分割を実施しており、記載の配当金額は分割後のもの。方針としては配当性向40%以上(継続)を掲げ、資本収益性を意識した機動的な株主還元を実施するとしている。
| 区分 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 中間配当(通常) | 31円 | 36円 |
| 中間配当(特別) | 38円 | 39円 |
| 通期配当(通常) | 69円 | 72円 |
| 通期配当(特別) | 76円 | 78円 |
| 配当金合計(通期) | 145円 | 150円 |
| 配当性向 | 85.0% | 85.0% |

中期経営計画アップデートの進捗
現中期経営計画(24~26年度)に対する2025年度実績は、ROE4.8%(目標4%以上)、売上収益3,043億円(目標3,400億円)、営業利益173億円(目標150億円)、自己資本比率59%(目標50-55%)となった。2030年度目標はROE8%以上、売上収益4,000億円、営業利益280億円、自己資本比率50%程度であり、現中計終了年度(2026年度)はこの30年度目標実現へのマイルストーンと位置付けている。株主還元では2025年度に自己株式取得262億円、特別配当50億円、通常配当43億円(うち2026年6月定時株主総会に提案予定分を含む)を実施した。政策保有株式(上場)は2024・2025年度で9銘柄を売却し、退職給付資産の株式売却と合わせ約452億円を創出した。
※本記事は愛知製鋼が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。