※本記事は太平電業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
太平電業の2026年3月期(連結)は、受注高196,992百万円(前期比28.1%増)、売上高141,657百万円(同12.7%増)、営業利益14,839百万円(同13.8%増)、経常利益16,246百万円(同17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,902百万円(同22.0%増)となった。受注高は通期予想174,000百万円に対し進捗113.2%、経常利益は同102.8%、親会社株主に帰属する当期純利益は同112.3%と予想を上回って着地した一方、売上高は99.1%、営業利益は98.9%の進捗となった。売上高は建設工事部門・補修工事部門ともに前期を上回り、営業利益は建設工事部門が前期比224.9%増と大きく伸びた。翌2027年3月期は売上高160,000百万円、営業利益17,400百万円を見込む。
連結業績(2026年3月期 実績)
受注高は196,992百万円と前期の153,773百万円から増加し、前期比28.1%増となった。売上高は141,657百万円(前期125,670百万円)、営業利益は14,839百万円(同13,037百万円)、経常利益は16,246百万円(同13,808百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,902百万円(同9,753百万円)。キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが-5,817百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが746百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが-1,983百万円となり、現金及び現金同等物の期末残高は35,169百万円(期首42,104百万円)となった。資料では、営業キャッシュ・フローの変動要因として大型の建設工事における追加工事の受注・入金タイミングのズレや竣工払い契約の増加を挙げ、工事量の増加に伴う運転資金需要の高まりを説明している。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 実績 | 2025年3月期(参考値) | 前期比率(参考) |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 196,992 | 153,773 | 28.1% |
| 売上高 | 141,657 | 125,670 | 12.7% |
| 営業利益 | 14,839 | 13,037 | 13.8% |
| 経常利益 | 16,246 | 13,808 | 17.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,902 | 9,753 | 22.0% |
部門別(建設工事・補修工事)の状況
売上高は、建設工事部門が44,531百万円(前期比13.7%増)、補修工事部門が97,125百万円(同12.3%増)。営業利益は建設工事部門が2,024百万円(同224.9%増)、補修工事部門が12,815百万円(同3.2%増)となり、補修工事部門が全体の売上高・営業利益の大半を占める構成となっている。なお営業利益は全社費用を各部門に配賦したもの。資料では、リスクが高く追加工事の受注等により収益のブレが大きい建設工事から、安定的な収益が見込める補修工事への展開を強化しており、補修工事は年々着実に拡大し収益力の向上が進んでいるとしている。
| 部門 | 指標(百万円) | 2026年3月期 実績 | 2025年3月期(参考値) | 前期比率(参考) |
|---|---|---|---|---|
| 建設工事部門 | 売上高 | 44,531 | 39,152 | 13.7% |
| 補修工事部門 | 売上高 | 97,125 | 86,518 | 12.3% |
| 合計 | 売上高 | 141,657 | 125,670 | 12.7% |
| 建設工事部門 | 営業利益 | 2,024 | 623 | 224.9% |
| 補修工事部門 | 営業利益 | 12,815 | 12,414 | 3.2% |
| 合計 | 営業利益 | 14,839 | 13,037 | 13.8% |

2027年3月期 通期業績予想
2027年3月期の連結業績予想は、売上高160,000百万円(増減額18,343百万円、前期比12.9%増)、営業利益17,400百万円(同2,561百万円、17.3%増)、経常利益18,400百万円(同2,154百万円、13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12,000百万円(同98百万円、0.8%増)。受注高は179,700百万円で、2026年3月期実績196,992百万円に対し増減額-17,292百万円、前期比-8.8%(減少)を見込む。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 実績 | 2027年3月期 予想 | 増減額 | 前期比率(参考) |
|---|---|---|---|---|
| 受注高 | 196,992 | 179,700 | -17,292 | -8.8% |
| 売上高 | 141,657 | 160,000 | 18,343 | 12.9% |
| 営業利益 | 14,839 | 17,400 | 2,561 | 17.3% |
| 経常利益 | 16,246 | 18,400 | 2,154 | 13.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,902 | 12,000 | 98 | 0.8% |

株主還元
同社は2025年3月期より株主還元方針を改定し、DOE(株主資本配当率)3%を下限、配当性向35%を目安とする方針を採用している。今後も長期的視点に基づき安定的かつ継続的な配当を行うことを基本方針としつつ、企業価値向上に伴うさらなる還元拡大を目指すとしている。1株当たり配当は2026年3月期が70円、2027年3月期予想が75円(いずれも2025年10月1日を効力発生日とする1株につき3株の株式分割の影響を考慮した金額、小数点以下切り捨て)。株式分割は株式の流動性向上と投資家層のさらなる拡大を図るもので、基準日は2025年9月30日。2026年3月期末の株価指標は、期末株価2,893円、EPS188円、PER15.3倍となっている。
| 項目 | 2026年3月期 | 2027年3月期(予想) |
|---|---|---|
| 1株当たり配当(円) | 70 | 75 |
| 1株当たり純利益(円) | 188 | 190 |

中期経営計画・企業価値向上に向けた取り組み
2027年3月期から2029年3月期を対象とする新中期経営計画では、経営数値目標として2028年度に売上高1,800億円以上・ROE9.5%以上、2030年度に売上高2,000億円以上・ROE10.0%以上を掲げる。前中期経営計画(2024年3月期〜2026年3月期)は売上高1,500億円の目標に対し実績1,416億円、その前の中期経営計画(2021年3月期〜2023年3月期)は売上高1,000億円の目標に対し実績1,269億円だった。ROEは2022年3月期以降9%超で推移し2026年3月期は9.9%、PBRは2025年3月期末時点では1倍を割っていたものの2026年3月期末時点で1.52倍まで上昇したとしている。株主資本コストは益利回りや投資家の意見に基づき8〜9%と認識。政策保有株式は連結純資産に対する保有割合を現状16.4%から2030年度までに10%未満とすることを目指す。2026〜2028年度のキャッシュアロケーションは、原資として営業キャッシュフロー350億円と現金・現金同等物350億円を想定し、所要事業資金300億円、M&A等の戦略投資350億円、工事用資機材等の設備投資100億円に振り分ける方針。

トピックとしては、2026年4月に東栄技工株式会社の株式を100%取得。発電所等の陸上プラントや船舶分野における溶接補修事業を展開し特殊溶接の実績と技術者を有する同社を子会社化することで、グループ全体の施工力および収益力の向上を目指すとしている。新規事業では、バイオマス発電所を中心に林業・農業等の地域資源を活かした「グリーンプロジェクト」を推進しており、2026年は新潟県村上市における建築工事および発電設備工事に着手、新潟県村上市および茨城県筑西市でFIP申請を進める計画。基盤事業では、データセンターや半導体工場の新増設に伴う電力需要増加、原子力発電所の再稼働(当社は原子力施設35基のうち30基で施工経験あり)、東南アジアでのエネルギー需要拡大を事業機会として挙げている。
※本記事は太平電業が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。