※本記事はテクノ菱和が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
テクノ菱和の2026年3月期は、日本国内への建設投資、設備投資など好調な受注環境を受けて前年同期比増収増益となった。売上高は986億円(前年同期比17.2%増)、営業利益は157億円(同63.7%増)、経常利益は164億円(同66.0%増)、当期純利益は117億円(同62.6%増)。受注高は1,066億円(同3.5%増)、手持工事高は844億円(同10.6%増)となった。2027年3月期は売上高1,000億円(同1.3%増)、経常利益165億円(同0.0%増)とほぼ横ばいを見込み、年間配当金は1株につき176円(前年比6円増)を予想している。
連結業績(2026年3月期 実績)
売上高は986億円と前年同期比17.2%増加、営業利益は157億円と同63.7%増加、当期純利益は117億円と同62.6%増加した。売上高増は複数の大型工事が期中に完成したことによる。また、受注増の影響により手持工事高も844億円と前年同期比10.6%増加した。実績は2026年3月31日公表の業績予想に対しても、売上高0.8%増、営業利益4.7%増、経常利益4.5%増、当期純利益5.0%増と上回った。
| 項目(百万円) | 2026年3月期 実績 | 2025年3月期 実績 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 98,681 | 84,190 | 17.2% |
| 売上総利益 | 25,043 | 17,425 | 43.7% |
| 営業利益 | 15,760 | 9,629 | 63.7% |
| 経常利益 | 16,493 | 9,935 | 66.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,797 | 7,256 | 62.6% |
| 1株当たり当期純利益(円) | 570.86 | 344.90 | 65.5% |
| 受注高 | 106,649 | 103,043 | 3.5% |
| 手持工事高 | 84,466 | 76,395 | 10.6% |

営業利益の増減要因は、産業設備工事が売上高増加(前年同期比17.5%増)に伴う工事利益増加により前年同期比52.5億円増加、一般ビル設備工事が売上高増加(同17.2%増)により同22.4億円増加、電気設備工事・冷熱機器販売等が同1.1億円増加した一方、一般管理費はベースアップ等の処遇改善などによる人件費増加により同14.8億円増加し、2025年3月期実績96.2億円から2026年3月期実績157.6億円となった。
セグメント別の状況
産業設備工事は、受注環境が好調で案件も大型化しており、受注は738億円、前年同期比11.6%増加した。一般ビル設備工事は、前期官庁工事である大型工事受注の反動により288億円、同10.8%減少し、官公庁工事受注額は107億円、同44.1%減少した。電気設備工事は27億円、同18.1%減少、冷熱機器販売事業は13億円、同3.4%増加した。
| 区分(受注高・百万円) | 2026年3月期 実績 | 2025年3月期 実績 | 増減額 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| 産業設備工事 | 73,822 | 66,166 | 7,656 | 11.6% |
| 一般ビル設備工事 | 28,801 | 32,295 | △3,493 | △10.8% |
| 電気設備工事業 | 2,722 | 3,322 | △600 | △18.1% |
| 冷熱機器販売事業 | 1,303 | 1,259 | 43 | 3.4% |
| 合計 | 106,649 | 103,043 | 3,605 | 3.5% |
| (うち、海外) | (1,161) | (525) | (636) | (121.2%) |
| 空調衛生設備工事業 官公庁工事 | 10,707 | 19,165 | △8,457 | △44.1% |
| 空調衛生設備工事業 民間工事 | 91,915 | 79,295 | 12,619 | 15.9% |

セグメント別動向では、産業設備工事は化学関連、半導体関連、食品関連などの工事の受注があり受注高738億円(前年同期比11.6%増)、前期以前に受注した半導体関連の売上により売上高659億円(同17.5%増)、手持工事高495億円(同18.9%増)となった。一般ビル設備工事は、東京都港区の庁舎や地域冷暖房工事などの受注があり受注高288億円(同10.8%減)、病院、防衛施設などの完成工事があり売上高284億円(同17.2%増)、手持工事高334億円(同1.1%増)とほぼ横ばいだった。電気設備工事は受注高27.2億円(同18.1%減)、売上高28.9億円(同17.3%増)、手持工事高14.1億円(同11.0%減)、冷熱機器販売は売上高13億円(同3.4%増)となった。
2027年3月期 通期業績予想
売上高については、中東情勢など不透明要素はあるものの、期首の手持ち工事の状況、工事の進捗も順調であり、追加工事を含む受注環境が堅調であることから、1.3%増の1,000億円を予想している。営業利益は、資材や労務費の増加はあるものの、大型工事の進捗予想から1.5%増の160億円、経常利益は本社移転費用や人件費増を加味し165億円を予想する。受注高は受注案件の状況から0.3%増の1,070億円を見込む。
| 項目(百万円) | 2027年3月期 業績予想 | 2026年3月期 実績 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 100,000 | 98,681 | 1.3% |
| 売上総利益 | 25,860 | 25,043 | 3.3% |
| 営業利益 | 16,000 | 15,760 | 1.5% |
| 経常利益 | 16,500 | 16,493 | 0.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 11,800 | 11,797 | 0.0% |
| 1株当たり当期純利益(円) | 575.51 | 570.86 | 0.8% |
| 受注高 | 107,000 | 106,649 | 0.3% |

2027年3月期の売上高予想の内訳は、産業設備工事660億円(対前年0.7億円増)、一般ビル設備工事294億円(同9.6億円増)、電気設備工事・冷熱機器販売等46億円(同2.9億円増)で、合計1,000億円(同13.2億円増)。営業利益予想の内訳は、産業設備工事174億円(同2.7億円増)、一般ビル設備工事76億円(同5.9億円増)、電気設備工事・冷熱機器販売等9億円(同0.4億円減)、一般管理費99億円(同5.8億円増)で、合計160億円(同2.4億円増)としている。人件費や本社移転費用など一般管理費増が、営業利益減に影響しているとしている。
株主還元
同社は株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと認識し、経営基盤の充実を図りつつ、期間収益及び配当性向を勘案し、安定して配当を維持することを基本方針としている。この基本方針に則り、中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』(2024年度~32年度)の期間中においては、1株当たりの年間配当金について前年度の年間配当金を下回らないこととし、利益の成長に応じて増額するとしている。2027年3月期の配当予想は、中間配当金を1株につき88円、期末配当金を1株につき88円とし、年間配当金は1株につき176円(前年比6円増)を予定する。また、株主還元策のひとつとして『TECHNO RYOWA 2032』の期間中に自社株買いならびに自己株式の消却を機動的に実施するとしており、2026年3月期は538千株、2,199百万円の自社株買いを実施した。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2027年3月期 中間配当金(予想) | 1株につき88円 |
| 2027年3月期 期末配当金(予想) | 1株につき88円 |
| 2027年3月期 年間配当金(予想) | 1株につき176円(前年比6円増) |
| 2026年3月期 自己株式の取得 | 538千株/2,199百万円 |

中期3か年事業計画・トピックス
同社は9年間を一区切りとした中長期経営ビジョンを掲げ、その下で3年ごとに中期3か年事業計画を策定している。中期3か年事業計画(2024~26年度)の最終年度となる2027年3月期の数値目標は、2026年3月期の最終実績および2027年3月期の業績予想に鑑み、2026年5月14日に見直しを実施し、売上高1,000億円、経常利益165億円、ROE15%以上、PBR2.0倍以上とした(2025年11月7日見直し時は経常利益120億円)。投資計画では、2026年3月期までの累計実績は人的投資4.3億円、研究開発投資8.7億円、DX関連投資7.8億円となり、いずれも当初の計画を上回るペースで進捗しているとしている。中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』の2032年度までの数値目標は、売上高1,100億円、経常利益174億円、ROE15%以上、従業員数1,000人以上。
トピックスとして、業容の拡大に伴う従業員の増加への対応や、働きやすいオフィス環境を整備する目的で、本社と東京本店を豊島区から港区(東京都港区芝五丁目34番2号 ミタマチテラス)へ2026年5月18日に移転した。移転先はZEBReady認証を取得した環境に配慮した次世代ビルとしている。また、ブランド戦略の一環としてCM放映を開始し、CMアンバサダーにお笑いコンビの「空気階段」を任命した。
※本記事はテクノ菱和が公開したIR資料(直近の通期決算説明資料)に基づく事実整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は開示資料に基づきますが、利益指標の定義や集計方法は会社により異なる場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。