※本記事はUTグループが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
UTグループは2026年3月期通期の連結決算を発表した。売上高は前期に売却した事業を除くベースで前期比0.8%増の1,668億円、売上総利益は同5.4%増の319億円、営業利益は同46.3%増の106億円となり、過去最高益を達成した。株式報酬費用の引当額精査による原価計上額の想定下振れや、募集費・人件費など販売管理費の下振れにより、営業利益は業績予想を11億円上振れて着地した。一方、技術社員数は32,922名(前期比4.0%減、期末予想差578名減)となった。
連結業績(当期実績)
売上高は技術社員数が前期比4.0%減少したものの、単価上昇と稼働時間の増加により増収となった。売上総利益率は人員配置・稼働の最適化により改善し19.2%となった。株式報酬費用は当初予想で12億円を織り込んでいたが、引当額の精査により約7億円の原価計上にとどまり、売上総利益が予想比5億円上振れた。加えて販売管理費が募集費3億円・人件費3億円など下振れたことで、営業利益は業績予想を11億円上振れて106億円(営業利益率6.4%)となった。親会社株主に帰属する当期純利益は71億円(EPS12.37円)。
| 項目 | 2026年3月期実績 | 2025年3月期実績(特殊要因除く) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,668億円 | 1,656億円 | +12億円(+0.7%) |
| 売上総利益 | 319億円 | 303億円 | +16億円(+5.3%) |
| 販売費及び一般管理費 | 213億円 | 231億円 | △18億円(△7.8%) |
| 営業利益 | 106億円 | 72億円 | +34億円(+47.2%) |
| 経常利益 | 108億円 | 74億円 | +34億円(+45.9%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 71億円 | 44億円 | +27億円(+61.4%) |
| EPS(円) | 12.37円 | 7.50円 | +4.87円 |
| 国内技術職社員数(名) | 32,922名 | 34,289名 | △1,367名(△4.0%) |

セグメント別の状況
事業セグメントはモーター・エナジー事業、セミコンダクター事業、エージェント事業、ネクストキャリア事業の4区分(2025年3月期業績はベトナム事業を除く)。セグメント別売上高は、モーター・エナジー事業が52,036百万円(前期比0.4%減)、セミコンダクター事業が37,572百万円(同2.3%増)、エージェント事業が62,580百万円(同2.8%増)、ネクストキャリア事業が14,665百万円(同6.3%減)。構成比はエージェント事業が37.5%と最も高く、次いでモーター・エナジー事業31.2%、セミコンダクター事業22.5%、ネクストキャリア事業8.8%となった。セミコンダクター事業では単価交渉営業の強化や高単価案件への異動を、エージェント事業ではアライアンス強化による求人数・紹介数の拡大を、ネクストキャリア事業では地域特化の人材紹介サービスの開始をそれぞれ進めた。
| セグメント | 2026年3月期売上高 | 2025年3月期売上高 | 増減率 | 構成比(当期) |
|---|---|---|---|---|
| モーター・エナジー事業 | 52,036百万円 | 52,270百万円 | △0.4% | 31.2% |
| セミコンダクター事業 | 37,572百万円 | 36,715百万円 | +2.3% | 22.5% |
| エージェント事業 | 62,580百万円 | 60,879百万円 | +2.8% | 37.5% |
| ネクストキャリア事業 | 14,665百万円 | 15,655百万円 | △6.3% | 8.8% |

通期業績予想
2027年3月期の業績予想は、前回公表の中期経営計画から変更なく、紹介事業の拡大は数字上織り込んでいない計画。売上高は半導体関連における派遣需要の拡大により前期比1.9%増の1,700億円を計画する。株式報酬費用の計上額が10億円以上増加する想定のため売上総利益率は低下する計画だが、当該影響を除くと売上総利益率は改善する見込み。販売管理費は増員のための募集費増加や「貯まるワーク」のプロモーション費用等の一時的な費用を織り込み増加する想定。営業利益は前期比5.8%減の100億円、経常利益は同7.7%減の100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.3%減の61億円、EPSは10.70円を計画する。
| 項目 | 2027年3月期予想 | 2026年3月期実績 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,700億円 | 1,668億円 | +32億円(+1.9%) |
| 売上総利益 | 320億円 | 319億円 | +1億円(+0.0%) |
| 販売費及び一般管理費 | 220億円 | 213億円 | +7億円(+2.9%) |
| 営業利益 | 100億円 | 106億円 | △6億円(△5.8%) |
| 経常利益 | 100億円 | 108億円 | △8億円(△7.7%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 61億円 | 71億円 | △10億円(△14.3%) |
| EPS(円) | 10.70円 | 12.37円 | △1.67円 |

株主還元
2026年3月期より配当性向100%、かつ1株当たり配当金額の下限を10円とする方針のもと、四半期配当による利益還元を実施している(数値は2025年12月31日を基準日とする1株につき15株の株式分割後換算)。2026年3月期の年間配当は12.25円(前期比+3.25円)となり、期末業績の当期純利益が上振れたことに伴い、期末配当を予想の2.60円から4.00円へ1.40円増配した。2027年3月期は配当性向100%を基準に年間配当10.23円を予想しており、四半期ごとの内訳は各四半期業績等を踏まえて決定する想定。
| 区分 | 1Q末 | 2Q末 | 3Q末 | 4Q末 | 年間合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期実績 | 0.00円 | 0.00円 | 4.07円 | 4.93円 | 9.00円 |
| 2026年3月期予想 | ― | ― | ― | 2.60円予想 | 10.85円予想 |
| 2026年3月期実績 | 2.68円 | 2.97円 | 2.60円 | 4.00円 | 12.25円 |
| 2027年3月期予想 | 未定 | 未定 | 未定 | 未定 | 10.23円予想 |

中期経営計画
第5次中期経営計画(FY3/2026~FY3/2029)は市場環境の変化を受けて2025年11月13日公表で見直し、最終年度を2029年3月期に1年延長した。中計最終年度(2029年3月期)の目標は、売上高1,850億円、売上総利益350億円、営業利益150億円、当期純利益91億円、1株当たり配当金額15.20円、在籍人数38,000人。2029年に2023年水準の過去最高利益率である営業利益率8%への回帰を目指す。資本政策としてはROE20%の維持・向上、ネットDEレシオ0.5倍以下を掲げ、中計期間累計の株式付与総額は最大約100億円を計画。2026年6月には初回の株式交付を実施する予定。
※本記事はUTグループが公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。